
2026年2月14日、サウジアラビアで開催された世界最高賞金レース「サウジカップ」にて、日本馬フォーエバーヤングが史上初の連覇を達成。総獲得賞金は45億円を突破し、日本馬歴代1位の座を不動のものとした。本記事では、この歴史的勝利の詳細と最強馬の素顔に迫る。
日本の至宝、フォーエバーヤングがサウジカップ史上初の連覇を達成
サウジアラビアのリヤドにあるキングアブドゥルアジーズ競馬場で日本時間2月15日未明、競馬界の歴史が塗り替えられた。
世界最高賞金1000万ドル(約15億6700万円)を懸けたダート王決定戦、サウジカップ(G1・ダート1800メートル)において、日本のフォーエバーヤング(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)が昨年に続く勝利を挙げ、レース史上初の連覇という金字塔を打ち立てた。
この勝利により、フォーエバーヤングの総獲得賞金は45億6000万円を超え、日本の競走馬として歴代単独1位の記録をさらに更新。もはや「伝説」という言葉すら生ぬるい、世界競馬史に残る偉業となった。
王者の貫禄を見せたレース展開:米国強豪ナイソスとの激闘
出走13頭の中で単勝1.2倍という圧倒的な1番人気に支持されたフォーエバーヤングは、好スタートから道中は2列目のインコースを追走。手綱を握る坂井瑠星騎手は、王者の走りを信じ、落ち着いた手綱さばきを見せた。
勝負の分かれ目は最終コーナーだった。4コーナーで開いた内側のわずかな隙間を突き、一気に先頭へ躍り出る。直線では、昨年のBCダートマイル覇者である米国の強豪ナイソスが猛然と追い上げ、2頭の激しい叩き合いが展開された。しかし、フォーエバーヤングは二の脚を使い、ナイソスを1馬身突き放してゴール。勝ち時計1分51秒04という堂々たる内容で、砂漠の王座を守り抜いた。
2026年サウジカップ レース結果(上位5頭)
1着:フォーエバーヤング 坂井瑠星 騎手(日本)
2着:ナイソス F.プラ 騎手(米国)
3着:タンバランバ J.ドイル 騎手(カタール)
4着:ビショップスベイ J.アルバラード 騎手(米国)
5着:ルクソールカフェ J.モレイラ 騎手(日本)
獲得賞金45億円突破!日本一から「世界一」の賞金王へ
今回の勝利でもたらされた1着賞金1000万米ドルは、2026年始のレート換算で約15億6733万円。報道によると、フォーエバーヤングの総獲得賞金は45億6083万4550円に到達した。
これにより、2位のウシュバテソーロ(約26億円)に大差をつけ、日本馬歴代1位の座を確固たるものにしている。さらに、視線はすでに「世界歴代賞金王」に向けられている。
世界歴代ランキングでも2位に浮上
現在、世界で最も賞金を稼いだ馬は香港のロマンチックウォリアー(約49億円)だが、フォーエバーヤングは今回の勝利で世界歴代2位にまで順位を上げた。
JRA所属馬・歴代高額賞金トップ5(2026年2月15日現在)
1位:フォーエバーヤング:45億6083万4550円
2位:ウシュバテソーロ:26億131万1100円
3位:イクイノックス:22億1158万2100円
4位:アーモンドアイ:19億1526万3900円
5位:キタサンブラック:18億7684万3000円
2位のウシュバテソーロに約19億円もの差をつける断然のトップである。さらに、視線はすでに「世界歴代賞金王」に向けられている。現在、世界記録を保持するのは香港のロマンチックウォリアー(約49億円)だが、次走に予定されているドバイワールドカップ(3月28日、UAE・メイダン競馬場)の1着賞金は約10億9000万円。ここで勝利すれば、総額は約56億5000万円に達し、名実ともに「世界で最も賞金を稼いだ競走馬」となる。
徹底解説:フォーエバーヤングとはどんな馬なのか?
競馬を詳しく知らない読者にとって、「なぜこの馬がこれほど稼げるのか」「なぜこれほど強いのか」は最大の疑問だろう。その背景には、ドラマチックな血統と、常識を打ち破る「チーム・ヤング」の戦略がある。
1. 「ウマ娘」藤田晋オーナーの夢を乗せた名馬
フォーエバーヤングのオーナーは、「ウマ娘 プリティーダービー」でも知られる株式会社サイバーエージェントの代表取締役社長、藤田晋氏である。藤田氏がセレクトセールにて9800万円(税抜)で落札したこの馬は、同氏にとって初のG1級競走制覇をもたらし、今や世界を席巻する存在となっている。
2. 世界を渡り歩く「海外遠征のスペシャリスト」
フォーエバーヤングは、これまでに日本、サウジアラビア、UAE(ドバイ)、アメリカと世界各国を転戦。特に3歳時にはアメリカの最高峰「ケンタッキーダービー」で鼻差+鼻差の3着という、日本馬として史上最高のパフォーマンスを見せた。その後、2025年にはアメリカのダート世界一決定戦「ブリーダーズカップ・クラシック(BCクラシック)」を日本馬として初めて制覇。この快挙により、2025年のJRA年度代表馬にも選出されている。
3. 血統と背景
父はリアルスティール(その父ディープインパクト)。芝で活躍した父の血統ながら、フォーエバーヤングはダート(砂)の舞台で類稀なる才能を開花させた。また、管理する矢作芳人調教師は「世界のYAHAGI」として知られ、フォーエバーヤングと共に海外G1・11勝目をマーク。自身が持つ歴代最多記録を更新し続けている。
「世界のYAHAGI」が語る、可能性を決めない哲学
管理する矢作芳人調教師は、型にハマらない育成で知られ、海外遠征を積極的に行うことから「世界のYAHAGI」の異名を持つ。また、デビューから一貫して手綱を取る坂井瑠星騎手とのコンビネーションも抜群で、人馬一体の走りが世界の強豪を圧倒している。
矢作芳人調教師は、フォーエバーヤングの強さを語る際、自身の調教師人生と重ね合わせることが多い。スポーツ報知の取材に対し、矢作師は次のように語っている。
「可能性を決めないこと。最高は更新しないといけない。現状維持は衰退するだけ。さらに上を目指さないと。俺の調教師人生がそうだったから」
その哲学通り、フォーエバーヤングは5歳となった2026年も現役を続行。本来であれば4歳で引退し種牡馬(子出しの馬)になる道もあったが、藤田オーナーの「5歳の走りも見たい」という意向もあり、現役生活を継続している。この決断が、サウジカップ連覇という前人未到の記録を生んだ。
日本のファンも深夜に熱狂「文句なしに世界最強」
サウジカップの出走時間は日本時間の深夜2時40分過ぎ。それにもかかわらず、SNS上では多くのファンがリアルタイムで応援し、勝利の瞬間には歓喜の声があふれた。
- 「俺たちはすごい時代に競馬を見ている」
- 「震えと笑いが止まらない」
- 「文句なしに世界最強です」
- 「日本競馬の歴史を一人で塗り替えてしまった」
Xでは「フォーエバーヤング」がトレンド1位を獲得。国内でのレース出走が少ないにもかかわらず、これほどまでに国民的人気を得ているのは、彼が「日本の代表」として世界中の強豪をなぎ倒してきたからに他ならない。
次なる目標はドバイ、そして世界最高賞金王へ
サウジカップ連覇という歴史を刻んだ王者の次なる標的は、3月28日に行われるドバイワールドカップだ。昨年は3着と惜敗した舞台だが、今の充実ぶりならばリベンジの可能性は極めて高い。
サウジとドバイの「中東ダブル制覇」を成し遂げれば、史上初の快挙。そして、世界一の賞金王という称号を手に入れることになる。
また、矢作師の口からは、秋には再びアメリカのBCクラシック連覇を目指すプランや、将来的に芝のレース(有馬記念など)に挑戦する可能性も示唆されている。フォーエバーヤングの馬名が示す通り、常に若々しく、挑戦を続けるその姿は、これからも私たちに夢を見せ続けてくれるだろう。
「最強」のその先へ。フォーエバーヤングの最終章は、今まさに始まったばかりだ。



