
2月11日、建国記念の日。祝日の穏やかな空気を切り裂くように、保守言論界を揺るがす「絶縁宣言」がSNS上を駆け巡った。日本保守党の強力な支援者として知られる大王製紙元会長・井川意高氏が、同党代表の百田尚樹氏に対し、公然と「決別」を言い渡したのだ。
事の発端から三行半に至るまで。2月11日のタイムラインを追うと、単なる内輪揉めではない、真面目な支持者の苦悩が浮き彫りになった。
発端は「負け惜しみ」への失望
騒動の引き金となったのは、選挙結果に対する百田代表の姿勢だった。百田氏はXにて、結果が出てから敗因を分析する人々を《まるで自分は何もかも見通していたかのように》と揶揄。この態度に、これまで熱心に党を支えてきた井川氏が噛みついた。
「先生ダメです こういう負け惜しみは」
井川氏は即座に反応し、「先生の一連のポストで日本保守党を応援する気持ちが失せました」と通告。さらに「現状を認識して反省すべきことは反省することが出来ない組織や人間を応援することは出来ません」と、組織のトップとしての資質に疑問を投げかけた。
「黙って去れ」が決定打に
決定的な亀裂が入ったのは、同日昼の百田氏の投稿だ。百田氏は去りゆく支持者に対し、こうポストした。
《去っていく人は、もちろんその人の自由やけど、黙って去ればいいのにねとは思う》
この「去る者は黙れ」という突き放した言葉が、井川氏の導火線に火をつけた。井川氏はこれを引用し、自身のフォロワーや「ファン」に対する責任感を露わにする。
「『応援』するときは声を大にして発信しろ、『去る』ときは黙って去れということですか」
井川氏は、自身の影響力を信じて一票を投じてくれた人々に対し、黙って去ることは「裏切り行為」になると主張。なぜ支持をやめるのか、その理由を説明することこそが誠意であると説いたのだ。さらに、党が議席こそ逃したものの、全国得票率2.4%を超え政党要件を満たしたこと自体は評価し、友人らと喜び合っていたという内幕も明かした。結果そのものではなく、その後の「不貞腐れた不遜なポスト」こそが、決別の本質的理由だったようだ。
本音か、酒の勢いか
一連の投稿には、党勢拡大を真剣に願っていたからこその、悲痛な叫びが綴られている。
「私の思いを受けて投票してくださった方々へ会わせる顔がない」「本当に悲しいです」
その文章は、多くの“物言えぬ支持者”の気持ちを代弁しているようでもあり、ネット上では「井川さんの言う通りだ」「正論すぎる」との声も相次いだ。
ただ、井川氏の投稿が深夜に及んだことや、その激しい文面から「酒の勢いもあったのでは?」と見る向きもある。
「3年後、4年後に私が嘲笑されることを祈っています」と言い残し、筆を置いた井川氏。この「2月11日の決別」は、永久の別れとなるのか、それとも党が変わるための劇薬となるのか。祝日の夜に起きた騒動の余波は、まだ収まりそうにない。



