
開始時刻を過ぎても、姿は現れなかった。
1月14日午後、福島市役所で予定されていたJ3福島ユナイテッドFCの表敬訪問は、静かな緊張感のなか延期が決まった。選手代表として出席予定だった「キングカズ」こと三浦知良が到着しなかったためだ。事故や急病といった事態ではなく、原因はスタッフ間の伝達ミス。前日には必勝祈願で力強い言葉を口にしていただけに、その落差が注目を集めている。
開始時刻を過ぎても現れなかった
表敬訪問は14日午後2時45分から行われる予定だった。
福島ユナイテッドFCの小山淳CEO、鈴木勇人社長、寺田周平監督らが市役所に集まり、あとは選手代表の到着を待つばかりだった。
しかし、開始予定時刻を過ぎても三浦の姿はなかった。会議室に漂う空気が次第に張り詰め、関係者の視線が時計へと向かい始めた頃、代理人を通じて「来られない」という連絡が入る。ほどなくして、この日の表敬訪問は延期されることが決まった。
事故でもトラブルでもなかった理由
クラブ関係者によると、三浦は当日の午前中、二本松市で行われたチーム練習に通常通り参加していた。
練習後に体のケアを行い、市役所で合流する予定だったが、開始時刻に関する認識の齟齬が生じたという。
デイリースポーツは、事故や急なアクシデントではなく、スタッフの伝達ミスが原因だったと報道。クラブ側も同様の説明を行い、「体調不良や不測の事態ではない」と強調した。
緊急治療と、共有されなかった時間
テレビユー福島(TUF)は続報として、三浦が連日のハードなトレーニングによる疲労を受け、14日午後に緊急の治療を受けていたことを伝えた。ただし、表敬訪問の延期に直結したのは、その治療そのものではない。
訪問時間に関する情報がスタッフ間で十分に共有されておらず、三浦本人に正確な開始時刻が伝わっていなかったことが、結果として遅れにつながったとされる。
前日は必勝祈願「昇格へ力を合わせたい」
この出来事の前日、福島ユナイテッドFCは必勝祈願を行っていた。
期限付き移籍で加入した三浦も神前に立ち、「昇格に向けて力を合わせてやっていきたい」と抱負を語っている。
リーグ最年長の58歳。5年ぶりのJリーグ復帰となる今季は、チームにとっても再挑戦のシーズンだ。寺田周平監督も「何が何でも死に物狂いで、必ずJ2昇格を成し遂げたい」と強い決意を示していた。
表敬訪問は16日に実施予定
延期となった福島市長への表敬訪問は、16日に改めて実施される予定だ。
小さな行き違いから生じた今回の出来事だが、その一方で、58歳になってもなお三浦知良という存在が持つ影響力と注目度の大きさを、改めて浮き彫りにしたとも言える。
開幕を目前に控え、福島ユナイテッドFCはピッチ内外の調整を進めながら、新シーズンへ向かう。



