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「止めろ、止めろ」審判長が異例の取組停止 2024年初場所三日目・幕下で起きた“流血待った”の瞬間

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大相撲
DALLーEで作成

東京・両国国技館で行われていた大相撲初場所三日目、幕下の土俵で異例の事態が起きた。立ち合い直後、審判長の「止めろ、止めろ」という怒号が飛び、行司が取組中にもかかわらず土俵へ走り込む。力士の額から流れ落ちる鮮血。普段は淡々と進む幕下取組で起きた“流血待った”は、観客と視聴者に強烈な印象を残した。

 

 

立ち合いの一瞬、異変は突然訪れた

張り詰めた空気が漂う国技館。幕下の取組が続くなか、紫雷と吉井の一番も、ごく普通の立ち合いで始まった。両者が激しく当たった、その刹那だった。

「止めろ、止めろ」

正面から鋭い声が響く。声の主は、審判長を務めていた元大関の千代大海(九重親方)。異変を察知した十両行司の木村幸三郎が、思わず駆け足で土俵に向かい、“待った”をかけた。取組中に行司が走る。

その珍しい光景に、場内は一瞬ざわめいた。

 

額からあふれる鮮血 取組は緊急停止へ

紫雷と吉井は左四つに組み合っていた。その直後、紫雷の額から血が噴き出す。赤い筋が顔を伝い、土俵上に落ちていくのがはっきりと分かるほどだった。

審判長は繰り返し取組の停止を指示し、「額が割れたから」と理由を説明。呼出しから手拭いが渡され、行司が紫雷の顔に滴る血を丁寧に拭き取った。土俵上で止血が行われるという、ほとんど見られない場面に、客席はざわつき、SNSには「初めて見た」「こんなことあるのか」「大丈夫か」といったコメントが相次いだ。

 

「血が出やすい力士」紫雷に向けられる視線

紫雷は過去にも流血が話題になることが少なくない力士だ。SNS上では「紫雷はいつも額を切っている印象」「古傷が影響しているのでは」と心配する声が広がった。

頭部は毛細血管が集中しており、一度裂けると出血量が多くなりやすい。稽古と本場所を繰り返す力士にとって、古傷が再び開くリスクは常につきまとう。

 

再開後の土俵 勝負は静かに決着

止血を終え、取組は再開された。先ほどまでの騒然とした空気が嘘のように、土俵には再び緊張が戻る。

下手を取った吉井が、落ち着いて前に出る。そのまま寄り切り。勝負は静かに、しかし確実に決まった。吉井は初白星となる1勝目を挙げ、紫雷は2敗目を喫した。

 

幕下の土俵に残った、静かなざわめき

行司が土俵を離れ、取組が再開されると、国技館は再びいつもの進行へと戻っていった。次の取組が呼び上げられ、観客の視線もゆっくりと前へ向かう。だが、先ほどまで土俵中央に流れていた鮮血の光景は、簡単には消えなかった。

幕下の一番。テレビ中継でも主役になることは多くない取組で、審判長の声が響き、行司が走り、土俵上で止血が行われた。その“非日常”は、勝敗以上に強い印象を残した。

紫雷は黙って立ち上がり、再び相手と向き合った。吉井もまた、戸惑いを振り切るように前へ出た。勝負は決したが、そこに派手なガッツポーズも、大きな歓声もない。ただ、土俵に立ち続ける力士の背中だけが残った。

相撲は、止めない競技だと言われる。多少の痛みや出血は、日常の延長線にある。それでも、この日だけは「止めろ」という声が必要だった。幕下の土俵で起きた一瞬の中断は、相撲が積み重ねてきた歴史と、いま現在の現実が交差した瞬間でもあった。

勝ち星は記録に残る。だが、2024年初場所三日目のこの一番は、数字には残らないざわめきとして、国技館の記憶に刻まれた。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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