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「台湾海峡はすでに戦場である」 頼清徳が新年の挨拶で語った中国との関係『2026年危機説』

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日本が直視すべき“シーレーン断絶”の悪夢

台湾は2026年をどう捉えているのか

台湾の頼清徳総統は1日、新年の演説を行い、中国軍による前代未聞の軍事威圧を受け、台湾の主権を何としても死守する決意を全世界に向けて表明した。台北の総統府から生中継されたこの演説で、頼氏は「国際社会は、台湾の人々が自国を守る決意を持っているかを見守っている」と国民を鼓舞した。

しかし、その言葉の行間には、希望よりも切迫した警告が滲んでいた。中国が台湾侵攻能力を完成させるとされる2027年を目前に控え、頼氏は今年2026年こそが、台湾が生き残れるか否かを分ける「極めて重要な年」になると断言したのである。

 

頭上を飛び交うロケット弾 「演習」の皮を被った「開戦リハーサル」

事態は、単なる外交的な緊張の域を完全に超えている。頼氏の演説は、中国軍が「正義の使命2025」と名付けた大規模演習を終えたわずか2日後に行われたが、軍事専門家の視点から見れば、この演習内容は衝撃的と言うほかない。中国は台湾領土に向けて数十発ものロケット弾を撃ち込み、過去最大級の艦艇と航空機を台湾本島の目と鼻の先まで展開させた。台湾国内では民間航空便が数十便も欠航に追い込まれている。

これはもはや従来の「威嚇」ではない。制空権と制海権を奪取し、台湾を物理的に孤立させるための「封鎖作戦」の実戦リハーサルだ。中国軍が今回、演習の目的を初めて「外部介入の抑止」と明言した点は極めて重い。

これは即ち、米軍や自衛隊の来援を阻止するための接近阻止・領域拒否(A2/AD)能力が、実戦配備の段階に入ったことを示唆しているからだ。

 

「台湾有事は日本有事」の先へ 南西諸島防衛と心中する覚悟はあるか

ここで突きつけられるのが、日本の安全保障に対する致命的な問いかけだ。中国軍が演習で見せつけた台湾周辺の「封鎖」は、日本の生命線であるシーレーン(海上交通路)が、いつ遮断されてもおかしくないという現実を浮き彫りにした。

頼総統は、野党が支配する議会で停滞する400億ドル(約5.8兆円)規模の防衛費増額案の承認を焦っているが、台湾単独の防衛力では、中国の圧倒的な物量に対抗しきれないことは火を見るよりも明らかだ。

軍事的なリアリズムに基づけば、日本はもはや「平和の傍観者」ではいられない。台湾へのロケット弾発射は、地理的に近接する日本の南西諸島もまた、紛争の火の粉を被る射程圏内にあることを意味する。「台湾有事は日本有事」という言葉は、もはや政治的なスローガンではなく、兵站(ロジスティクス)と防衛計画における緊急課題となった。

日本に求められているのは、米国からの111億ドルの支援を頼みとする台湾と連携し、南西諸島の防衛網を台湾海峡の抑止力とシームレスに連動させる具体的な行動だ。それは、日本の経済活動や国民生活が一時的に犠牲になるリスクを負ってでも、現状変更を許さないという「国家としての覚悟」を国際社会に示すことに他ならない。

 

習近平の「統一」宣言と狭まる対話の窓

頼氏は演説で、中国が中華民国の存在を認め、民主的な生活を尊重することを条件に対話のドアを開けていると述べた。しかし、北京からの回答は冷徹だ。国務院台湾事務弁公室は頼氏の演説を「嘘とナンセンス、悪意の塊」と一蹴し、習近平国家主席も新年の辞で「統一は必然」との姿勢を崩していない。

外交的な解決の余地が急速に狭まる中、頼総統が語った「最悪の事態に備えた計画」の策定は、台湾一国の課題ではない。それは、台湾海峡という火薬庫の隣で暮らす日本にとっても、回避不能な「2026年の宿題」となっている。

 

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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