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【逮捕】元幕内力士「若麒麟」こと鈴川真一 大麻リキッド所持の疑いで再び転落 再起の道を閉ざした“孤独な力士”

コラム&ニュース コラム
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鈴川真一
DALLーEで作成

かつて幕内で名を馳せた元力士「若麒麟」。
土俵を去ってから15年、プロレスの世界で再起を目指していた男が、再び逮捕された。
東京・歌舞伎町で大麻リキッドを所持していた疑い。
一度は転落から這い上がろうとした鈴川真一(42)は、なぜ再び法の壁を越えてしまったのか。

 

 

歌舞伎町の夜、再び職務質問で発覚

2025年5月中旬、東京・新宿区歌舞伎町。
深夜の路上に止めた車の中にいた男に、巡回中の警察官が声をかけた。
その男こそ、かつて「若麒麟」の四股名で知られた元幕内力士・鈴川真一容疑者だった。

職務質問を受けた際、ズボンのポケットから液体の入った小瓶が見つかる。
鑑定の結果、瓶の中には大麻成分を含むリキッド約0.1グラムが検出された。
警視庁新宿署は17日までに鈴川容疑者を麻薬取締法違反(所持)の疑いで逮捕。
本人は「合法なものだと思った」と容疑を否認している。

 

 “将来を嘱望された力士”からの急転落

鈴川容疑者は1983年、兵庫県出身。
大相撲では「若麒麟」として2000年代後半に幕内へ昇進。
183センチ、135キロの体格と闘志あふれる取り口で注目された。
しかし、華やかな土俵人生は長く続かなかった。

2009年、東京・六本木で大麻所持の疑いにより逮捕。
この事件で日本相撲協会から懲戒解雇処分を受け、相撲界を去った。
当時25歳。
「もう一度やり直したい」と周囲に語っていたという。

 

プロレスで“再起”を図るも、影を落とした孤立

引退後、鈴川はプロレスの世界へ。
地方大会などでリングに立ち、かつての体躯と力強さを武器に奮闘した。
SNSではファンと交流し、再出発を誓う姿もあった。

だが、現実は厳しかった。
目立った所属団体はなく、生活は不安定。
かつての仲間や後援者との関係も薄れ、孤立が深まっていったという。

「真面目にやろうとしていたのに、仕事が続かず気持ちが沈んでいた」
旧知の関係者は、事件の知らせに言葉を失った。

 

大麻リキッドの“錯覚”と再犯の現実

大麻リキッドは、大麻成分THCを液状にしたもので、電子タバコで吸引可能。
見た目は一般のリキッド製品と変わらず、SNSを通じて「合法風」に売られているケースも多い。
しかし、日本では明確に違法だ。

密売価格は0.1グラムあたりおよそ5,000〜6,000円。
「少量なら問題ない」「CBDと同じ」と誤解する人もいるが、大麻取締法の厳罰化が進む今、所持だけでも懲役刑に問われる可能性がある。

「再犯」ではなく「再び孤独に沈んだ人間」として

鈴川容疑者の逮捕は、単なる“再犯”という一言では片づけられない。
社会の中で、名声を失った人が再び立ち上がることの難しさを映している。

薬物依存は「意志の弱さ」ではなく、孤立と心の痛みが背景にある病。
再犯を防ぐには、厳罰よりも「支援とつながり」が必要だと専門家は指摘する。

「彼のような元アスリートを支える仕組みが、日本にはまだ足りない」
依存症回復支援団体の代表はそう語る。

 

それでも、もう一度「生き直す」チャンスを

栄光と挫折を知る男の再逮捕は、社会の冷たい現実を突きつける。
だが同時に、再び手を差し伸べる機会でもある。
薬物依存や孤立に悩む人を支える窓口は、全国の精神保健福祉センターや「ダルク」にある。

過ちを繰り返す者に必要なのは、非難ではなく再起の道筋だ。
土俵を去り、リングを離れた鈴川真一。
彼がもう一度、人としての「場所」を見つけられる日を、誰もが願っている。

 

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ライター:

広島県在住。福岡教育大学卒。広告代理店在職中に、経営者や移住者など様々なバックグラウンドを持つ方々への取材を経験し、「人」の魅力が地域の魅力につながることを実感する。現在「伝える舎」の屋号で独立、「人の生きる姿」を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。​​https://tsutaerusha.com

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