
岩手県宮古市の高校生が、海洋ごみ問題の解決を目指しオリジナルアイテムを開発・販売した。地域資源と若者の創意を融合させた挑戦が注目を集めている。
宮古市高校生が「エターナルグリーン」の海を守る取り組み
一般社団法人海と日本プロジェクトin岩手は、宮古市の高校生と連携し、海を守る「いわて海ごみゼロ大作戦 in 宮古」を展開した。2025年9月20日と21日には、滝沢市の「IBCまつり2025」で、生徒たちが企画・開発したオリジナルアイテムを販売。間伐材を使ったコースターや地元銘菓を活用したいかせんべいを通じ、海洋ごみ問題を来場者に伝えた。
間伐材コースターと銘菓いかせんべいで発信する海洋ごみゼロ運動
この取り組みは、清掃活動に留まらず「商品化」によって行動を広げた点が特徴である。森林保全につながる間伐材を活用したコースターや、地元企業と協働したオリジナルいかせんべいは、購入することで環境保護に参加できる仕組みを生んだ。高校生が自ら売場に立ち、環境問題を自らの言葉で発信したことも来場者の心を動かした。
浄土ヶ浜を未来へ残す――若者が地域に根ざす環境哲学
宮古市を象徴する浄土ヶ浜「エターナルグリーン」の景観を守りたいという思いが活動の根底にある。生徒たちは年間を通じてフィールドワークや清掃活動を行い、そこで得た学びを形に変えた。地域の自然を未来に残す責任感が、オリジナルアイテム開発という具体的な行動を支えている。
高校生発のサステナブル活動が示す企業・地域連携の可能性
今回の活動は、環境教育と地域産業の協働が持続可能な仕組みを生むことを示している。若者の発想、地域企業の支援、行政や団体の後押しが重なり、社会全体の意識を変える力を持つ。理念を現実の行動に結びつけることが、持続可能性を確かなものにする。岩手発の挑戦は、地域の未来を支える新しいモデルとして全国にも広がる可能性がある。