
元欅坂46・櫻坂46の渡邉理佐が、2025年2月に所属事務所であったSeed & Flower合同会社を退所し、公式ファンクラブも終了したのち、直近で自身のInstagramやX(旧Twitter)のアカウントを削除したことが分かった。事実上、芸能界から完全に身を引き、一般人としての生活に戻る意向と見られるこの行動に、多くのファンが驚きと寂しさを表している。
欅坂46時代の“クールビューティー” グループ初期からフロント常連、写真集も
渡邉は2015年、欅坂46の1期生としてデビュー。端正なルックスと落ち着いた雰囲気で「クールビューティー」と呼ばれ、グループ初期から中心メンバーのひとりとして存在感を放った。シングル『不協和音』や『ガラスを割れ!』などでもフロントに立ち、欅坂46のビジュアル面を支える存在だった。ファンからは「理佐がいるだけで安心感がある」「無駄な言葉を重ねずとも伝わる表現力」と評され、メンバーの菅井友香や小林由依らと並んでグループを牽引した。2019年4月には1st写真集『無口』を発売、累計売上は9.1万部を突破した。
櫻坂46への改名後も中心的メンバー 卒業センターも務め、2022年に惜しまれつつ卒業
2020年のグループ改名後も櫻坂46の中心として活動。絶対的センターであった平手友梨奈の脱退後の改名で、グループは世界観や方向性を模索しながらの活動となり苦境を強いられたが、その変化の渦中でも安定したパフォーマンスを見せ、後輩からの信頼も厚かった。櫻沢46の4thシングル『五月雨よ』のカップリング曲『僕のジレンマ』では卒業センターを務めた。
2022年5月には卒業コンサートを開催し、在籍7年でアイドル活動に幕を下ろした。約7年間の活動の集大成である卒業メモリアルブック『抱きしめたくなる瞬間』は、渡邉の無邪気な素の表情が可愛すぎるとファンから好評を博した。
卒業後は主にモデルとして活躍
卒業後は女性ファッション誌『non-no』専属モデルとしての活動を継続し、テレビドラマへの出演などでも活躍。アイドル時代に見せなかった柔らかい笑顔や自然体のコメントで、新たなファン層を獲得していた。そして、2025年1月にnon-noモデル卒業、2月に事務所退所・ファンクラブ終了、6月にInstagramアカウント、9月にX(旧Twitter)アカウントが削除された。
欅坂46一期生の「その後」 芸能界や新しい世界で活躍を続ける同期たち
渡邉理佐と同じく欅坂46の1期生として活動したメンバーの中には、現在も芸能界の第一線で活躍する人物が多い。平手友梨奈はグループの絶対的センターとして名を馳せたのち、女優・アーティストとして映画やドラマに出演。ドタキャンなどの問題行動はあるが、才能を評価する固定ファンが根強い。長濱ねるは一度は芸能界を引退したものの2020年に復帰を果たしテレビやラジオに出演、親しみやすいキャラクターで再び注目を集めている。初代キャプテンを務めた菅井友香は、映画・テレビドラマ・舞台などに出演し、女優としての活動の幅を広げている。また、欅坂46・櫻坂46の冠番組ではお馴染みであったお嬢様エピソードをバラエティ番組でも披露し、他の出演者を驚かせ話題を呼んだ。小柄で可愛らしく当初は「小学生」といじられていた原田葵はフジテレビアナウンサーとなり報道・情報番組に出演しすっかり「朝の顔」として定着。
また芸能界以外では、志田愛佳は銀座の一等地にある高級キャバクラでキャストとして働き、「アイドル時代の約10倍稼いでいる」と本人がメディアで発言。秀才キャラで欅坂46初の卒業メンバーであった米谷奈々未は、最近になって大手メーカー花王傘下の化粧品メーカーであるアスレティア社広報としての活動が、実名&顔出しで雑誌および同社オンラインショップHP上で確認され、立派な社会人として活躍しているようだ。
それぞれが異なる道を歩むなか、渡邉理佐の「完全一般人」への転身と見られる今回のSNS削除は、欅坂46というグループが生み出した人材の多様さを象徴している。
SNS削除による喪失感 ファンからはエールと感謝
事務所退所とファンクラブ終了に加え、InstagramとXを削除したことで、ファンからは「渡邉理佐ガチで芸能界引退なんか…だとしたら悲しすぎる」「渡邉理佐さんらしい去り方だと思う」「芸能人をやり遂げた渡邉理佐。ありがとう。」といった声が相次いでいる。驚きと悲しみ、エールの声がSNSに溢れており、改めてその存在の大きさを感じさせた。
ファンクラブ最後の生配信では「芸能界引退」と明言しなかったものの、華やかな芸能活動に一区切りつけ、静かな日常に戻る道を選んだと思われる渡邉理佐。今後、彼女の姿が公の場に現れることは少なくなるだろう。しかし欅坂46・櫻坂46で刻んだ足跡や、モデルとして見せた存在感は、多くのファンの記憶に深く刻まれている。
芸能界に執着を感じさせない渡邉理佐と重なる名曲『もう森へ帰ろうか?』
静かな世界へ帰っていくであろう今の渡邉理佐と重なる、欅坂46時代の楽曲がある。6thシングル『ガラスを割れ!』のカップリング曲である『もう森へ帰ろうか?』である。
「大量生産されるアイドル」を切り口とし、理想と現実のギャップストレートに歌った寂しさと切なさを感じる一曲だ。
もう森へ帰ろうか 街には何もなかった
想像してた世界とは かけ離れていたよ
誰かと競い合って 生きるなんてむなしい
もう やめよう さよなら
誰もがこぞって ここを目指しているなら
きっと理想的なしあわせがあるって思った
ここから振り返れば
輝いてる故郷よ あの森こそユートピア
アイドルグループを卒業しても個人SNSを継続更新する流れが一般的となってきた昨今で、完全削除に驚いたファンは多いのではないだろうか。まさに、「推しは推せる時に推せ」である。