
「威圧感のある人をレンタルできます」。そんな斬新なキャッチコピーで注目を集めたサービス「レンタル怖い人」が、開始から間もなく突然の終了を発表した。SNSでは「終了が早すぎて逆に怖い」といった声も上がり、混乱と憶測が広がっている。一体どんなサービスで、なぜ物議を醸したのか。
「レンタル怖い人」突然の終了にネット騒然
「諸事情により当サービスは終了しました」。
2025年8月31日、X(旧ツイッター)の公式アカウントにたった一文が投稿された。「レンタル怖い人」と名付けられたユニークなサービスが、突如として幕を閉じた瞬間だった。詳細な説明はなく、利用者やSNS上のフォロワーは驚きと困惑に包まれた。
サービス終了の発表直後、Xには「話題になってから終わるまでが早すぎる」「利用してみたかったのに残念」「何かトラブルがあったのでは」といったコメントが相次いだ。斬新な仕組みだけに注目度も高く、終了の経緯を知りたいという声が広がった。
「レンタル怖い人」とはどんなサービス?
公式サイトによれば、「レンタル怖い人」はその名の通り、威圧感のある見た目をした人物を一定時間“レンタル”できるサービスである。利用目的は多岐にわたるが、主に「対人トラブルの同席」や「心細い場面でそばにいてほしい」といった依頼に対応するとされていた。
料金体系は30分2万円、3時間5万円と決して安くはない。しかし公式サイトでは「ほとんどのケースは30分以内に解決する」と記されており、短時間で強い抑止力を期待するユーザーがターゲットとされていたとみられる。
例えば、ネット上では「DV加害者と別れる際の話し合い」「金銭トラブルの返済交渉」など、精神的に不安を感じる場面で“怖い人”を同席させることで安心を得られると紹介されていた。ただし実際に法的効力を持つものではなく、あくまで“雰囲気”による抑止が前提であった。
サービス開始から注目を浴びた理由
このサービスが注目された背景には、現代社会の孤立感や人間関係の不安がある。いじめやストーカー被害、家庭内のトラブルなど「第三者がいるだけで安心できる」状況は少なくない。
また、似たようなサービスとして「レンタル彼氏」「レンタルおじさん」など、ユニークな“人材レンタル”は過去にも話題になってきた。その中でも「見た目の怖さ」に特化した点が新しく、ネットメディアやSNSで一気に拡散されたのである。
だが同時に、利用の仕方やトラブル時の責任をめぐり「危険ではないか」「違法行為に発展する可能性がある」といった懸念の声も上がった。
突然の終了、その背景は?
公式発表は「諸事情により終了」とだけあり、詳細は明らかにされていない。だが専門家からは、複数の可能性が指摘されている。
まず考えられるのが法的リスクである。暴力や脅迫にあたらないまでも、「威圧」を売りにする以上、利用者が第三者を不当に脅かしたとみなされる恐れがある。また、万一トラブルが発生した際に責任の所在が不明確で、運営側が訴訟リスクを負う危険性がある。
さらに、短期間で話題になりすぎたことも要因の一つとみられる。SNSでは開始直後から「面白い」「使ってみたい」と話題になった一方で、過剰に拡散された結果、行政や法曹関係者の目にも止まり、社会的な批判が集中した可能性もある。
類似サービスの可能性と課題
「レンタル怖い人」は幕を閉じたが、今後も類似のサービスが登場する可能性は否定できない。特に、人手不足や孤独対策を背景に「人を時間単位で借りる」ニーズは広がっている。
ただし、トラブル介入や威圧行為をビジネスにする場合は、法的・倫理的な課題が避けられない。安全を担保する仕組みや透明性の高い契約制度が整備されなければ、同じような問題が繰り返されるだろう。
まとめ:斬新さと危うさの狭間で
「レンタル怖い人」というサービスは、発想の斬新さと現代社会の不安を突いた切り口で一躍話題となった。しかし、法的リスクや社会的な批判を背景に、あっけなく終了を迎えた。その過程は、人間関係の脆さや孤独感、そして「第三者の存在」に対する現代人の切実なニーズを映し出したともいえる。
結局のところ、「怖い人」を借りたいという需要は決して消えてはいない。だがそれをビジネスとして成立させるためには、安全性と信頼性を両立させる新たな仕組みが必要になる。今回の突然の終了は、その課題を突きつけた出来事だった。