
米ハワイ島の総額約2億4000万ドルの高級住宅開発プロジェクトをめぐり、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手と代理人ネズ・バレロ氏が、開発業者らから民事訴訟で提訴された。原告は「代理人の働きかけで自らが外された」と主張。大谷は試合後に「フィールドに集中したい」とだけ言及した。
プロジェクト総額350億円 訴訟の全容
米スポーツ専門メディア「ジアスレチック」によると、米ハワイ島で進められていた総額約2億4000万ドル(約350億円)の高級住宅開発を巡り、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(31)と代理人ネズ・バレロ氏が訴えられた。
訴えを起こしたのは、ハワイを拠点とする不動産開発業者2人。訴状によれば、バレロ氏が原告らをプロジェクトから解雇させたとされる。
「影響力で計画崩壊」原告側の主張
原告側は、大谷選手とバレロ氏が「有名人としての影響力を利用し、原告の立場を揺るがせ、最終的に計画を崩壊させた」と主張。両氏がプロジェクトに加わった目的は「大谷選手の宣伝およびブランド価値向上」だったとしている。
さらに訴状では、バレロ氏が別の不動産デベロッパーに対し「原告を外さなければ、大谷選手の肖像権侵害で訴訟を起こす可能性がある」と警告したと記載されている。
「代理人の行為=本人の責任」か
原告代理人によれば、交渉の窓口はバレロ氏のみで、大谷選手が問題を認識していたかどうかは今後の調査対象とされている。その上で「代理人は選手を代表して行動しており、最終的に本人にも責任が及ぶ」と主張。
一方、被告側関係者は「無関係な人々を不当に攻撃するのは悲しいことだ」として、原告側の主張を批判している。
大谷翔平のコメント「フィールドに集中したい」
大谷選手は13日(米時間)のエンゼルス戦後、報道陣の質問に対し「フィールドに集中したい。このチームの負けも続いているので、早く1勝して、一戦一戦勝ちきりたい」と述べ、訴訟の詳細や認否には触れなかった。
焦点は代理人リスクと関与の有無
現時点で大谷選手の直接的関与は明らかになっておらず、「巻き添え訴訟」の可能性も指摘されている。今後は、代理人バレロ氏の行動と、大谷選手がどの程度事案を把握していたかが焦点となる。