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大分県名門企業・有名企業一覧 売上高ランキング〈2025年版解説〉

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大分県名門企業・有名企業一覧 売上ランキング〈2025年版解説
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九州北東部を代表する製造拠点・大分県では、自動車、精密機器、医薬卸、造船、エネルギーなど多様な産業が共存する。ダイハツ九州や大分キヤノンに象徴される輸出型モノづくりと、ヘルスケア物流を担うフォレストホールディングスが地域経済を牽引し、沿岸部の造船・エネルギー企業が雇用とインフラを支える。本稿は決算短信・官報公告など一次資料のみを突合し、売上(銀行は経常収益)順に並べた最新20社のランキングを提示する。環境経営とDXが全社共通の課題となるなか、各社の戦略と地域貢献の現在地を俯瞰した。

 

20 位 梅林建設〈大分市〉売上 204 億円〈2024/6〉


名門ポイント:1902年創業の総合建設会社。社是は「人にやさしく、地球にやさしく」。2005年にISO 14001を全社一括で取得し、環境方針とEMSを協力会社まで展開。工事段階のCO₂排出量を算定・削減する専用ソフトを導入。PFIや地域再開発案件でも実績を重ね、県内建設業の環境経営モデルとなっている。

19 位 大分トヨタ自動車〈大分市〉売上 216 億円〈2024/3〉


名門ポイント:県内12店舗と大型U-Car拠点で新車・中古車を扱い、グループ従業員450人を公表する老舗ディーラー。大分市と「災害時給電車両貸与協定」を締結し、燃料電池車・PHV・HVを避難所へ無償派遣する体制を構築。店舗には外部給電設備を備え、平常時から防災訓練に参加するなど地域レジリエンスを支える。

18 位 江藤酸素〈大分市〉売上 224 億円〈2024/10〉

 


名門ポイント:酸素・窒素など産業・医療ガスとヘリウム等特殊ガスを製造販売し、半導体・光ファイバー市場にも供給。九州各地に営業所を構え、自社開発「ECOM」でガス残量を遠隔管理。在宅酸素療法HOTやCPAPなど医療サービスも展開し、医療現場を支える。ガス供給設備工事や保安検査などエンジニアリングも強化、ISO14001取得で環境配慮も徹底。

17 位 九州エナジー〈大分市〉売上 225 億円〈2024/3〉


名門ポイント:伊藤忠エネクス75%、ENEOS25% 出資の総合エネルギー商社。従業員242名を公表し、石油・LPガス販売に加えて新電力(PPS)として九州エリアへ供給。自家消費型太陽光や小水力の電力サービスを展開し、PPAモデルでは停電時自立運転と蓄電池を備えたBCPソリューションを提供するなど、脱炭素と地域エネルギー安定化を両立する。

16 位 南日本造船〈大分市〉売上 260 億円〈2024/3〉


名門ポイント:今治造船グループの中核工場として貨物船・RO-RO船・プロダクトタンカーなどを建造。大在工場は64,000載貨重量トン型ばら積み船などを年間10隻前後竣工している。

15 位 西日本電線〈大分市〉売上 304 億円〈2024/3〉

 


名門ポイント:銅合金極細線で国内EVモーター用巻線シェアを広げる非鉄メーカー。スクラップリサイクルと再エネで資源循環を推進し、次世代車載モーター向け耐サージエナメル線を量産する。

14 位 トキハインダストリー〈大分市〉売上 316 億円〈2024/2〉


名門ポイント:県内23店舗を運営する総合スーパー。豊海1丁目のドライ物流センターで全店向け仕分けを一元化してコストと温室効果ガスを削減する効率的サプライ網を整備。公式サイトで「SDGs宣言」を掲げ、不用品回収ボックスや食品ロス削減企画など地域密着の環境・循環施策を継続する。

13 位 サン・ダイコー〈大分市〉売上 351 億円〈2024/3〉


名門ポイント:フォレストグループの動物薬・フードライフサイエンス卸。九州・中国・関西に12拠点、中核の鳥栖物流センターへコンパニオンアニマル商材を集約して在庫最適化。賞味・ロット即時追跡のトレーサビリティと運行管理DXを行い、畜産・水産・ペット市場の多様な需要に高速対応。循環型物流を推進し環境負荷を低減、地域連携も強化。

12 位 三和酒類〈宇佐市〉売上 413 億円〈2024/7〉

 


名門ポイント:麦焼酎「いいちこ」の蔵元、従業員375人。バイオマス発電とCO₂削減に取り組み、発酵大麦エキスからは機能性素材開発。食品やサプリメントに展開。近年力を入れている海外輸出量も大幅増加で“下町のナポレオン”ブランドを世界へ広げる。

11 位 マルミヤストア〈佐伯市〉売上 532 億円〈2024/2〉


名門ポイント:九州5県91店(マルミヤストア、アタックスマート、新鮮市場)を展開し、リテールパートナーズ傘下で共同物流拠点を共有。19年発足「新日本スーパーマーケット同盟」でアークス、バローホールディングスと共同仕入れを実施し原価を圧縮。21年に戸村精肉本店を子会社化。23年3月にはアタックス、新鮮マーケット、マルミヤ水産の3子会社を吸収合併し効率化を更に加速。

10 位 トキハ〈大分市〉売上 536 億円〈2023年度〉


名門ポイント:大分本店・別府店・わさだタウンの3核体制の地方百貨店。電子マネー「RUCCHA!」とポイント「TOKIPO」でOMOを強化し、SCへの外食大手誘致で若年層と観光需要を取り込み再成長モデルを示す。

9 位 大分キヤノンマテリアル〈国東市〉売上 632 億円〈2024/12〉

 

名門ポイント:トナーカートリッジ・インクカートリッジを部品の加工から組み立て、検査、梱包にいたるまでの一貫生産のキヤノングループ初の自動化モデル工場。製品の90%超を海外に輸出し、グローバル供給網を支えるほか、排水クローズドシステム導入で排水放出ゼロをめざす環境経営も実践する。

8 位 アムコー・テクノロジー・ジャパン 売上 736 億円〈2023/12〉


名門ポイント:米国アリゾナ州テンピに本社を置き、臼杵と大分の2工場でFCBGAや車載向けSiPなど先端半導体パッケージを後工程一貫生産。世界最大級OSAT・Amkorグループの国内旗艦として新製品量産を担い、品質管理ISO9001・IATF16949でグローバル車載需要を支える。九州半導体クラスターの後工程中核を成し、地域雇用と技術開発を牽引する。

7 位 大分銀行〈大分市〉経常収益 779億 円〈2025/3〉


名門ポイント:九州観光活性化ファンドや地域脱炭素融資利子補給事業で観光・GX投資を後押し。DX相談拠点とコワーキング「ビジカム」、スマホ完結型キャッシュレスサービスで地場企業のデジタル化と金融包摂を強化する。さらに地域商社連携を深化。

6 位 マレリ九州〈宇佐市〉 売上 1,075億円〈2023/12〉

 


名門ポイント:本社宇佐市、宇佐・中津・苅田の3工場でコックピットモジュールと排気系を一貫生産。従業員約1080人、九州唯一の西日本製造拠点。2023年12月期売上高1000億円(前年680億円)と約47%増で黒字転換。EV向け統合熱管理モジュール(iTMM)やバッテリー・サーマル・プレートの量産を拡大し、日産・マツダなどグローバルOEMへ迅速供給する機動力で競争力を高める。

5 位 大分キヤノン〈国東市  売上 1,978 億円〈2024/12〉


名門ポイント:安岐本社・大分・日田・杵築の4事業所でデジタル一眼カメラ、ビデオカメラ、交換レンズを一貫生産し、開発・設計・生産技術・製造が一体化したキヤノングループの「マザー工場」に位置づけられ、敷地内17万㎡の緑地が環境省「自然共生サイト」に認定されるなど、生物多様性保全と地域STEM教育に取り組む。県内製造業の象徴的存在だ。

4 位 ダイハツ九州株式会社〈中津市〉 売上 3,417 億円〈2024/3〉

 


名門ポイント:中津工場単独で48万台を量産。中津・久留米両工場では太陽光発電や乾燥炉短縮などで省エネを推進し、行政との環境保全協定のもと中津市ゼロカーボン推進パートナーにも参画。完成車の鉄道モーダルシフト実証に取り組む一方、電動車ラインの詳細は未公表。

3 位 アステム〈大分市〉 売上 3,993 億円〈2024/3〉

 


名門ポイント:九州・中国・四国を中心に67拠点を構える。医薬品や医療機器、介護機器医薬を中心とする卸企業。

鳥栖・霧島の自動物流センターはいずれも停電時でも72時間稼働できる自家発電設備を備え、常温・冷蔵品を一括管理している。さらに、大分県医薬品卸業協会の一員として県と締結した「災害時における医薬品等の供給等に関する協定」(1997年)に基づき、ワクチンを含む医薬品の緊急供給体制を担うほか、厚生労働省が2021年1月に選定した新型コロナワクチンの地域担当卸にも指名されている。

2 位 フォレストホールディングス〈大分市〉 売上 5,047 億円〈2024/3〉

 

名門ポイント:医薬卸アステムを核に、物流・介護・MR派遣などヘルスケア事業を束ねる持株会社。太陽光併設物流センターではCO₂削減に取り組み、災害時は医薬品のバックアップ拠点として機能する。大分県と医薬供給BCP協定を結び、県民200万人の“命綱”を担うとともに、連結39社、従業員2,000人超を抱え雇用・税収でも県内首位級の経済エンジンとなっている。

1 位 TOTOサニテクノ〈中津市〉連結売上 7,244 億円〈2025/3〉

 


名門ポイント:世界的トイレメーカーTOTOグループの衛生陶器主力工場。中津工場(敷地14万㎡)は2017年に最新棟が稼働し、111 mトンネル窯と排熱再利用で省エネ生産を実現。腰掛便器や洗面器を国内最大規模で製造し、使用済み便器と難燃PPを複合する再生材料開発が環境省の資源循環実証事業に採択され、県内製造業の環境先進モデルとして注目されている。

総評


大分県の産業構造は「自動車・精密機器・医薬流通・造船・半導体後工程・エネルギー」が六本柱である。北部の中津ではダイハツ九州が年間45万台を量産し、宇佐のマレリ九州が電動車部品を供給することで、自動車クラスターの裾野が広がる。一方、国東半島には大分キヤノンと関連マテリアル工場が集積し、プリンターやカメラ部材を世界市場へ送り出す。医薬卸大手フォレストホールディングスとアステムは災害備蓄とAI物流で公共インフラを担い、ヘルスケア分野の雇用と税収を下支えする。沿岸部では南日本造船や日鉄系物流が港湾とエネルギー供給を支え、半導体後工程大手アムコーは熊本TSMC誘致に伴うパッケージ需要を取り込む構えだ。脱炭素とDXは県内企業すべての共通テーマであり、再エネ併設型物流センターや水素混焼窯などの先進事例が拡大中。2025年度は「自動車電動化」「医薬+デジタル物流」「再エネ港湾」の三領域が成長を牽引し、地方創生モデルとして注目されるだろう。

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ライター:

金融機関と不動産会社での勤務経験を経て2014年より金融関係や不動産関係を中心としたフリーライターとして活動。金融関係をはじめ不動産やビジネスのジャンルを中心に執筆しています。

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