メコン地域の環境課題を議論

3月13日、第2回日・メコンSDGsフォーラムが日本政府とタイ政府の共催により、バンコクで開催された。本フォーラムでは、日本とメコン諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム)の関係省庁、メコン河委員会、大学などから専門家が集まり、メコン地域の越境環境課題について議論を交わした。
今回のフォーラムでは、日本外務省南部アジア部の柏原裕参事官と、タイ外務省国際経済局のプラーンティップ次長が共同議長を務めた。会議は二つのセッションに分かれ、第1セッションでは「水資源管理」がテーマとして取り上げられた。メコン河の持続可能な管理が議論され、メコン河委員会の果たすべき役割の重要性が改めて確認された。
第2セッションでは、「越境ヘイズと汚染」に焦点が当てられた。ヘイズ汚染が健康に及ぼす影響について理解を深めるとともに、メコン地域全体で一体となって汚染軽減に取り組む必要性が強調された。東南アジアでは焼畑農業や森林火災が原因となり、煙や汚染物質が国境を越えて広がる「越境ヘイズ」が深刻な問題となっている。
日本の支援と2030年に向けたイニシアティブ
このフォーラムを通じ、日本政府はメコン地域に対する具体的な支援策を発表した。メコン河の干ばつや洪水に対処するため、早期警報システムの強化を目的とした無償資金協力を実施するほか、ヘイズ汚染の早期警戒システムの導入を支援する方針を示した。
また、日本政府は2019年にバンコクで策定された「2030年に向けたSDGsのための日・メコンイニシアティブ」に基づき、メコン地域の持続可能な発展を引き続き支援していく。同イニシアティブでは、環境問題や気候変動、資源管理、包摂的な成長といった分野における協力の優先事項を定めており、日本は長年にわたりメコン地域の発展に貢献してきた。
今後の展望
今後、日本政府は「2030年に向けたSDGsのための日・メコンイニシアティブ」および「日・メコン協力戦略2024」に基づき、メコン地域の持続可能な発展を引き続き支援していく方針だ。環境・都市問題への対策として、廃棄物管理や水資源の管理、再生可能エネルギーの推進などが含まれている。