株式会社土屋は、重度の障害を持つ方への訪問介護を全国で展開し、高齢者向けデイサービスや訪問看護などを手掛けるソーシャルビジネス企業。
2025年1月、同社は株式会社はぴテックの「幸福度診断結果」をもとに、社内のマインドフルネスサークル「Refrel」所属メンバーの幸福度向上に関する調査結果をまとめた。
マインドフルネスがもたらした変化
![はぴテックの「幸福度診断結果」](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/02/tsuchiya-survey-1024x578.png)
同社は、Well-being委員会の活動の一環として、オンラインのマインドフルネスプログラム「MELON」を導入。2024年4月に設立された「Refrel」のメンバー54名のうち、発足当初の14名を対象に半年間の幸福度変化を測定した。その結果、幸福度の総合スコアは+2.16ポイントと大幅に向上したことが確認された。
特に、「収入力」については、単なる収入の増加ではなく、「足るを知る」ことによる満足感の向上が影響したと分析されている。また、「ポジティブ感情」の向上により、日々の楽しみや仕事の意義をより実感できるようになったという。さらに、「信頼関係のある職場」のスコアも上昇し、職場環境の改善にもつながっている。
一方で、「家庭や地域の信頼関係」「挑戦力・成長意欲」などの項目では若干の低下が見られた。特に挑戦力の低下については、マインドフルネスにより現状への満足度が高まり、成長への焦りが軽減されたことが影響していると考えられる。ただし、これは一時的な傾向であり、個々のキャリア意識の見直しを経て再び成長意欲が高まる可能性もあると分析されている。
離職防止への期待も
介護業界では、「職場の人間関係への不満」や「給与の低さ」が主な離職要因とされているが、今回の調査結果から、マインドフルネスの実践が職場環境の改善や従業員のメンタルヘルス向上に寄与することが示された。現在、サークルのメンバーは50名規模に拡大し、新たな調査も進行中だ。
Well-being委員会の宮本武尊委員長
Well-being委員会の宮本武尊委員長は、今回の調査結果について次のように語る。
![株式会社土屋が社内で導入したマインドフルネスの効果を調査し、社員の幸福度向上が確認された。職場環境の改善や離職防止への期待も高まる。](https://coki.jp/wp-content/uploads/2025/02/tsuchiya.jpg)
「マインドフルネスによる社員の幸福度向上が目に見える形で示されたことは大変喜ばしい。特に『収入力』『ポジティブ感情』『信頼関係のある職場』の向上は、職場環境の改善や社員の心理的安全性向上に寄与していると感じています。幸福の形は人それぞれ異なりますが、社員が自身の幸福を見つけ、それを持続的に感じられる環境を提供していきたいと考えています。」
また、サークルのメンバーからは、「睡眠の質が向上した」「ストレスが減った」「背中の痛みが軽減された」「集中できるようになった」「仕事のパフォーマンスが向上した」などの声が寄せられている。
宮本委員長自身も、「マインドフルネスを始めてから仕事が多く舞い込むようになり、新しいチャレンジの機会が増えた」と実感しており、チーム全体の活性化にもつながっているという。
同社では今後も、マインドフルネスの社内浸透を進めるとともに、幸福度向上に関する調査・分析を継続していく方針だ。
■幸福度診断結果
対象者:14名
期間 :2024年4月~10月(半年間)
はぴテック社による診断結果:
半年間のマインドフルネス実施により、幸福度の総合値は+2.16ptと大きく向上(スコアは、一般平均との差分による)。ただし、参加メンバーは開始時点で幸福度の高い方が多かった。
項目別では、「収入力」「ポジティブ感情」「信頼関係のある職場」がとりわけ向上し、統計的な有意差も見られた。一方で、「家庭や地域の信頼関係」、「コミュニケーション力や挑戦力」などは少し低下していた。なお、14名中、10名の幸福度は向上、4名は少し低下していた。
前半・後半で見ると、前半3か月で総合値が大きく上がっており、項目別では「ストレスの解消」の効果が一番大きく現れていた。