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フジテレビ、緊急会見へ 会見後のシナリオを予測 港浩一社長の進退問題に発展するか?

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緊急会見、進退問題発展の可能性も

フジテレビは1月17日、急きょ社長記者会見を実施する。16日に「定例会見のお知らせ」として各報道機関へ通知されたが、予定されていた定例会見の前倒しという形式を取っている。

会見ではタレントの中居正広氏(52)を巡る女性トラブル問題についての説明が含まれるとみられる。

クローズドな記者会見に疑問の声

今回の会見は、記者クラブ所属の報道機関のみが参加可能で、一社2名までという厳しい制限が設けられている。この「クローズドな会見」の形態に対しては、SNSで批判の声が相次いでいる。

ジャーナリストの白坂和哉氏はSNSで「フリー記者は排除され、私も参加を断られた」と明かし、「こんなクローズドな会見ではフジの炎上案件に油を注ぐだけだ」と指摘した。また、報道機関として透明性を確保するなら、事件の暴露を行った週刊誌記者やフリージャーナリストにも門戸を開くべきだという意見が広がっている。

広報の専門家による批判的視点

広報の専門家である下矢一良氏も、SNS上で記者会見の形式やタイミングに対して厳しい意見を述べた。

「港社長自身が文春から指摘された『問題の当事者』なので、フジテレビは広報的に乗り切るのが困難と見て、『逃げた』批判覚悟で防御に徹する道を選んだということか。どう見ても『緊急会見』なのだが、『定例会見を前倒し』という形にしているのは荒技だ」とした上で、記者クラブの記者だけを対象とする形式について「報道機関としての信頼を損ねる行為だ」と述べた。

実際に、誠心誠意謝罪するつもりがあるなら、事件の暴露をした週刊誌記者も含めた公開性のある会見を行うべきだろう。

文春報道が浮き彫りにした問題の構造

16日発売の週刊文春は、フジテレビの幹部が中居氏と女性アナウンサーとの会食をセッティングし、それが女性トラブルの背景にあると報じた。同誌によると、フジテレビの番組スタッフが酒や食事の配膳を行う形で接待が常態化していたとされる。

この報道に対し、フジテレビは外部弁護士を交えた調査を進めているとしつつも、「現段階では個別の質問への回答を控える」としているのは既報の通り。

ただ、今回の問題は、単なる個人間のトラブルではなく、テレビ業界全体の構造的な課題を浮き彫りにした。

元アナウンサーで現在はYouTuberの青木歌音氏は、自身の性被害体験をSNSで告白し、「フジテレビの制作陣にはイケイケな体質があり、権力を背景にした接待が横行している」と指摘。また、現役の女性アナウンサーが週刊文春に仮名で登場し、被害を訴えたことも、業界内の体質改善を求める声を後押ししている。

第三者委員会設置の行方と予想される展開

さらに、今回の騒動を受け、アメリカの投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」がフジ・メディア・ホールディングスに対して第三者委員会の設置を要請していることも明らかになっているが、同ファンドは独立性を持った調査の必要性を訴えており、弁護士の紀藤正樹氏も「第三者委員会での調査が信用力を担保する唯一の方法だ」と強調している。

仮に第三者委員会が設置された場合、フジテレビ内部での接待の実態や慣行が詳細に調査されるとみられる。過去の接待事例や幹部の行動に焦点が当てられ、調査結果が公表されれば、関係者の責任追及や再発防止策の策定が進む可能性がある。一方で、調査の独立性や結果の公開性が不十分であれば、さらなる批判や不信を招きかねない。

業界の信頼回復へ向けた試金石

今回の会見はフジテレビが岐路に立たされていることを示すと同時に、テレビ業界全体の透明性や社会的責任が問われる試金石となる。果たしてフジテレビは信頼回復への具体的な道筋を示すことができるのか、会見の行方が注目される。

元文春記者でジャーナリストの赤石晋一郎氏は、Xで以下のように分析している。

「フジテレビ株主のダルトンは、「我々は憤慨している(we are outraged)」と声明を出している。アウトレイジと言えば全員悪の映画だが。あすのフジテレビ会見には、フジ記者、社員が「我々は憤慨している(we are outraged)」と駆けつけてもいい。企業価値をどれだけ下げるんだ、と。

もしフジ記者が社長を追求する姿を見れたらなら、まだフジテレビは助かる余地があるかもしれない。 また他局のテレビ記者がどう質問するか。今年一の注目会見(始まったばかりですが、最大トピになる可能性も)になるか」。

会見後のシナリオ

さて。17日の会見は、港浩一社長が会見で接待システム構築への関与や自らの進退について明確な説明を行うかどうかが注目される。もし核心部分への説明を避けたり、曖昧な回答に終始した場合、批判がさらに強まり、フジテレビのブランドに深刻な打撃を与える可能性がある。

一方で、事実を認めて具体的な再発防止策を提示した場合、一定の信頼回復が期待できる。ただし、その際にも社長自身の進退について明確な表明がなければ、視聴者や業界関係者からの信頼を完全に取り戻すことは難しいだろう。

フジテレビが信頼を回復できるかどうかは、会見で示される具体的な行動と、その後の透明性を確保した対応にかかっている。この会見は、フジテレビが抱える問題だけでなく、テレビ業界全体が直面する構造的な課題をどう克服するかを示す試金石となることは間違いない。

また、会見後にフジテレビが第三者委員会を設置するだろうが、この場合過去の接待慣行や幹部の行動について詳細な調査が進むことが予想される。調査結果によっては、関係者の責任が追及されるだけでなく、被害者への謝罪や補償が具体化する可能性がある。

今回の問題がフジテレビにとって難しいのは、この種の接待が常態化していることが噂される業界なだけに、証言者が多発し、どこにどうスコープを当てても、ハラスメント発覚・コンプライアンス問題となり、内部統制やガバナンスの不在となり、管理者の責任問題に発展しやすいことだろう。港浩一社長の進退問題に発展する可能性がかなり高いと言える。

ただ、今回を機に、フジテレビ内部で再発防止策や新たなガバナンス体制が導入されれば、それが業界全体の改革の契機となるかもしれない。

一方で、調査の独立性や透明性が不十分であると判断された場合、さらなる批判や不信を招く恐れがある。その場合、フジテレビだけでなく、テレビ業界全体の信頼が揺らぐ事態に発展する可能性があり、メディア業界の構造的な問題への注目が一層高まることが予想される。

本当に出てくるべきは……

中居正広氏というイチタレントからテレビ局に派生した性的トラブル問題。はたして、どのような展開を見せるのだろうか。場合によっては何人かのクビが飛ばなければならない事態への発展が予想される。

ただ、港社長の会見だけで済まそうというのは違うだろう。因縁浅からぬ相手のホリエモンはSNSで「お飾り社長が会見してもなんも変わらんよこの会社は。」と投稿。爆笑問題の太田がコントで叫んでいたように、本当に出てくるべきは、社長の奥に長いこと鎮座し君臨し続ける会長だろう。

本当に、「日枝出てこい~!」だ。

【フジテレビのその他の報道はこちら】

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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