会計業界に新たな動きが生まれた。全国の会計事務所が連携し、業界全体の価値向上と社会的役割の強化を目指す「一般社団法人会計事務所連携協議会」(以下、会計連)が2024年12月25日に設立された。税理士法人松本を含む17社が、この革新的な取り組みの発起人として名を連ねている。
背景に業界課題とテクノロジー進化
会計事務所業界は、新型コロナウイルス禍での補助金申請支援、インボイス制度導入や各種税制改正への対応など、中小企業経営の支えとして重要な役割を担ってきた。しかし、各事務所が個別に活動している現状では、会計事務所間の連携は必ずしも十分とは言えない。ソフトウェアベンダー等との協業においても同様の課題を抱えている。
さらに、AI技術の進化は会計事務所の業務にも変革を迫っている。定型業務の自動化が進む一方で、より高度なコンサルティング業務へのニーズが高まっている。人材の採用・育成においても、個々の事務所の取り組みだけでは業界全体のブランドイメージ向上や人材層の拡大には限界がある。会計連は、こうした課題解決を図るプラットフォームとして設立された。
会計連の活動内容
会計連は、会計事務所業界の課題に対し、次の5つの活動を軸に業界の活性化を図るとしている。
まず、業界のブランドイメージ向上を通じ、社会的認知を高めることを目指す。また、人材の採用および育成の分野では、各事務所が個別に抱える課題に対する支援を強化すること。
さらに、テクノロジーの進展に即した調査・研究を推進し、業務効率化や高度なサービスの提供を後押しすること。加えて、事務所間の情報交換を活発化させ、現場の実情に基づく知見を共有する仕組みづくりも進める。
最後に、税制を含む政策提言については、政府機関や関連団体への発信を行い、業界の声を届ける役割を担うとしている。
税理士法人松本、松本崇宏氏のメッセージ
中小企業支援に豊富な実績を持つ税理士法人松本は、会計連において中心的な役割を担うようだ。同法人の代表社員、松本崇宏氏は、会計連への参画について次のように述べている。
「このたび、『一般社団法人会計事務所連携協議会』の設立に発起人として参画できることを大変光栄に思います。税理士業界は社会のインフラとして大切な役割を担っています。お客様の大切な情報をお預かりし、お客様の繁栄から資産防衛をサポートさせて頂く立場にあります。
この、社会にとって重要な税理士業界がさらに魅力的になるように私たちも貢献していきたいと考えています。これまでの経験やノウハウを活かし、会計連の活動を通じて業界全体の価値を高める役割を果たしてまいります。」
今後の展望
会計連の設立は、会計業界が新たな時代へと踏み出す一歩となるだろう。各事務所が連携することで、業界全体のサービス品質向上、人材育成の強化、テクノロジー活用による業務効率化などが期待される。また、政策提言を通じて、より良い社会の実現にも貢献していくことが見込まれる。
中小企業経営者にとっては、より質の高いサービスを受けられる機会が増えるとともに、業界全体の活性化はひいては日本経済の成長にもつながるだろう。
発起人一覧(17社、50音順)
・税理士法人アップパートナーズ
・RSM汐留パートナーズ税理士法人
・AGS税理士法人
・OAG税理士法人
・サン共同税理士法人
・セブンセンス税理士法人
・辻・本郷 税理士法人
・税理士法人TOTAL
・TOMA税理士法人
・トリプルグッド税理士法人
・日本クレアス税理士法人
・税理士法人Bricks & UK
・ベンチャーサポート税理士法人
・税理士法人松本
・ミカタ税理士法人
・税理士法人 名南経営
・税理士法人山田アンドパートナーズ