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博多織×帆布「NABIKI」誕生 ハギレが「日常」を彩る伝統の逆転劇

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博多織×帆布「NABIKI」誕生 ハギレが「日常」を彩る伝統の逆転劇
提供:株式会社オリツギ

博多織を「保存」するのではなく「日常」へ。福岡のスタートアップ・オリツギが放つバッグ「NABIKI」は、帯地の美しさを帆布という実用的な器に落とし込むことで、伝統文化との新たな接点を提示している。

 

780年の歴史を「ハギレ」から問い直す、博多発の挑戦

伝統工芸の衰退が叫ばれて久しいが、その多くは「敷居の高さ」に原因があるのではないか。福岡市のスタートアップ、株式会社オリツギが2026年2月に発表した「NABIKI(なびき)」は、そんな膠着状態に一石を投じるプロダクトだ。

筑前織物や鴛海織物といった名門織元の帯制作過程で生まれる「ハギレ」。通常なら役割を終えるはずのその断片を、高品質な倉敷帆布と掛け合わせ、11柄・合計50点という極めて希少なバッグへと昇華させた。

2月21日から博多町家「ふるさと館」で限定販売されるこのバッグは、単なるリサイクル商品ではない。博多の地で企画から縫製までを完結させた、意地とプライドの結晶である。

「工芸品」を「道具」へ。老舗縫製工場とのミリ単位の格闘

「NABIKI」が他のアップサイクル製品と一線を画すのは、そのストイックなまでの「実用性」にある。パートナーに選んだのは、業務用資材の縫製を長年手がけてきたフクハン株式会社。正絹という極めてデリケートな素材を、タフな帆布バッグへ組み込む作業は困難を極めた。

持ち手の角度から博多織の露出面積、さらには日常使いに耐えうる強度まで、度重なる試作と修正が繰り返されたという。量産効率を完全に度外視し、職人が「本当に毎日使えること」を追求した結果、博多織は「飾るもの」から「使い倒すもの」へと見事にその役割を変えた。

「理屈」を売るな、「ときめき」を売れ。逆転のブランド哲学

 

なぜ、これほどまでに手間のかかる手法を選んだのか。そこにはオリツギが掲げる「日常に織の記憶を」という強烈な哲学がある。

同社は、伝統を「理解してから使う」という従来の順序を真っ向から否定する。「博多織の背景を知る前に、まずはバッグとして使い、その心地よさを肌で感じてほしい」と説く。

情報の重さで消費者を威圧するのではなく、まずはプロダクトとしての「ときめき」で生活に入り込む。780年続く歴史は、後からついてくればいい。この軽やかなアプローチこそが、現代における伝統継承の正攻法といえる。

サステナビリティの最適解。地方資源を持続可能な価値へ

株式会社オリツギの取り組みから学べるのは、地方資源の持続可能なビジネスモデルだ。彼らはハギレを「余り物」としてではなく、一点物のデザインピースとして再定義した。

1万円という価格設定は、単なるコスト積み上げではなく、博多のものづくりの背景ごと手に取るための「納得感」の現れである。地域の織元と縫製工場が膝を突き合わせ、対話を通じて価値を創出する。

伝統を守るとは、形を凍結させることではない。時代という風になびかせながら、次世代が自然に手に取れる形へと「織り直す」こと。NABIKIのバッグがなびくとき、博多の伝統はまた一つ、新しい記憶を紡ぎ始める。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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