
厄介者として消えゆく野生の命を、愛しき存在のための輝きに変える。猫用品のカリスマ、カリカリーナが館山の革工房と仕掛ける「サステナブル」の真髄に迫る。
カリカリーナが「野生の革」に目を向けた理由
「高級爪とぎ」で知られるカリカリーナが、2026年1月30日に猫用レザー首輪「colarina(カラリーナ)」を発売する。
舞台は、拠点を置く千葉県館山市。深刻な獣害問題により駆除され、その多くが廃棄されるイノシシやキョン。この「行き場のない命」に、猫用ブランドとしての誇りを懸けて光を当てたのが今回のプロジェクトだ。
職人の執念が生んだ「革のシルク」の機能性
「野生の革は硬くて重い」という先入観は、この首輪を見れば霧散する。地元「伝右衛門製作所」との共同開発により、野生素材のイメージを覆す機能性が実現した。
表側には軽量で繊細な「キョン革」を採用し、猫の首への負担を軽減。裏側には摩擦に強い「イノシシ革」を配し、タフさを確保した。猫にとっての究極の快適さを追求した答えが、地域の課題であった野生獣の中に眠っていたのだ。
野生素材で実現した「赤ちゃんにも安全」な奇跡
野生素材の製品化における最大の壁は「安全性」だった。同社は環境負荷の大きいクロムなめしを拒否し、世界基準「エコテックス®スタンダード100」認証の加工を貫いた。
有害物質を排除し、天然染料を主軸とした染めを施す。「失われる命を、慈しむ対象へと繋ぎたい」。そこには、単なるリサイクルを超えた、作り手の血の通った哲学が込められている。
カリカリーナが示す「次世代ビジネス」の勝ち筋
この首輪から学べるのは、地域企業の「誠実な強さ」だ。かつて「猫が気に入らなければ返品OK」という驚異のサービスで支持を得た同社は、徹底した「顧客(猫)への愛」を貫いている。
獣害という「地域の負債」を「独自の資産」へと鮮やかに反転させる。自らの手で課題を拾い上げ、妥協のない品質で解決を示す。その嘘のないものづくりこそが、成熟した市場で愛され続ける唯一の道であることを、この首輪は語っている。



