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アップサイクルの成功事例 フードロスみかんが化粧品原料に フェルナンダと愛媛農家が創るサステナブルビジネスの新たな形

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アップサイクルの成功事例 フードロスみかんが化粧品原料に フェルナンダと愛媛農家が創るサステナブルビジネスの新たな形
提供:株式会社FERNANDA JAPAN

Do good for us & Our planet!」のスローガンを掲げ、人と地球に優しいフレグランスを提案するフェルナンダが、愛媛県のみかん農園と協業。市場に出せない“ロス果実”からエキスを抽出し、サステナブルな香水・ボディケアアイテムとして商品化する独自の取り組みは、廃棄物削減と地域活性化を両立する新たなビジネスモデルを示している。

 

アップサイクル最新動向 愛媛みかん「ロス果実」活用のサステナブルフレグランス

株式会社FERNANDA JAPANは、愛媛県産の温州みかんのロス果実を活用した「ミカンコレクション」を、2025年12月12日より数量限定で発売すると発表した。

同社は大人気のフルーツシリーズとして、冬にふさわしい心あたたまるみかんの香りを全12アイテムで展開。オードパルファムやボディケア、ホームアイテムなど多岐にわたるラインナップで、リアルな香りが消費者に支持されてきた。

本コレクションの最大の特徴は、原料調達におけるサステナビリティへの貢献だ。協業先である愛媛県八幡浜市の正本農園が栽培する温州みかんのうち、規格外などの理由で市場に出せない「ロス果実」から独自の製法でエキスを抽出(アップサイクルウンシュウミカン果実エキス*)し、保湿成分として配合している。これにより、自然の恵みを最大限に生かし、廃棄されるはずだった資源に新たな価値を与える「アップサイクル」を実現した。

差別化戦略 規格外農産物を「高付加価値な化粧品原料」へ転換する技術

フェルナンダの取り組みが他社と一線を画すのは、「サステナブルフレグランス」という独自のブランドアイデンティティに基づき、規格外農産物を「単なる廃棄物」として扱うのではなく、「機能性を持つ化粧品原料」へと昇華させている点にある。

規格外農産物を活用する事例は食品分野などで増加傾向にあるが、フェルナンダはフレグランスという嗜好性の高い製品に、農家との共同開発によるストーリーと、原料としての機能性という二重の付加価値を与えることに成功した。

協業する正本農園の正本貴久氏は、「フェルナンダのサスティナブルフレグランスについては、他の果物での取り組みを拝見して、ぜひ協力したいと思いました」と述べている。この発言は、単なる原料の売買ではなく、農園側も企業哲学に共鳴し、社会貢献と事業継続性を両立できるパートナーシップとして捉えていることを示唆する。「3つの太陽」(空、海、石垣)の恵みを受けて育った高品質なみかんだからこそ、ロス果実であってもその価値を最大化したいという農家の思いと、フェルナンダのアップサイクル技術が結実した形と言える。

企業哲学とSDGs なぜ「Do good for us & Our planet!」なのか

 

フェルナンダは「香りをひとつのきっかけとして、どんな人でも自分を大切に、自分らしく人生を楽しんでほしい」という願いのもと、「Do good for us & Our planet!」をスローガンに掲げる。この企業哲学が、サステナブルフレグランスという形で具体化している。

同社は日本人の肌質と安全性を考慮し、化粧品製造をすべて国内で行う*「Japan Quality」にこだわる一方、地球環境への配慮も経営の柱としている。ロス果実の活用は、単なるコスト削減や話題作りにとどまらず、「地球に優しい事業活動を通じて、消費者にも心地よさを提供する」という一貫した考えに基づいている。この取り組みは、製品の背景にある社会的な意義を重視する現代の消費者、特にサステナビリティに関心の高いビジネスパーソン層に対して、強く訴求する力を持っている。

経営戦略への示唆 フードロス削減を「競争優位性」に変える方法

フェルナンダの「ミカンコレクション」は、今日の企業経営において重要な示唆を与える。それは、サステナビリティを「コスト」ではなく「競争力のある価値」として捉え直す視点の重要性だ。

同社の事業モデルは、未利用資源の活用、製品への付加価値、ブランド哲学との統合という好循環を生み出している。すなわち、農産物のロスを削減し農家の持続可能性に貢献しつつ、廃棄物から抽出したエキスを「保湿成分」として製品に組み込みストーリー性と機能性を向上させ、そのサステナブルな取り組みをブランドの核とすることで顧客とのエンゲージメントを深めている。

この事例は、B to Cビジネスを展開する企業が、自社の専門技術と社会的な課題を結びつけることで、従来のサプライチェーンに依存しない、独自で強固なサステナブル・エコシステムを構築できる可能性を示している。市場に出せない資源に目を向け、それを革新的な製品へと昇華させる戦略は、今後のサステナブル経営のモデルケースの一つとなるだろう。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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