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大学生の“水筒離れ”はなぜ? ピーコック魔法瓶×同志社大が共同開発した「uniボトル」が示すマイボトル普及の処方箋

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大学生の“水筒離れ”はなぜ? ピーコック魔法瓶×同志社大が共同開発した「uniボトル」が示すマイボトル普及の処方箋
提供:ピーコック魔法瓶工業株式会社

大学生の水筒離れに着目したピーコック魔法瓶が、同志社大学の学生と共同開発した「uniボトル」を発売する。389人への調査と約2年半の対話から導いた、マイボトル普及に必要な行動デザインが明らかになった。

 

若者の“水筒離れ”に挑む──ピーコック魔法瓶が学生と開発した新モデルの全貌

若者のマイボトル利用率が伸び悩むなか、ピーコック魔法瓶工業(大阪市)は同志社大学 経済学部 新関ゼミの学生とともに、大学生が日常的に持ち歩ける新モデル「uniボトル」を開発した。発売は2025年秋。企業と学生がともに“水筒離れ”の背景を探り、その解決策を形にした点が特徴である。

同社は2020年の意識調査(株式会社プラネット)で、20代の半数以上が水筒を携帯していないという結果に着目した。使い捨てペットボトル削減が課題となるなか、SDGsネイティブの学生世代と共に実態を深掘りし、解決策を製品開発へ反映させる狙いがあったという。

大学生389人の調査で判明した「持ち歩かない最大の理由」──uniボトルが解決した課題とは

約2年半のプロジェクト期間中、延べ389人の学生に実施した意識調査で浮かび上がったのは、「面倒くさい」という行動心理だった。具体的には「大きくてバッグに入らない」「重くて持ち歩きにくい」といった物理的負担が最も大きい。価格面では1,500〜3,500円の範囲で購入意欲が高い傾向が確認された。

こうしたデータを起点に、uniボトルは400mlのコンパクトサイズ、給水機で注ぎやすい広口設計、ガラスのようなクリアボディ、衛生的なステンレス飲み口を採用した。素材にはリサイクル比率の高い「Tritan™ Renew」を使い、パッケージはFSC認証材に統一するなど、環境配慮を設計段階から徹底した。

学生×メーカーの産学連携で見えた“行動変容”の核心──SDGs世代が求めたボトルの条件

 
大学生の“水筒離れ”はなぜ? ピーコック魔法瓶×同志社大が共同開発した「uniボトル」が示すマイボトル普及の処方箋
提供:ピーコック魔法瓶工業株式会社

学生が主体となる共創プロジェクトでは、ワークショップや討議を通じて行動経済学に基づく視点が取り入れられた。利便性とデザイン性、さらに「携帯したくなる感情の喚起」がマイボトル普及の鍵になるという考え方である。

uniボトルの名称には、university(大学)、universal(普遍)、unique(唯一無二)の3つの意味が込められる。ロゴは「u」「n」「i」をモチーフに、人がつながり合い行動を共にする姿を表現した。SDGsゴールでは、廃棄物削減、気候変動対策、海洋資源保全、陸上生態系保全の4分野に貢献するとしている。

新関ゼミの新関教授は、「大学のウォーターサーバー設置議論と合致した」と振り返る。ゼミではファイナンスやESG投資を実証的に学んでおり、「0から1を生み出す商品開発の意義」を学生が理解した点も、長期プロジェクトを支えた。

マイボトル普及に必要な「行動デザイン」──大学・オフィスに広がるリフィル文化の可能性

uniボトルの開発が示したのは、環境配慮の高い世代であっても、実際の行動は「使いたくなる設計」がなければ定着しないという事実である。理念だけでは行動は変わらない。携帯しやすさ、軽さ、価格、そしてデザイン。その積み重ねが最も強い後押しとなる。

同社は、オフィスや公共施設でのウォーターサーバー整備が進めば、リフィル文化は想像以上のスピードで広がると見る。大学生の行動変容が促されれば、日常的なペットボトル購入の削減につながり、リデュース活動は持続的な社会インフラとして機能する可能性がある。

uniボトルの発売は2025年秋。若者の水筒離れという課題に対し、行動と意識の両面からアプローチした今回の取り組みは、企業と学生が共に未来の消費行動を変える試みとして注目される。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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