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漁網がファッションに生まれ変わる アーバンリサーチがamuのリサイクル素材「amuca®」を採用、万博限定で販売へ

サステナブルな取り組み SDGsの取り組み
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amuのアップサイクル商品
提供:amu

2025年大阪・関西万博で、ひときわ注目を集めそうなファッションプロジェクトが動き出した。宮城県気仙沼市発のアップサイクルベンチャー、amu株式会社が開発した廃漁網由来のリサイクル素材「amuca®」が、ファッションブランド「URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)」と一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンとのコラボレーションによって、セットアップウェアおよびトートバッグに生まれ変わり、「URBAN RESEARCH EXPO2025 STORE」で数量・期間限定で販売されることになった。

 

「漁具から価値の常識をひっくり返す」

漁網のイメージ画像
提供:amu

amuca®は、使用済み漁網を独自技術で分別・再加工して生まれた再生素材。塩分や汚れが付きやすく、通常は産業廃棄物として埋め立て処理されることの多い漁網だが、amuはそれを再資源化し、再び社会で循環させる仕組みを構築した。回収された漁網は、気仙沼市内で処理され、再生ナイロンとして加工される。

今回のプロジェクトでは、そのamuca®を用いたナイロンジャケット(¥49,500)、イージーパンツ(¥38,500)、ナイロンバッグ(¥9,350)が展開される。いずれもファッション性と機能性を兼ね備えたアイテムとして、漁業の現場から街へと舞台を移す。

 

漁業の「3Kイメージ」に挑む

本コラボは、アーバンリサーチが進める「JAPAN MADE PROJECT」の一環として展開。フィッシャーマン・ジャパンとともに、これまでにも「かっこいい漁師ウェア」の開発を通じて、漁業に根強く残る「きつい・汚い・危険」のイメージ刷新や、担い手不足の解消を目指してきた。

「漁師が着ていた網が、街のファッションになる」。そのコンセプトは、素材のストーリー性と環境配慮が求められる現代の消費者心理にもフィットする。加藤CEOは、「素材に込めた物語が、多くの共感を呼ぶことを願っている」と語る。

海を守り、漁業者を支えるアップサイクル

海洋ゴミの約6割が漁具に由来するという現実がある(環境省調査)。流出した漁網は「ゴーストネット」となり、海洋生物の命を奪う深刻な問題も引き起こしている。さらに、漁網の処理には高額なコストがかかり、多くは漁業者の自己負担に委ねられてきた。

amuは、こうした環境問題と経済負担の両面に向き合い、漁網を買い取ることで漁業者の負担を軽減しつつ、製品化によって価値ある資源へと変換する。まさに、「いらないものはない世界をつくる」という同社のビジョンを体現する取り組みだ。

 

万博で「未来のすごい!」を共有

このコラボ製品は、2025年大阪・関西万博の「セービングゾーン」エリアに設置される「URBAN RESEARCH EXPO2025 STORE」で販売される。営業期間は4月13日から10月13日まで。アーバンリサーチは「今の“すごい”を未来に、未来の“すごい”を今にシェアする」という企業理念のもと、環境・地域・人をつなぐ製品づくりを推進しており、今回の採用もその延長線上にある。

amuca®の持つ地域性と、アーバンリサーチの企画力、フィッシャーマン・ジャパンの現場との接点が融合することで、漁業と都市、産業とファッションをつなぐ新たな価値提案が生まれようとしている。

今後も3者はamuca®を軸とした製品開発を継続する意向であり、「サステナブルで、かっこいい」水産業の未来像を提示し続けていく構えだ。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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