企業や団体におけるサステナビリティの追求として、SDGs達成に向けた事業や取り組みをアピールするケースが増えてきました。実際にSDGsへの取り組みを行うとなると、どの目標に向けてどのような施策を企画したら良いか悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。 cokiでは、皆さまのSX(サステナビリティトランスフォーメーション)のお役に立つべく、SDGsに対して積極的な企業の取り組みをピックアップしてご紹介しております。今回取り上げる事例は、KDDI株式会社です。 本ページをご参考に、事業におけるサステナビリティ、SDGsに関する活動を進めるヒントにしていただければ幸いです。
KDDI株式会社のSDGsへの取り組み
- KDDI株式会社 (英文名称: KDDI CORPORATION)
- 業種:電気通信事業
- 創業:1984年 (昭和59年) 6月1日
- 従業員数:47,320人 (連結ベース)
- 参照公式サイト:https://www.kddi.com/
KDDIは「豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」という企業理念を掲げ、「ステークホルダーの評価や意思決定への影響」と「自社が社会・環境・経済に与えるインパクト」の2つの視点のもと取り組みの検証を行い、6つのマテリアリティを定めています。
- マテリアリティ
- 安全で強靭な情報通信社会の構築
- 情報セキュリティの確保とプライバシーの保護
- ICTを通じた心豊かな暮らしの実現
- 多様な人財の育成と働きがいのある労働環境の実現
- 人権尊重と公正な事業活動の推進
- エネルギー効率の向上と資源循環の達成
KDDIでは、SDGsに対して3つの「つなぐ」を掲げ、それぞれの課題に適応するSDGsの取組を行っています。
- 命をつなぐ
- 災害対策・通信基盤の強靭化(目標9・11・13)
- 地球環境の保全(目標7・13)
- 暮らしをつなぐ
- 地方・都市の持続的発展(目標8・9・11)
- 途上国の基盤整備(目標4・9・10)
- 次世代の育成(目標4)
- 心をつなぐ
- 安心で豊かなデジタル社会構築(目標9・12)
- 多様性の尊重(目標5・10)
- 健康・生きがい作り(目標3・8)
KDDIのSDGs目標への取り組みは非常に多岐に渡ります。ここでは最近の取り組み事例をピックアップして見ていきましょう。
※取り組み事例の中には、複数の目標にまたがる取り組みもありますが、代表的な目標を掲げて記載しています。
目標3「すべての人に健康と福祉を」への取り組み
目標3の ゴール は「あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。
新型コロナウイルスの影響で注目されている、ビデオ通話を使って非対面で診察を受けられる「オンライン診療」。KDDIの健康支援サービスアプリ「auウェルネス」は、病院の検索から予約、受診、決済、処方箋の発行までアプリ上だけで完結できる仕組みです。
また、高齢化による介護は日本では特に喫緊の課題とされていますが、介護業界は、他業界と比べて人材の流動性が高く、人材不足に悩まされています。KDDIでは、介護業界の社会課題を解決するため、AR技術を活用した新たな介護作業支援システムの開発を行っています。具体的には、ARメガネを活用したハンズフリー介護作業支援システムです。KDDI総合研究所が開発した顔認識技術や音声合成技術と、社会福祉法人 善光会が開発したスマート介護プラットフォーム「SCOP」を組み合わせ、カメラ付きARメガネで介護関連情報をレンズに表示して音声で読み上げてくれます。
ARメガネを通して入居者の顔を認識できるだけでなく、入居者のヘルスケアデータを読み取り、「名前」「介護の必要度合い」「病院・病室」「血圧」「体温」「食事をする状態」「移動の状態」「食事の有無」「排泄の有無や時間」などがARメガネのレンズに投影されます。ドラゴンボールに出てくる「スカウター」のようなものを想像していただければわかりやすいです。
入居者の血圧がわかると「今日は血圧が高めだから入浴の時間を短めにしよう」という判断を行ったり、入居者が排泄を行っていなければ「お手洗いは行かなくても大丈夫ですか?」と促すこともでき、きめ細やかで適切な対応を即座に行えるようアシストできます。
目標4「質の高い教育をみんなに」への取り組み
目標4の ゴール は「全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」です。
日本の都市部と地方、そして貧困による深刻な教育格差や小中学校のICT教育が大幅に遅れていることは、今後大きな社会問題化すると考えられています。
KDDIでは、教育とテクノロジーの融合により、誰もが利用しやすい教育環境を普及することに勤めています。
子供たちへのネットリテラシーの啓発のため「スマホ・ケータイファミリーガイド」を開設。青少年向けの講座のだけでなく、シニア向けの講座も行っています。
また、ICTの普及・振興に資する各分野の研究および事業に対し助成を行うための「KDDI財団」を創設。国内外において、調査研究や留学生向けへなどの助成事業を実施しています。
また、地方創生の実現のため、5G回線を利用した最新の起業やICTや経営についてのノウハウを学べる環境づくりや、地元企業やベンチャー企業への出資を行うファンドを創設。資金的な支援もおこなっています。
目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」への取り組み
目標7の ゴール は「全ての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」です。
KDDIはSDGsの取り組みの一環として、再生可能エネルギーへのシフトを進め、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指し、ICTの活用による社会の環境負荷低減に取り組んでいます。その中で、一般ユーザー向けに対するサービスとして提供しているのが2021年9月から開始した「auでんき ecoプラン」です。再生可能エネルギー比率実質100%を実現し、電気料金の2%を環境保全活動に寄付します。これまでの電気料金は変わらず、特別なことをしなくても、いつも通り電気を使用するだけでカーボンニュートラルの取り組みを支援できる仕組みです。アプリで30分ごとの電気使用量がチェックできるため、節電に役立てることもできます。2022年1月からは、全国 (沖縄県・一部離島を除く) に提供エリアを拡大しています。
目標11「住み続けられるまちづくりを」への取り組み
目標11の ゴール は「包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する」です。
いまや通信は生活に欠かせないインフラです。それを担うのが光海底ケーブル。日本と世界の国際通信をつなぐケーブルの長さは、いまや地球30周分にものぼります。KDDIでは、光海底ケーブルが安定した品質を保つため、24時間体制365日で稼働しています。障害が起きてもすぐに復旧できるよう日々、保守・点検を行い運用しています。
さらに、災害対策を軸に社会貢献連携としてNTTと2020年秋より「つなぐ×かえる」と題したプロジェクトをスタート。災害が発生した際には被災地に向けてさまざまな災害対策物資を届けるために、ケーブルシップを相互活用することになりました。社会の共通課題においてそれぞれの持つ資産を活用し合うことで、環境変化に強い社会基盤の構築につながります。
SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」への取組事例~cokiの記事より
coki では、サステナビリティについて考え、実際に取り組んでいる様々な団体・企業への取材を行っています。今回は SDGsの目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」 について、取り組む企業の記事をピックアップしました。ぜひご覧ください。
株式会社えこでん 創エネの前に省エネが経営に有効。省エネ特化で社会に貢献
省エネに特化した電気設備事業者として、企業のコスト削減、CO2削減に貢献するのが株式会社えこでんです。社長の久我和也さんは、前職時代に出会った省エネ装置「デマンドコントロールシステム」を普及させることを目的に独立し、同社を設立。どのように企業のエネルギーコストを低減するのか、その事業とステークホルダーへの向き合い方を伺いました。
興亜商事株式会社 奥村雄介|アスノワで地球を救うヒーローになろう-SDGsへの取り組み
愛知県で再生資源の回収などの事業を手がける興亜商事株式会社は、「アスノワ(EARTHNOWA)」=地球(Earth)の明日・循環の「環(わ)」・仲間の「輪」・平和の「和」というコンセプトで、多くの仲間と共に社会課題の解決にチャレンジしています。「SDGsの推進こそ興亜商事の存在価値」と語る代表取締役 奥村雄介さんに、事業内容やステークホルダーへの想いについて伺い、SDGsへの取り組み状況をレポートします。
参照: coki
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