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山のくじら舎が拓く高知の森と世界を繋ぐ驚異の新経営

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山のくじら舎が拓く高知の森と世界を繋ぐ驚異の新経営
提供:株式会社山のくじら舎

森林率日本一を誇る高知県から、世界のビジネス界を揺るがす快挙が報じられた。一軒の木のおもちゃメーカーが、環境や社会への貢献度を証明する厳格な国際認証「B Corp」を取得したのだ。単なる地場産業の枠を超え、彼らが提示する「誠実さ」を武器にした経営哲学は、停滞する日本企業が再生するための逆転のヒントに満ちている。

高知の山奥から世界基準の「良い会社」へ

高知県安芸市に拠点を置く「山のくじら舎」が、2026年2月、厳格な審査で知られる国際認証「B Corp」の仲間入りを果たした。この認証は、単に稼いでいるだけでなく、環境や地域、そして働くスタッフをどれだけ幸せにしているかを問い直す「良い会社」のグローバルパスポートだ。

彼らが主役にするのは、高知の豊かな、しかし手入れが難しい森林である。驚くべきは、森を守るために切られた間伐材や、山に捨て置かれるはずだった「切り株」までもが、職人の手で魔法のように愛らしいおもちゃに姿を変えることだ。

本来なら見捨てられるはずの素材に命を吹き込む。この「もったいない」を価値に変える循環の美しさが、世界に認められたのである。

捨てられる木材を宝物に変える職人の魔法

効率を求めるメーカーなら見向きもしないような、節のある木や不揃いな材。しかし、山のくじら舎はそれらを「個性」として抱きしめる。

製品はすべて無着色。木が持つ本来の色や香りをそのまま活かし、仕上げには赤ちゃんが口にしても安心な植物性オイルを使う。その執念とも言えるこだわりは、もはや「ものづくり」という言葉では片付けられないほどの愛情に満ちている。

さらに、その舞台裏を支えるのは地域の女性職人たちだ。子育てや暮らしを大切にしながら働ける環境を整え、過疎化が進む町に新しい活気を生み出している。

さらに、伝統的な古民家を再生して技術を継承する活動まで行っているというから驚きだ。単なるおもちゃ屋ではなく、地域の文化を次世代へつなぐ「動く心臓」のような役割を果たしているのだ。

「速さ」よりも「誠実さ」を選んだ経営者の決断

「なぜ、そんなに手間のかかることを?」という問いに、代表の萩野和徳氏は穏やかに、しかし力強く答える。

「私たちが届けたいのは、単なるモノではなく、森が育んできた時間そのものです。効率や速さではなく、美しさと誠実さで選ばれる企業でありたい」

この言葉には、目先の数字に惑わされない経営の矜持が宿っている。B Corpへの挑戦は、自分たちの歩みが世界基準で見て「正しい」と言えるのかを確かめる旅でもあった。世界で1万社を超える大企業が名を連ねる中、日本の小さな町からその列に加わった意味は、想像以上に大きい。

逆境を笑顔に変える「スロー・ビジネス」の正体

山のくじら舎が教えてくれるのは、マイナスをプラスに変える「逆転の発想」だ。使いにくい木材や、人口が減り続ける地域といった「弱み」を、独自のストーリーと温もりに変えてファンを増やしてきた。

これからの時代、本当に強い企業とは、規模の大きさではなく「その会社がなくなったら困る」と心から思われる存在だろう。効率化の波にかき消されそうな手仕事のぬくもりと、自然との共生。それらを等身大のビジネスとして成立させた彼らの軌跡は、明日へのヒントを探すビジネスパーソンの心に、温かな灯をともしてくれるはずだ。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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