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公益財団法人ミダス財団

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〒107-0052 東京都港区赤坂八丁目11番37号 いちご乃木坂ビル5階

特別養子縁組家族がアートを活用したライフストーリーワークショップに参加 「生い立ちを語り合う一助に」ミダス財団が企画

サステナブルな取り組み ESGの取り組み
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ミダス財団 ライフストーリーワークショップ
提供:ミダス財団

特別養子縁組を結んだ家庭では、育ての親である養親が、子どもに出自を伝えるという、大切なプロセスがあります。かつては子どもが成人を迎えたタイミングなどで伝えていました。しかし、近年は子どもを迎えたときからできるだけ自然な形で、一緒に生い立ちを語り合うという考え方が主流になっています。子どもと生い立ちに関して双方向にオープンに語ることを「ライフストーリーワーク」と呼んでいます。

このライフストーリーワークの一助にしてほしいと、特別養子縁組の支援事業を行う、公益財団法人ミダス財団(以下、ミダス財団)が、11月に親子向けのワークショップを開きました。特別養子縁組で家族になった親子が参加したワークショップの様子をミダス財団の湯本梓さんと亀田由紀子さんにお伺いしました。

 

特別養子縁組の理解を深める絵本『まってたんだよ ヒカル』の作者・つちだよしはる先生と絵皿づくり

11月に都内で開かれた、特別養子縁組の親子向けワークショップ。この日は1才から小学生の子どもたちと保護者が参加しました。

初めての場所に、少し緊張した表情の子どもたち。その空気をほぐすように、つちだ先生が、壁にはられた大きな真っ白の紙にクマやウサギ、キツネの絵を次々と描いていきます。子どもたちは、つちだ先生の手から生み出される絵を見つめます。

ミダス財団 ライフストーリーワークショップ
提供:ミダス財団

みんながリラックスしたタイミングで、絵皿づくりのスタートです。

最初につちだ先生が、絵の具の使い方を説明しながら、お手本として、お皿に絵を描きました。クマの絵皿が完成すると周りから拍手がわきました。

ミダス財団 ライフストーリーワークショップ
提供:ミダス財団

いよいよ子どもたちの番です。みんな筆を使って思い思いに描いていきます。好きな色を混ぜ合わせてオリジナルの色をつくったり、好きなネコを描いたり。お父さん、お母さんが横でその様子を見つめます。

つちだ先生が、子どもたちの絵のそばやお皿の裏に子どもたちがリクエストした絵を描きます。自分が好きなものを、自分の似顔絵を、家族全員を動物に見立てた姿を描いてほしい・・・多種多様なリクエストに鮮やかに応えてくれるつちだ先生。仕上げに名前や日付を入れて完成です。

ミダス財団 ライフストーリーワークショップ
提供:ミダス財団

ミダス財団の湯本さんは、ワークショップの様子をこう振り返ります。

「子どもたちは最初は緊張した様子でしたが、つちだ先生と絵を描きながら遊ぶ時間は本当にのびのびと楽しんでいました。つちだ先生からは、ワークショップの後『みんな明るく元気で、愛されてるって身体中でいっぱい感じている子ども達でした。』というご感想もいただきました」

また、ワークショップの後半には、絵本の監修者である德永祥子先生が養親とライフストーリーワークについて語り合いました。德永先生は国内外でライフストーリーワークの普及に取り組んでいて、養親からの相談に答えました。

家族で生い立ちを語り合う「ライフストーリーワーク」

 

特別養子縁組とは、やむを得ない事情により、生みの親のもとで暮らすことができない子どもが、家庭で育つための制度です。生みの親である実親と法的な親子関係を解消し、育ての親(養親)が実子と同様に法的な親子関係を結びます。法務省の司法統計によると、2023年の特別養子縁組の成立件数は、587件です。

特別養子縁組を結んだ家庭では、育ての親である養親が、子どもと共に生い立ちを語り合うライフストーリーワークという大切なプロセスがあります。

このプロセスについてミダス財団の亀田さんはこう説明します。

「以前は、子どもが成人してから『実は…』と伝えるケースもあったようです。しかし近年では、子どもを迎えたときから、できるだけ自然な形で、子どもと一緒に生い立ちを語り合おうという考え方が主流になっています」

このライフストーリーワークで使われているツールの1つが、絵本です。読み聞かせという自然な形で、生い立ちを語り合ってほしいという思いから、ミダス財団は2025年7月、特別養子縁組をテーマにした絵本「まってたんだよ ヒカル」を、財団代表の吉村英毅の原案で、つちだよしはるさんに絵と文をお願いし、幻冬舎より上梓しました。

ミダス財団 ライフストーリーワークショップ
提供:ミダス財団

絵本の主人公は4才のヒカル。育ての親であるお父さんとお母さんにいつもねだる大好きなお話があります。それはヒカルがお父さんとお母さんの家に来たときのお話ですーーと、ストーリーは進みます。

「絵本を制作いただいたご縁から、今回のワークショップには、つちだ先生をお招きしました。会場にはつちだ先生が過去に出版された絵本もいくつか展示し、始まるまでの時間に親子で読んでくれた方もいました。絵皿を作りながら親子でいろいろなことを話して、持って帰ったあとも『あのときはこういう絵本があったよね、じゃあ読んでみようか』などとライフストーリーワークの自然な流れができるといいなと思っています」(湯本さん)

亀田さんはこう話します。

「絵皿づくりでは、生みの親にゆかりのある絵をつちだ先生にリクエストされた養親さんもいらっしゃいました。『我が子が生きていくうえで、子どもが覚えていない生みの親のルーツも必ず伝えてあげたい』という愛情を感じました。そうした場面に私たち財団職員が直に触れることは、特別養子縁組事業に取り組む上で非常に重要なことだと感じました。今後も折に触れてこうした取り組みを続けていきます」

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