
兵庫県姫路市に本社を構え、日本およびアジア地域でリユース事業を展開する株式会社エコリングは、事業拡大に伴い、2025年2月17日より新本社へ移転した。
新本社は、社員の働きやすさと環境負荷の低減を両立する設計が施され、地域社会とも連携した先進的なオフィス空間として注目されている。
「HǑKO」コンセプトのもと設計された新本社
新本社の設計においては、「HǑKO(ほうこ)」をコンセプトに掲げ、「つなぐ・ひらく・宝庫」という理念が体現されている。「宝庫」とは、社員や商品、植物といったすべての要素を大切にし、それらを蓄え育む空間を意味する。
さらに、「つなぐ」には、各部署間の連携を強化するオフィスレイアウトや、コミュニケーションを活性化するデザインが取り入れられ、「ひらく」には、将来的な拡張を見据えた設計や、自由な働き方を支援する開放的な空間が反映されている。
社員の快適性と創造性を高めるオフィス環境

新本社では、社員のウェルビーイングを重視し、快適に働ける環境づくりに力を入れている。オフィスの顔ともいえる「ステップアトリウム」は、吹き抜け構造を採用し、北側の大開口とトップライトから自然光が降り注ぐ明るく開放的な空間となっている。ここでは社員同士が自然に集い、交流が生まれやすい環境が整えられている。
また、屋上庭園にはカフェスペースが隣接し、社員が食事や休憩を楽しめる場として設けられた。庭園には円形のウッドデッキを配置し、中央部の芝生広場ではイベントの開催も可能。さらに、在来種の植物が植えられ、果実を実らせる木々も多く配置されており、収穫された果実はカフェのキッチンで活用される仕組みが整えられている。
環境配慮型のオフィス設計と第三者認証取得
エコリングの新本社は、環境性能とウェルビーイングの両立を実現した建築として、「CASBEE スマートウェルネスオフィス認証」の最高ランクであるSランクを取得している。この認証は、環境負荷を低減しつつ、社員の健康と快適な職場環境を提供する建築に与えられるものであり、エコリングはこの評価を誇りとしている。
環境に優しい設計として、再生可能エネルギーの活用や、建物内外に緑を多く取り入れることで、CO2排出量の削減にも貢献。オフィス内では自然光を最大限活用した明るい空間が設けられ、リフレッシュスペースや屋上テラスなどの設備も整えられている。
さらに、使用する電力は100%関西電力の「再エネECOプラン」を活用し、CO2フリーのエネルギーを実現。現在、国際的な環境建築認証であるLEED認証の申請も進めており、さらなる環境性能の向上を目指している。これらの認証取得は、エコリングの持続可能な社会への貢献と、企業としての環境責任を象徴する取り組みとして高く評価されている。
地域経済への貢献とオープンなオフィスの実現

新本社の建設・運用にあたり、エコリングは地域経済の活性化にも注力。代表取締役の桑田氏は「姫路を盛り上げたい」という思いのもと、兵庫県姫路市の企業9社と協力し、地元の技術や素材を活用した建設を進めた。これにより、地元企業の成長を後押しし、地域経済の発展にも寄与している。
また、新本社は社員のみならず、地域の住民や未来の働き方に興味を持つ人々にも開かれた場となることを目指しているとのこと。今後、見学会やイベントの開催を予定しており、オフィス空間を活用したコミュニティ形成にも貢献していく。
エコリングは今後も、リユース事業を通じて環境問題や社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現を目指していくとのこと。