地球温暖化や資源枯渇など、地球規模の環境問題が深刻化する中、企業活動における環境負荷の削減は喫緊の課題となっている。
製品の原材料採取から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で発生する環境負荷を定量的に可視化するLCA(ライフサイクルアセスメント)は、企業が環境負荷の低減に取り組む上で、有効なツールとして注目を集めている。
ISOに基づいたカーボンフットプリント認証機関である一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)は、LCA分野を牽引してきた実績とノウハウを活かし、この度、企業の環境負荷低減を強力に後押しする新クラウド版LCAソフトウェア「MiLCA(みるか)」の販売を開始する。株式会社LCAエキスパートセンターとの拡販にむけて、販売代理店として協業していくとのことだ。
国内トップクラスの実績とノウハウを結集
MiLCAは、従来のLCAソフトウェアの機能を大幅に向上させ、企業がより簡単に、かつ効果的にLCAを実施できるよう開発された。
最新版の国内データベースAIST-IDEA Ver.3.4に加え、今後、欧州のデータベースecoinventなども段階的に導入予定で、国内外の多様なニーズに対応する。
また、直感的な操作が可能なGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を採用し、LCA初心者でも容易に操作できる設計となっている。従来のスタンドアロン型に比べ算出速度が大幅に向上したほか、他システムとのデータ連携機能も強化され、高度な分析機能により、環境影響の要因分析など、より深い洞察を得ることが可能になった。
サプライチェーン全体を可視化し、環境負荷のホットスポットを特定することで、効果的な改善策を導き出し、データに基づいた製品設計や持続可能な経営を推進できる。
企業のLCA導入を強力にサポート
SuMPOは、長年、環境ラベルプログラム「SuMPO EPD」を運営する中で、多くの企業に対しLCAに関するコンサルティングやEPD認証を提供してきた実績を持つ。MiLCAは、SuMPOがこれまで培ってきたノウハウが凝縮されており、企業は安心して利用できる。SuMPOから購入するメリットは、大きく分けて三つある。
一つ目は、環境製品宣言(EPD)を円滑に申請できることだ。二つ目は、MiLCAで得られたLCA結果の効果的な活用方法の指導や、LCA実務者を育成するための、SuMPOの各種LCAコンサルティングサービスを活用できることだ。三つ目は、LCAに関する幅広い知識を持った専門家による手厚いサポートを受けられることだ。
データの詳細や基本的な使用方法に関する問い合わせはもちろんのこと、定期的に開催されるMiLCAの基本操作に関するセミナーなどに参加することも可能だ。
高まるLCAの重要性とSuMPOへの期待
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に代表されるように、パリ協定以降、企業にはサステナビリティに関する情報開示が求められるようになり、その流れは国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)による国際基準が欧州で義務化される流れなど、加速する一方だ。
日本でも日本版サステナビリティ基準(SSBJ)の草案が公開されるなどプライム企業における情報開示が進んでいる。
なかでも、企業活動全体におけるCO₂排出量を示す「スコープ3」への対応は、多くの企業にとって大きな課題となっている。サプライチェーン全体での排出量把握の必要性が高まる中、製品単位でのCO₂排出量算出を求める声は、年々高まっている。
SuMPOには、製品ごとに、原材料調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体における環境負荷を算出するLCAに関する問い合わせが、近年、増加傾向にある。MiLCAの提供を通じて、SuMPOは、今後ますます高まるLCAへのニーズに応え、企業の持続可能な社会の実現に貢献していく。