「YTRディア法務事務所の篠原さんが同席してくれると会議の質もスピードも全然違う。
福祉現場出身の行政書士だからこそ知識も膨大で提案も現場目線」と語るのは、合同会社GripGrapの代表仲西亮平さんと副代表寺門誠さん。
グラフィックデザイナーとして長年活躍してきた経験を活かし、障害福祉などの社会課題をデザインの力で解決するソーシャルブランド『NODD』を運営しています。
今回は、「障害福祉に強いデザイナー」であるGripGrapのお2人に、障害福祉サービス事業指定申請手続きの専門家であるYTRディア法務事務所代表の篠原雄太郎さんとの2社のパートナーシップ、そしてアートを切り口とした障がい者の自立について語っていただきました。
アイデアマンの仲西さんと、名参謀の寺門さん。僕と相性抜群のコンビです
はじめに、行政書士YTRディア法務事務所の篠原先生からお預かりしたメッセージをご紹介させてください。
彼らとは2021年の10月、とある交流会の中で、障害者アートを取り組んでいるということを聞いて、名刺交換させていただいたのが出会いの経緯です。
打合わせをさせていただいて感じたのですが、仲西さんは明るく、アイデアをたくさん出せる方で、寺門さんは参謀のような方です。
仲西さんと寺門さんはすごくいいコンビだなと感じましたし、僕との仕事の相性も非常にいいと感じました。
僕の場合は、施設の開設手続きなど、行政への対応についてアドバイスできるのが強みです。ただ、僕一人では施設の売上を作る、伸ばすというのは難しい。逆に彼らはその分野がめっぽう強い。
非常に頼りになる存在ですね。一方で、僕は彼らに施設を立ち上げる際にまず「何をやるんだっけ?」というところを助けられると思います。
この前、彼らの新規の施設立上げに向けたMTGに参加させていただきました。
僕が参加する前にすでに彼らのクライアントと2回打合せをしていたそうなのですが、僕が参加した3回目の打合せで彼らのクライアントと具体的な話ができ、「大きく前に進めた」というお言葉をいただいてとても嬉しかったです。
彼らのアイデアを具体的に形にするというのは今後も色々お手伝いできると思いますし、僕の既存のお客様で売上に困っている会社には彼らのアイデアが助けになると思うので相互に紹介していけるような関係性を今後も築いていきたいですね!
合同会社GripGrap仲西亮平(代表)さんと寺門誠(副代表)さんの行政書士YTRディア法務事務所への想い
篠原さんが同席すると会議の質もスピードもまるで違います
福祉施設や福祉事業を立ち上げる際に、篠原先生は行政への対応を、GripGrapのお2人は企画やブランディングやデザインを、というように互いに強みを生かせる関係であることが伝わってくるメッセージでした。いかがでしょう?
寺門
篠原さんと僕たちでうまく役割分担ができているおかげで、仕事の進みは速く、クライアントの満足度も高い、と良いこと尽くしです。
もともと僕たちはデザインの力で既存の福祉事業をブラッシュアップしていたのですが、新しいチャレンジとして福祉施設の立ち上げにも着手し始めました。
そこで痛感したのが行政とのやりとりの複雑さです。提出書類をクライアントに準備してもらうだけでも一苦労でした。
当初は「福祉事業を始めて社会貢献したい!」と目を輝かせて依頼してくれたクライアントも、作業が進むにつれてどんどん暗くなっていくんですよ。
そういった施設の開設手続きといった複雑な業務を、篠原さんは物凄いスピードで進めてくれるんです。
仲西
仲西
僕たちがクライアントに出すアイデアは、初期の段階だと机上の空論である場合が多いです。でも、そういったある意味ぶっとんだアイデアだからこそ、クライアントはワクワクする。
自分たちがやりたい社会貢献が僕たちのアイデアによって面白い表現になっていくからです。「GripGrapさんと話すと、夢が見れる」とよく言ってもらえます。
僕たちの役割はそのアイデアを夢で終わらせず、収益化できるかたちで現実世界にうまく落とし込むこと。しかし、福祉業界は法律や地方自治体のルールなど様々な制約があるので一筋縄ではいきません。
そこで篠原さんの出番です。
彼は福祉現場出身の行政書士なので、法律のみならず地方自治体の細かいルールまで熟知しているプロフェッショナルです。
寺門
普通だと「じゃあ後日、詳細を確認してからご連絡します」といったん持ち帰らなければいけない案件でも、篠原さんが同席した会議だと、「そのアイデアは行政にこうアプローチすれば実現できます」とその場で的確なアドバイスをしてくれます。
篠原さんは障害福祉業界を明るくしたいという思いが強い人なので、ルールを意識するあまりクライアントが思い描いていたビジョンから逸れたり、利用者のためにならなかったりする場合は、「一度白紙に戻しましょう」という提案や判断もしてくれます。
福祉の現場目線の提案だからクライアントの満足度も高いです。篠原さんがいると会議のスピードも質もまるで違います。
仲西
その積み重ねで、ほぼ1年かかる案件を半年で可能にしてしまうほどです。
寺門
篠原さんのおかげで、僕たちはデザインや企画に全力を注げるので非常に助かっています。
僕たちのように「障害福祉に強いデザイナー」も珍しいですが、篠原さんのように「障害福祉サービス事業指定申請手続きの専門家」というのも需要を捉えた素晴らしい道だと思います。
「社会貢献」「人助け」をやらずに死ねない
Grip Grapのお2人はアートやデザインを切り口に、障がい福祉の領域で精力的に活動しています。活動について具体的に教えていただけますか?
仲西
僕たちは『NODD』というソーシャルデザインブランドを運営しています。
『NODD』では、アパレルを中心にオリジナル商品を展開するだけでなく、障がいのある作家や福祉事業者とのコラボレーションを積極的に行っています。
仲西
例えば、この写真は群馬県前橋市の福祉作業所『NPO法人 麦わら屋』と協力して開発したファッションマスクです。
機能性とデザインにこだわって何度も改良したので、「福祉作業所が作るマスクならこんなもんだろう」というイメージを裏切る良品です。
仲西
障がい者が持つ可能性への期待値が低すぎるんです。障がい者が働く場として様々な福祉作業所がありますが、仕事内容は軽作業が多く、アートという選択肢は無いケースが大半です。
福祉の現場を知るにつれ、本人の可能性を引き出さずに単純作業ばかりを与えることは差別じゃないのか?と疑問に思うようになりました。
寺門
「これだけやらせておけばいい」という観念が根底にあるのを感じますね。
仲西
障がい者自身もその環境を当然と思っているし、親御さんたちも受け入れているんです。それが悔しい。
だから僕たちは、コラボレーションを通して作品を提供していただいた作家に対しては、商品が売れるごとに利益の一部からロイヤリティとして直接還元しています。
正当な価格をつけることで、作家たちに自身の価値を感じてほしいし、さらなる作品を生み出してほしいんです。
寺門
そういった思いで、障がい者の方々と協力してデザイン性のあるTシャツを作って『NODD』で販売していたところ、行政からの依頼もどんどん舞い込んできて、僕たちの活動の幅も広がっていきました。
僕たちのように障がい福祉に特化したデザイナーは世間ではまだまだ少ないので、現場の方々からは「Grip Grapのような、現場を熟知するデザイナーを探していました!」と嬉しいお声をいただいています。
そもそも障がい福祉の領域に着手したのはなぜだったのでしょう?
仲西
僕たちはもともと15年ほどデザイン会社でグラフィックデザイナーとして働いていました。独立を考えたときに、人や社会の為になるような事をしたいという思いがありました。
というのも、東日本大震災で人々が大変だった時、僕たちは目の前の仕事が忙しすぎて何もできなかったという苦い経験がありました。
今後社会で働き続けるうえで、「社会貢献」を抜きに良い仕事はできないし、「人助け」をやらずに死ねないと思ったんです。そんなとき、出会ったのが障がい者アートでした。
不純物ばかりの世界で「純粋」を見せてくれる
仲西
「これは、勝負できる」、とゾクゾクしましたね。僕たちは美大出身なので、アートをロジックとして理解しています。自分たちも実際に作ってきたし、数多くの作品も観てきました。
「この色にはこれ」「今はこれが流行」といった型や知識がインプットされています。そういった過去の積み重ねが、障がい者アートの世界だとまるでお呼びでないんですよ。
障がい者アートは本当に自由です。アーティストたちは売ろうと思って作っておらず、「この色が、かたちが好きだから」という純粋な気持ちで作品と向き合っています。
他人からの「いいね」を求めて作品が作られ、誰かが「いいね」と言った作品に「いいね」が集まる現代社会の不純な風潮を、障がい者アートは覆します。
愚直なほどの力強さと純粋さに、僕たちはやられました。本来のアートってこれだ、と。
お金儲けも他者からどう見られるかも、まるで関係なしに成立しているのが障がい者アートなのですね。
仲西
障がい者アートを観たときの感動の一つは、「みんなそのままで正解だよ」というメッセージを感じ取れることだと思うんです。
インフルエンサーや偉い人の意見が正解と思われがちな世の中ですが、自分で答えを見つける自由が僕たちにはあります。今何が正解か分からず、周りに合わせて辛くなっている人もいるかもしれません。
障がい者アートに触れると、「自分で正解を選べたり、自分が選んだ道を正解にできたりする力を身につけたい」と思えるパワーを貰えると思います。
そういった素晴らしい作品たちにもっとスポットライトが当たってほしいと。
寺門
デザインのプロである僕たちから見ても障がい者アートは非常に価値があるにもかかわらず、残念なことに世間ではまだ価値化されていないのが現状です。
正当な価格がついたり評価されたりする作品は世界を見ても一握りでしょう。障がいの無い人はデザインで食べていけるけど、障がいのある人は食べていけないというのはおかしいなと思います。
仲西
自分の才能をいかした職業に就きたいと思うのは当然なのに、何でその選択肢が障がい者にはないの?と思います。
寺門
だから僕たちは障がい者アーティストたちをプロのイラストレータとして扱い、作品を世に送り出すことで、仕事として成立させます。
僕たちはブランディングが得意なデザイナーなので、自己満足アートに終わらせず、マーケティング視点を取り入れた発信ができます。
デザイン性だけでなく、コンセプトもあるからファンもつくし、福祉事業者側にもメリットがある。
障がい者福祉には、工賃の低さや、差別や偏見、自立の問題など様々な障壁がありますが、障がい者たちが自身の強みをいかして価値を発揮していくことで解決につながると信じています。
仲西
障がい者も十人十色ですから、人によっては重度の障がいがあっても素晴らしい作品が作れるんです。障がい者自身も、支える人たちも可能性を諦めないでほしいです。
僕たちが苦楽を共にしながら伴走するので、信じて進んでほしい。最初は牽引しますが、きちんと自走できるように支えていきます。
ちなみに今はアートを切り口にしていますが、可能性があるならばアートに限らず提供していきたいと思っています。
福祉業界に選択肢を増やすという意味で、色々な面白いことをするためにアイデアを出していくので、今後も引き続き篠原さんにサポートをいただきたいですね。
篠原さんの仲間作りが進めば、日本の福祉が明るくなる
篠原さんとの協業で、GripGrapの事業もさらにパワーアップしそうですね。
寺門
僕たちは篠原さんがいないと事業所立ち上げの企画を進められないし、篠原さんも僕らと連携することで前向きなクライアントと一緒に明るい福祉を作っていける。
お互いの強みを生かし合える貴重なパートナーと巡り会えて非常に嬉しいです。
仲西
寺門
行政書士というと真面目でお堅いイメージでしたが、篠原さんは底抜けに明るくて前向きです。篠原さんと仕事をしていると、複雑で退屈だと思っていた作業系の手続きが楽しくなるから不思議です。
そんな篠原さんに今後期待することを教えてください。
仲西
福祉業界は競合という概念が薄く、皆で手を取り合って事業を広げていく側面が強いという特徴があります。
コミュニティ作りが上手かつ、士業という仕事柄出会いも多い篠原さんには福祉業界を明るくするための多くの仲間作りを期待しています。
寺門
篠原さんを中心とした福祉関係者のコミュニティが大きくなればなるほど、日本の福祉が明るくなると思うので、応援しています。
では、最後に篠原さんを紹介するときのオススメポイントを改めて教えていただけますか?
仲西
まずは明るく前向きな人柄と福祉業界を明るくしたいという高い志。行政との仕事は煩雑で暗くなることが多いので、篠原さんの明るさは貴重です。
次に行政書士としての知識の豊富さ。Googleで検索して何分かかかるところを篠原さんは即答できるくらい自治体の地域ルールまで熟知しています。
寺門
即答できるうえに、現場目線での回答なので、より信頼性が高まります。
行政書士は色々なジャンルを扱うタイプが多いと思いますが、篠原さんは障害福祉サービス事業指定申請手続きの専門家という稀有な人なので、希少価値が高いです(笑)。
福祉を良くしたいと思う方は、ぜひ篠原さんと繋がってほしいと思います。
◎法人概要
合同会社GripGrap(グリップグラップ)
https://www.gripgrap.net/
代表者:CEO 仲西亮平、取締役:COO 寺門誠
創業:2018年8月24日
所在地:〒110-0004 東京都台東区下谷1-11-15 ソレイユ入谷2F reboot内
運営:ソーシャルデザインブランド『NODD』 https://www.nodd.jp/