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H.I.F.株式会社

https://www.hifcorp.co.jp/

〒160-0023東京都新宿区西新宿6-21-1 アイタウン・プラザ2F

03-6872-1171

存在意義ベースの新しい経営のあり方とは?ひとり親家庭のためのベーシックインカムが事業の目的~H.I.F.東小薗CEOに聞く

ステークホルダーVOICE 経営インタビュー
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資本主義が生み出した、大きな負の産物の一つである格差社会。そのインパクトをもっとも受けるのが、ひとり親家庭に生まれた子供たちだ。厚生労働省によるとひとり親家庭は140万世帯以上あるとされる。特に母子家庭は収入面で、一般世帯平均の半分程度しかなく、子供に対する教育資金が捻出できない。これによりひとり親家庭の子供が、将来中核的な役割が担える仕事に付けず、貧困の連鎖を生み出しているという指摘もある。もちろん国も手を拱いているわけではなく様々な支援制度を打ち出してはいる。

しかし、これらは周知されてないとH.I.F.株式会社の東小薗光輝氏は指摘する。同社の事業目的は営利ではなくひとり親家庭の支援にある。東小薗氏自身もひとり親家庭に育ち、格差に苦しんだ経験から、ひとり親家庭を助けるため自ら起業をして資金を作ろうと、2016年、H.I.S.の次世代経営者養成機関「澤田経営道場」の門を叩いた。

今回、こういった経緯を経て立ち上げたH.I.F.が実施するベーシックインカムについて話を伺った。

 

事業はひとり親を支援するための手段

-まずは事業内容をお聞かせください

当社は、BaaS(Banking as a Service)プラットフォームの開発により、まずは自社で決済代行や、売掛保証サービス等の事業を展開しています。このプラットフォームは与信情報を中核として成り立っており、今後は異業種に提供して、金融機関でなくても金融事業が展開できるように支援していきます。

先述の決済代行サービスは、まず法人のお客様から請求データをいただいて、我々が代わりに請求先に売上代金を請求するとともに、お客様には請求金額から手数料を差し引いて代金をお支払いするというサービスです。企業にとっては、我々のような決済代行業者が入ることで相手方から確実に請求した金額とほぼ同額を支払ってもらうことができ、未回収リスクがゼロになるというメリットがあります。

また、売掛保証サービスは、企業が商品を販売し、売掛金が発生した時、我々が保険のような形で売掛金を保証するというものです。たとえば大手企業が中小零細企業と取引するとき、与信の問題で取引できないことが多々ありますが、我々が保証することで与信のリスクがなくなり、取引が可能になります。

中小企業金融のあるべき姿としては、決済代行や売掛保証だけでなく預金、融資、為替、保険といった金融事業者の業態別にではなく、顧客基点でワンストップで受けられるようになることです。そこで、クライアントにもっとも近い業態がワンストップで各種金融サービスを提供できるようになることが好ましいのです。この時、金融仲介の手数料コストの計算の元となる与信情報が重要で、我々がそれを含めて、プラットフォームを提供していこうという戦略です。

 

月額1万円給付のひとり親世帯向けベーシックインカム「H.I.F.ベーシックインカム」とは?

-金融プラットフォームサービスには非常に可能性を感じますが、ご説明の金融事業の中で今回のひとり親支援支援はどのように関係づけられるのでしょうか

事業にはまったく紐づきません。なぜなら、ひとり親の支援が我々の企業の存在意義であって、このために事業をやっているということだからです。

-ひとり親世帯向けベーシックインカムとはどのようなものですか?

私もひとり親家庭に生まれ育ってきました。最も悔しかった経験のひとつは家庭の事情で月8,000円の月謝が払えなくなり、塾を断念せざるを得えなくなったことです。これが原体験として心の奥底に残っており、今回の月額1万円の給付に繋がっていきます。現状の制度は資金使途を教育に限定するわけではありませんが、ひとり親世帯の子どもたちが少しでも将来のための活動ができるよう、返還不要の資金提供をしたいと考えます。特に今回は初めてということもあり、30世帯を対象に実施します。

-ベーシックインカムの発想はどこから生まれてきたのでしょうか?

4年前、北欧にベーシックインカムの制度があることを知りました。これをもとに設計しました。私がこのベーシックインカムによって解決したいのは、この中でも特に、子供たちの金融リテラシーの低さです。我々は子供のころからお金についての教育を十分に受けていません。お金と言うと、何か疚しいものという意識がどこかにあり、学校教育の場からは疎んぜられてきているのです。この背景には、日本の武士道精神があります。武士は食わねど高楊枝という言葉もありますようにお金の話をするのは、武士の精神に反するというわけですね。

お金の話に疎いということは、例えばiDeCoや、ふるさと納税のようなメリットのある仕組みがあったとしても、知らないから利用できないということになります。(実際にiDeCoがなんであるか正確に説明できる人は少ないです。)ひとり親の金銭面での支援制度も実はたくさんありますが、知らないので利用できていない。

また、お金は預金だけするだけでなく、借りたり、投資を受けたり色々な活用方法があり、知っていることによって可能性が広がることを知ってもらいたい。リテラシーのなさが貧富の格差を助長していることに大きく関係しているため、我々はこの金融リテラシー不足の問題を解決したいと強く思っています。

-制度の概要はどうなっていますか?

ベーシックインカムは月額1万円(年額12万円)を給付します。ベーシックインカム対象期間はお子様が、小学生~高校生の間(高校卒業年の3月まで)としています。応募資格は、ひとり親家庭で、日本国籍を持っていて、日本在住の方。当然に、経済的な支援を必要とする方に限ります。

-応募受付や運用方法を教えてください。

一次選考、二次選考を経て決定します。一次選考は、書類選考で2020年3月10日(火)開始していて2020年4月30日(木)まで行っています。二次選考ではプレゼンテーショ2020年5月8日(金)からで、プレゼンをしていただきます。

また、更新時には再度面談があり、ベーシックインカムによって何ができたかを報告いただくことになります。(東京23区以外に在住の方はビデオ通話)これにより継続の決定を行います。さらに具体的には、当社ホームページを参照ください。

https://www.hifcorp.co.jp/https://community.fimple.jp/hifbasicincome/

 

将来の展望は?

-このベーシックインカムの今後の展開についてお聞かせください

まずは、給付対象者を地道に増やして行くということになりますが、我々の給付だけでなく、国や自治体の支援制度は多くあり、それらを行き渡らせるために、近々ひとり親家庭の支援情報サイトを立ち上げる予定です。

ベーシックインカムの給付対象者をどこまで増やすかということについては、理想を言えば全世帯いうことになります。そのため我々は資金を賄うため営利事業を営んでおり、IPOをするのもそのためです。経済にインパクトをもたらすほどの大きな事業にしていかないと、十分な給付金の原資が捻出できません。

また、IPO後には金融リテラシーを学べる教育機関を設立します。すでにある学校法人に寄付金を投ずる方法も検討しています。

-IPO後の配当先として、利益の一定以上割合をひとり親家庭に給付するといったルールを作ることもお考えなのでしょうか?

はい、その通りです。資本主義社会では、貧富の格差が生ずるのは当然であり、その中で何が問題なのかというと、所得の再配分機能なのです。これは、色々利害関係がありすぎて、現状政府もうまく実現できていない。そこで我々のような民間企業が意思を持ってやるしかありません。現在約5億円の資金調達をしていますが、株主の皆様にはこうった我々の理念に賛同していただき投資をしていただいています。仮に将来的に経営陣の交代があったとしても、我々の会社は世の中になくてはならない所得再配分機能を提供し続ける存在であり続けたいと考えています。まずは、このベーシックインカムで世の中に一石を投じたいですね。

-ありがとうございました。ポスト資本主義の新しい企業の在り方を示されることになりますね。

 

 

<プロフィール>

東小薗光輝(ひがしこその みつてる)

CEO  プライマリー・プライベートバンカー

2011年 H.I.S.入社

2016年 澤田経営道場2期生となる

2018年 H.I.S.Impact Finance設立

H.I.S. Impact Finance株式会社代表となる

2020年2月 MBOによりH.I.F.株式会社代表となる

 

H.I.F.株式会社(旧社名:H.I.S.Impact Finance株式会社)

H.I.F.株式会社

住所: 〒160-0023

東京都新宿区西新宿6-21-1 アイタウン・プラザ2F

代表者: 代表取締役 東小薗光輝

設立: 2017年11月

資本金: 522,500,000円(資本準備金含む)

事業内容: 情報通信業・銀行代理業・信用保証業・決済代行業

許可番号: 関東財務局長(銀行代理業)第353号社名: H.I.F.株式会社(旧社名:H.I.S.Impact Finance株式会社)

 

顧問弁護士:田島・寺西法律事務所 寺西 章悟

田辺総合法律事務所 海老沼 英次

主要株主(順不同):

東小薗 光輝

株式会社エイチ・アイ・エス

イー・ギャランティ・インベストメント株式会社

GMOあおぞらネット銀行株式会社

有限会社秀インター

 

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