
北海道警苫小牧署は1月21日、知人男性に暴行を加えたとして、暴行の疑いで苫小牧市の会社員、佐々木龍生容疑者(31)を逮捕した。 本誌が20日に報じた、塗装会社「株式会社龍興」での「顔面蹴り動画」拡散からわずか数日。SNSでの炎上と市民からの通報が、警察を動かす決定打となった。
「指導」ではなく「犯罪」
逮捕容疑は2025年8月頃、苫小牧市内の路上で、同市内に住む土木作業員の男性(30)に対し、顔や尻を足で蹴るなどの暴行を加えた疑い。 警察によると、SNSで拡散された動画を見た匿名の男性から「男が暴力を振るっている」と通報があり捜査が開始された。
佐々木容疑者は調べに対し「私が暴力を振るったことに間違いありません」と容疑を認めている。
逮捕時は「会社員」…社長交代の裏側
佐々木容疑者はこれまで「株式会社龍興」の代表取締役を務め、「社員17名との強固な絆」をメディアで語っていた人物だ。しかし、今回の暴行動画が拡散した後、登記上の代表は親族とみられる人物に変更されており、逮捕時の肩書きは「会社員」と報じられた。
前回の記事で指摘した「1年で社員数が17名から7名(社会保険適用者数)に激減」というデータが示す通り、社内では日常的に暴力やパワハラが横行し、人が定着しない環境だった可能性が濃厚となった。
「嘘つきはクビ」インスタで独自の論理
逮捕前、佐々木容疑者のものとみられるInstagramには、暴力行為を正当化するかのような投稿が残されていた。ストーリーズには「息を吐くように嘘つく奴らもう何人も見てきてる」「嘘つきは共通して物盗む」「殴られれば被害者面」などと記され、従業員を「嘘つき」「泥棒」と断じた上で制裁を加えていたことを示唆している。
「もう叩かない疲れるから。クビにするだけだ」という言葉とは裏腹に、実際には警察沙汰になるほどの暴行が行われていた。
「猫虐待への制裁」情報も浮上
一方で、ネット上では容疑者を擁護する関係者と思しき人たちからの情報も錯綜している。著名インフルエンサーZ李氏の投稿に対し、関係者を名乗る人物から「被害者が猫に石をぶつけるなどの虐待をし、猫が行方不明になったため(佐々木容疑者が)激怒した」との書き込みがあった。
また、「大型犬を飼っており、(佐々木容疑者は)本来は面倒見が良い人」とする証言も出ている。coki編集部にも、被害者は従業員ではないことや被害者に落ち度があり制裁を与えているという内容や、いやいや暴行の被害者は近しい関係先であったという内情を伝えるメールが複数届いている。
警察は、動画に映る被害者が他にも複数いる可能性も含め、余罪や動機について慎重に捜査を進めている。
皮肉にも「ブラック企業」として全国に名を知られることとなった龍興。どれだけ巧みに言い訳を「上塗り」しても、暴行の事実という「下地」は隠せなかったようだ。いくら地元の近しい人のなかではいい人と言われようが、拡散された動画での剥き出しの暴力性は誰の目にも強烈に映るものであり、いい人というよりは単に不良さんのおっかない人という感じでしかない。
警察の捜査によってメッキが完全に剥がれ落ちた今、彼に必要なのは経営の建て直しではなく、まず自分自身の心の汚れを落とす作業だろう。



