ログイン
ログイン
会員登録
会員登録
お問合せ
お問合せ
MENU

法人のサステナビリティ情報を紹介するWEBメディア coki

水色リュックが街から消える!Wolt撤退で露呈したウーバー一強の幻想と、デリバリー業界「終わりの始まり」

コラム&ニュース ニュース
リンクをコピー
WOLT撤退

2020年春のコロナ禍、広島での鳴り物入りの上陸から約6年。日本の街角ですっかりおなじみとなっていた「水色のリュック」が、ついに姿を消すことになった。

 

フードデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」が、2026年3月4日をもって日本でのサービスを終了すると発表。親会社である米DoorDash(ドアダッシュ)は日本だけでなく、シンガポールやカタールなどからの撤退も表明しており、グローバル規模での“事業の選択と集中”に踏み切った形だ。

Wolt Japan株式会社の第6期決算公告(2024年12月期)を見ると、利益剰余金こそ2億7400万円を計上しているものの、当期の純利益は「1億4400万円の赤字」。撤退の裏には、国内で繰り広げられた“底なしの消耗戦”の限界があった。

ITジャーナリストの山口健太氏は、今回の撤退劇の背景をSNSでこう読み解く。

「北欧発のWoltは2022年に米国最大手のDoorDashに買収された後も、日本などではブランドを残す選択をしていました。しかし、国内ではUber Eatsや出前館、KDDIと組んだmenuがひしめき、さらに新興勢力の勢いも増しています。今後の競争激化が予想される中で、これ以上の投資は困難という判断でしょう。DoorDashとしては、デリバリー事業の成長が見込める米国など、稼げる地域に集中したいという狙いが感じられます」

 

「サポートは一番神だったのに…」愛用者からの悲鳴

圧倒的なシェアを誇るウーバーイーツに出前館が続くという2強の壁は厚く、情報社会学に詳しい学習院大学非常勤講師の塚越健司氏も「Woltも一時期は広告を多く見かけましたが、この2強に立ち向かうのは体力的に厳しいと判断したと思われます」と分析する。

しかし、その独自色を愛していたユーザーからは、突然の撤退発表に悲鳴が上がっている。SNSではこんな落胆の声が相次いだ。

「ウーバーにはない地元の美味しい個人店がたくさん入っていて重宝していたのに…本当にショック」 「商品がこぼれていた時など、トラブル時のチャットサポートはWoltが一番丁寧で神対応だった。撤退は痛すぎる」 「水色の可愛いウェアやアプリのUIが好きだった。もう街で見かけなくなるのは寂しい」

 

ユーザーに寄り添う北欧発ならではのホスピタリティが支持されていた一方で、「フードパンダもWoltも撤退して、やはり日本は先に市場を制した人が勝つのか」と冷めた声や、「GoogleMapに偽のサンプル写真を貼りまくってたのでザマァ」といった一部の辛辣な意見も散見され、ネット上の反応は悲喜こもごもだ。

さらに深刻なのは、日夜街を奔走する配達員たちだ。SNSでは「Uber Eats一強になったら余計単価下がるな。1km単価100円を割らない様に法規制してほしい」と、プラットフォームの寡占化による報酬下落を危惧する悲痛な声が上がっている。

 

新たな“黒船”襲来も、飲食店には「地獄」の構造?

ウーバーイーツの独壇場になるかと思いきや、事態はそう単純ではない。外食ビジネスアナリストの三輪大輔氏は、フードデリバリー市場全体がすでに限界を迎えつつあるとSNSで警鐘を鳴らす。

「国内市場はすでに成熟局面に入り、採算性の確保が難しくなっています。『出前館』は依然として収益面の課題を抱えて赤字が続き、『Uber』はフードよりも配車事業を主軸に据える戦略を鮮明にしています」(三輪氏)

 

そんな中、新たな火種となっているのが、韓国EC大手Coupangの完全子会社が2025年4月に都内でスタートさせた新アプリ「Rocket Now(ロケットナウ)」だ。「配達料・サービス料無料」という大盤振る舞いで猛追しているが、識者の見方は厳しい。

塚越氏が「昨今はロケットナウの広告をよく見かけますが、2強に立ち向かうのはなかなかの高いハードル」と分析するように、プロモーション効果には疑問符がつく。さらに三輪氏は、そのビジネスモデルの「闇」を指摘する。

「ロケットナウのように利用者側の負担をゼロにするモデルは、その分、飲食店側から高い手数料を徴収する構造であり、店舗側の利益圧迫は避けられません。一方で、マクドナルドやスターバックスのような大手チェーンはすでに自社デリバリーを強化しており、プラットフォームに依存するメリットは以前ほど大きくなくなっているのです」

 

フードパンダ、Chompy、そしてWolt……。“屍の山”を築きながら進む日本のフードデリバリー戦争。プラットフォームにとっても、飲食店にとっても、「持続可能なビジネスモデルをどう築くかが次の論点になる」(三輪氏)。

熱烈なファンを抱えながらも散った水色リュックの撤退は、終わりなき消耗戦の限界を示す、デリバリー業界崩壊の足音なのかもしれない。

Tags

ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

関連記事

タグ

To Top