
講談社「ヤングマガジン」編集部は12月22日、人気漫画『満州アヘンスクワッド』の作画を担当する漫画家の鹿子(しかこ)さんが、2025年11月8日に死去していたことを公表した。37歳だった。
死因は脈絡膜悪性黒色腫と発表されている。
生前の遺志により物語は完結へ
同作の公式X(旧Twitter)および本誌の発表によると、鹿子さんは生前、「自分の身に何かあった場合は代筆の方を立てて物語を完結させてほしい」という言葉を編集部に託していたという。
この遺志を受け、編集部は「鹿子先生の想いを継ぎ『満州アヘンスクワッド』を完結まで導いていく所存です」とコメント。代筆者(作画担当)については現在未定であり、決定次第、誌面および公式SNS等で告知される。
原作者・門馬司氏も追悼
原作者としてタッグを組んでいた門馬司氏は、訃報に際し長文のコメントを寄せた。 「もう鹿子先生の描く世界を見られない」と深い喪失感を吐露しつつ、「当初は戦友のような関係だったが、闘病が深刻な状態でありながらも作品の先のことばかりを考え、心配して下さっていた姿にはよく愛を感じていました」と、最期まで作品に向き合い続けた鹿子さんの姿勢を讃えた。
SNSでは「早すぎる」「無念だったろう」と惜しむ声
人気絶頂の中での突然の訃報を受け、SNS上では読者からの悲しみと動揺の声が広がっている。
物語が大きな盛り上がりを見せている最中での死去に、「最高に盛り上がっている今この時に……」「どんなに無念だったろうか」と、志半ばで逝った鹿子さんの心中を察するコメントが多く寄せられた。 また、同様に連載中に急逝した『バチバチ』の佐藤タカヒロ氏を想起する声もあり、漫画ファンからは「面白い漫画をありがとうございました」「素晴らしい画力に引き込まれていました」と、その功績を称え感謝する投稿が相次いでいる。
一方で、作品の完結を望んだ鹿子さんの遺志と、それを引き継ぐ編集部の決断に対しては、「最後まで見届けます」「先生の想いが繋がれていくことを願っています」といった応援のメッセージも多数投稿されている。
『満州アヘンスクワッド』について
同作は2020年4月より「コミックDAYS」にて連載を開始し、2021年9月より「ヤングマガジン」に移籍。満州を舞台にアヘンの密造に手を染めた主人公たちの生き様を描くクライムサスペンスとして、重厚なストーリーと鹿子さんの描く圧倒的な画力で多くの読者を惹きつけていた。
現在、単行本は第22巻まで発売されており、物語が佳境を迎える中での早すぎる別れとなった。葬儀は関係者のみですでに執り行われたという。



