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美容機器“MTG”が過去最高益988億円 リファ銀座旗艦店と新ブランドで「1兆円ブランド」構想が始動

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美容機器“MTG”が過去最高益988億円 リファ銀座旗艦店と新ブランドで「1兆円ブランド」構想が始動
Refa Instagramより

美容機器メーカーのMTGが、2025年9月期決算で過去最高益を達成した。
主力ブランド「リファ(ReFa)」の躍進と、銀座に開業する史上最大の旗艦店が“1兆円ブランド構想”を現実のものにしようとしている。

 

MTG、業績が過去最高を更新 リファが42%増で好調

MTGは2025年9月期、売上高988億円(前年同期比37.5%増)、営業利益106億円(同225.4%増)、純利益79億円(同248%増)と、いずれも過去最高を記録した(FASHIONSNAPによると)。
中でも主力ブランド「リファ(ReFa)」が業績を牽引し、売上高は728億円(同42%増)に達した。

ヒットの原動力となったのは、ヘアケア分野での新製品群だ。
「リファパワーストレートアイロン プロ」や「リファストレートロック」が発売直後から完売を繰り返し、SNS上では「#リファ買えない」が拡散。
TikTokショップの販売動画が若年層の心をつかみ、デジタル世代の新規顧客層を急拡大させた。

決算発表を受けて株式市場も反応し、MTG株は一時前日比7%高を記録。
美容機器メーカーとしては異例の急伸で、市場から“第二の成長銘柄”として注目を集めている。

銀座に新たな光、「リファ ギンザ」が開業へ

11月15日、東京・銀座にリファ史上最大の旗艦店「リファ ギンザ(ReFa GINZA)」がオープンする。
地下1階から地上4階までの5フロアで構成され、総面積は約1,400㎡。
店内中央には太陽を模した球体スフィアが浮かび、白とガラスが織りなす光の空間が広がる。

デザインを手がけたのは、ルイ・ヴィトンやカルティエなどを手がけたキュリオシティのグエナエル・ニコラ氏。
「円形の動線で、どこを歩いても光に導かれるよう設計した」と語る。
松下剛社長は「前店『ビューティーコネクション銀座』はブランドを伝えきれなかった。今回は“リファだけ”の世界を体現する」と強調した(WWDJAPAN.comによると)。

銀座エリアでは近年、ハイブランド各社が“体験型店舗”を次々と展開している。
その流れの中で、リファ ギンザは「日本発ブランドとして世界ラグジュアリー市場に挑む新拠点」として注目される存在となる。

新ライン「リファハート」「リファオーセンテック」が始動

 

MTGは旗艦店オープンと同時に、新たなブランドラインを相次いで立ち上げる。
「リファハート(ReFa HEART)」は“愛があふれて美しくなる喜び”をテーマに、ハートモチーフのヘアブラシやコスメを展開。
また、「リファオーセンテック(ReFa AUTHENTECH)」は“原初の記憶”をテーマに、太古の椿に着想を得たフレグランスやキャンドルなどを展開する。

これらの新ラインは、従来の“美容機器”の枠を超え、ライフスタイル全体に美を広げる試みだ。
同社は機能性から感性へ――「モノを売る企業」から「美の体験を提供する企業」への転換を鮮明にしている。

SNSで広がる“リファ現象” 人気と距離感のあいだで

X(旧Twitter)やInstagramでは、「銀座のリファ店が美術館のよう」「新作ブラシが買えない」といった投稿が相次ぐ。
一方で、「高価格化が進み手が届かない」「ブランドが遠くなった」との声もある。

リファが“憧れの象徴”として確立するほどに、ファンとの距離感が生まれる。
しかし、その距離こそがラグジュアリーブランドとしての価値を際立たせる。
MTGにとっては、共感と希少性をどう両立させるか――それが次なる課題となる。

「1兆円ブランド構想」の行方 日本企業の新しい挑戦

MTGは2026年9月期に、売上高1200億円、営業利益130億円を計画。
新商品300アイテムを導入し、売上構成の60%を新商品で構成する見込みだ。
松下社長は「美は技術ではなく体験。銀座から世界へ、“美しくなる時間”を届けたい」と語る。

同社の挑戦は、一企業の成長戦略を超えている。
ものづくり国家・日本が「機能」から「体験」へとシフトする象徴として、MTGの動きは注目される。
資生堂や無印良品に続き、リファは“日本発の世界ブランド”として新しい波を起こそうとしている。

銀座の夜、スフィアの光が照らす店内に、未来の日本ブランドの姿が映っていた。
1兆円という数字の先にあるのは、“美と経済をつなぐ新しい日本のかたち”である。

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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