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アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏がイタリアのベネチアで約70億円の超豪華結婚式 市民からは抗議の声も

コラム&ニュース ニュース
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サン・ジョルジョ・マッジョーレ島
pixabayより

アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏がイタリア・ベネチアで約70億円規模の結婚式を開催。豪華ゲストが集う中、地元では環境悪化や富の誇示に対する抗議が広がっている。

 

世界の注目集めた「世紀の結婚式」

アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏(61)と元ニュースキャスターのローレン・サンチェス氏(55)の結婚式が、2025年6月26日から28日にかけてイタリア・ベネチアで開催された。

3日間に及ぶこのイベントには、ハリウッドセレブや財界・政界の著名人、王室関係者ら200人以上が招かれ、総費用は約70〜80億円に上ると推定されている。報道各社は「世紀の結婚式」「今年最大の豪華婚」として大きく報じた。

出席者には、ビル・ゲイツ氏、レオナルド・ディカプリオ氏、イバンカ・トランプ氏夫妻らが名を連ね、華やかな水上タクシーで到着する姿が“水上レッドカーペット”として世界の注目を集めた。

イベントの企画・運営は、かつて俳優ジョージ・クルーニー氏の結婚式を手がけたロンドンのイベント会社「Lanza & Baucina」が担当。地元住民との共生や公共機関への敬意を重視する姿勢を示している。

しかし、祝福と興奮に満ちたこの祝祭の陰で、別の熱量――抗議や懸念の声も静かに広がっていた。

「富の誇示」か「経済効果」か ベネチア市民の複雑な本音

現地市民や環境団体はこの挙式に強く反発した。
ロイターによれば、抗議団体「No Space for Bezos」は「この式典は、外部者による都市の搾取の象徴だ」と語り、サン・マルコ広場での抗議デモやポスター掲示を展開。グリーンピースも「富を見せびらかすのではなく、都市のためにもっと税金を払え」と主張しているようだ。

この抗議を受けて、披露宴会場は市中心部から港湾地区アルセナーレへと急遽変更され、会場の確保には警備強化も伴い、まるで首脳会議のような緊張感がベネチアに走った。

ベネチア市長ルイジ・ブルニャーロ氏は「このイベントは経済効果をもたらす」と擁護する一方で、抗議者たちには「恥ずかしい行為だ」と非難しているようだ。

背景にあるベネチアの“オーバーツーリズム問題”

 

ベネチアは世界的な観光都市だが、近年は「オーバーツーリズム」による疲弊が深刻化している。観光客の数は年間約3000万人。住民の高齢化と空洞化が進み、公共交通やインフラにも負荷がかかっている。

2024年には観光税が導入されたが、それでも効果は限定的。このような中で開催されたベゾス氏の“私的”イベントは、「観光資源をさらに消耗する行為」として、市民感情に火をつけた。

都市政策の専門家は「これは単なるセレブの結婚式ではなく、グローバル資本が都市空間をどう使うかという、現代的な構造問題を映し出している」と指摘する。

結婚式は誰のものか――問われる倫理と公私の境界線

豪華婚の舞台となったのは、ユネスコ世界遺産にも登録されているサン・ジョルジョ・マッジョーレ島の教会。その後の披露宴は歴史的造船所跡「アルセナーレ」へ移されたが、CNNによれば、「複数会場を確保し、デモ隊の妨害を回避した」と報じていた。

また、ベゾス氏が所有する『ワシントン・ポスト』紙も「格差拡大社会における富の誇示」として、この挙式を客観的に批判的に報じている。自己資本2314億ドル(約33兆円)を持つ世界4位の富豪である彼が、なぜこの場所でこの式を選んだのか――その問いは残ったままだ。

都市と富裕層の共存は可能か

今回の結婚式は、単なる有名人のプライベートイベントにとどまらず、観光都市ベネチアが直面する構造的な課題を映し出した鏡でもあった。富の集中と都市の疲弊。華やかさと反発。そして、「結婚式は本来、誰のためのものか」という問いが、祝福と抗議の両側から投げかけられた3日間だったと感じる。

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ライター:

女性向け雑誌にて取材・執筆及び編集に従事。独立後は、ライフスタイルやファッションを中心に、実体験や取材をもとにリアルな視点でトレンドを発信。読者が日々の生活をより豊かに楽しめるような記事を提供し続けていることがモットー。

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