
FIXERは藤田医科大学を運営する藤田学園(愛知県豊明市)と、入院患者の医療内容などを記録した「退院時サマリー」の作成支援システムを共同開発した。FIXERの生成AI「GaiXer(ガイザー)」が、電子カルテから退院時サマリーに必要な情報を自動で抽出し、下書きを作成する。
藤田医科大学病院ではすでに病院全体で本格活用しており、こうした事例は全国でも初めてという。両社は今後、このシステムを全国の医療機関に展開したい考えだ。
生成AIを活用した「退院時サマリー作成支援システム」は、電子カルテに表示された「サマリー生成」ボタンをクリックするだけで入院患者の基本情報・診療記録などから必要なデータを抽出。数秒で退院時サマリーの下書きを作成することができる。下書きは修正することもでき、「取り込み」ボタンをクリックすれば、電子カルテに転記される。これまで10~15分かかっていた書類作成が数回のクリックで完結できるため、医師は患者の診療などにより時間をかけられる。
藤田医科大学病院で今年3月に実施したアンケート調査(医師170名)では、同システムを利用した医師の92%が「時間短縮、業務改善につながった」と回答。81%が「満足」と答えた。FIXERによると、同大学病院での導入後3か月の累計短縮時間は約1000時間に達した。