
ここ数日、SNS上で「ぜのリンチ事件」と呼ばれる暴行事件の動画が急速に拡散され、ネット世論を大きく揺るがしている。舞台は大阪市内のカラオケチェーン「まねきねこ」。被害者とされる男性「ぜの」が複数名の若者に取り囲まれ、ライターの火で顔を脅されるなどの暴行を受ける衝撃的な映像が撮影されていた。
動画内で確認されたのは、「酒鬼薔薇」と名乗る男性と、地雷系風の若い女性、そして「加工」とされる人物。彼らは暴行のみならず、ぜのの銀行口座の暗証番号を聞き出すなど、強盗未遂とも受け取れる行為に及んでいたとみられている。
発端は「ぜの」による晒し行為 小池(キャンマジ5番)の秘密を拡散
じじいには登場人物たちの名前が訳が分からず、なかなか頭に入ってこないが、一連の事件はSNS上の“晒し行為”から始まった。この登場人物たちはTIKTOKなどで配信者としてそれなりに人気な人物たちのようだ。関係者や投稿内容によれば、ある日、ぜのは「キャンマジ5番」を名乗る女性・小池の秘密や私生活に関わる情報をSNSや配信で公開。これにより、小池は精神的に追い詰められ、自殺配信(未遂)に至ったとされる。
数日後の2025年5月中旬、大阪・ミナミにあるカラオケ店「まねきねこ」に、ぜの、小池(キャンマジ5番)、酒鬼薔薇、加工、れせあ、タコスらが集まった。いわゆる“直接対面”が実現した場で、事態は暴力沙汰へと発展する。
カラオケ個室で30分にわたるリンチ ライターで目を脅迫、金銭強要も
動画によれば、ぜのが酒鬼薔薇に対して挑発的な言葉を投げかけたことが引き金となり、両者は口論に発展。直後、酒鬼薔薇が激昂し、ぜのに対して約30分にわたる暴行を加えた。

特に注目されたのは、火のついたライターをぜのの目に近づけ、「暗証番号を間違った瞬間、目を潰す」と脅す場面である。同行していた仲間たちには、ぜのの口座から現金10万円を引き出すよう指示していたとされ、暴行と同時に金銭の強要も行われていた疑いがある。また、一連の暴行中、キャンマジ5番は、「もっとやれ」と暴行を煽る様子が動画には映っている。タコスは暴行を止めている模様。
この場面は、単なる暴行ではなく、強盗・脅迫の証拠ともなり得る映像として、ネット上で大きな波紋を呼んでいる。
警察に被害届提出も、酒鬼薔薇と加工は逃走中の模様
ぜのは事件後、大阪府警に被害届を提出。現在、警察が捜査に着手していると見られるが、報道時点では、酒鬼薔薇や加工の逮捕は確認されていない。複数の目撃証言やネット上の情報から、両名は逃走中である可能性が高い。
一方、ぜのについては、過去に未成年女性への脅迫や高圧的な言動を繰り返していたという未確認情報 の噂も飛び交っており、ネット上では「自業自得」「私刑は正義か」という賛否両論が巻き起こっている。
SNSで噴出する「賛否」 加害者も“インフルエンサー”だったという現実
本件がここまで大きな話題となった背景には、登場人物たちが一部の若者コミュニティでは既に“知られた存在”であったことがある。特に、今回共謀が指摘されている小池(通称:キャンマジ5番)は、TikTokなどを中心に地雷系キャラとして一定の認知を得ていたとされ、投稿やライブ配信を通じてフォロワーを持っていた人物だった。
事件後、小池自身が「今の私なにツイートしてもキレられる説」とSNS(X)に投稿するなど、ネット上の反応を意識した発信を継続している様子もうかがえる。
また、被害者であるぜのについても、過去の言動に対して否定的な声が寄せられている。アカウント「藤川メルトダウン(@Melt_Fuji)」は、以下のような内容を投稿している。
「ガキを恐喝し家に人を送り込むぞと脅しまくって女子中学生を自殺未遂させ、他人がリンチされてる動画を嬉々として晒していた。リアルでも“俺より下だろ”“全部奢れよ”とイキって喧嘩を売っていた男が、逆にボコボコにされる話。これどこに同情要素あるん?」
このように、「ぜの自身にも問題があったのではないか」との指摘が複数見受けられるが、これをもって暴行・脅迫の正当化とするわけにはいかない。SNS上でも「陰キャが半グレごっこかよ」「強盗の証拠動画になっちまってる」「最低でも5年は赤落ち(懲役刑)だろ」など、加害行為への厳しい批判も同時に噴出している。
れせあはなぜ動画を拡散?
また、動画の拡散経路をめぐっても不可解な点が指摘されている。とりわけ、「れせあと酒鬼薔薇は仲が良かったのに、なぜれせあがこの動画をアップしたのか理解できない」「デメリットしかないのに、酒鬼薔薇が自分でこの動画を拡散しているのは何のためなのか」など、内部関係者間の意図に疑問を投げかける声もある。
SNS上のこうした声は、単なる“野次馬的興味”にとどまらず、現代の若者文化における「承認欲求」「可視化された暴力」「仲間内の暴走」といった複雑な要素が交錯する構図を浮き彫りにしている。
SNS社会における“吊し上げ”構造と観る側の責任
この事件は、現代のSNS社会に潜む「可視化された暴力」の危うさを改めて浮き彫りにした。誰もがカメラを持ち、誰もが晒せる時代において、制裁行為は容易に“コンテンツ化”され、善悪の判断を超えて大量消費される。
たとえ被害者側に過去の問題があったとしても、それを理由にライターで顔を焼くような行為を正当化することはできない。ネットによって暴かれ、晒されることで、暴力の連鎖が社会の一部として常態化している現実に、私たちはどう向き合うべきか。
現在、事件の全容解明には捜査機関の対応が待たれるが、それ以前に、“観る側”として加害の構造に加担していないかという問いが突きつけられている。
それにしても登場人物が証拠を自ら晒したり、全員アホばっかりで日本の未来を思うと、嘆きたくなるな。いつの日か更生して、がんばるんやで。