
女子サッカーの強豪・十文字高校で、部員への人格否定発言が問題となり、50代の監督が解任された。過去にも不適切行為で処分歴があり、学校法人は再発防止策に取り組む方針だ。
十文字高校、部員への暴言問題で監督を解任
東京都豊島区にある女子サッカーの名門・十文字高校で、監督による部員への不適切な発言が発覚し、学校法人は当該監督を5月16日付で解任した。関係者の通報を受けて学校が調査を実施したところ、監督自身も「行き過ぎた指導だった」と認めたという。
発言内容には「バカ」「おまえはだめだ」といった人格を否定する言葉が含まれており、生徒や保護者に対しては翌17日に説明が行われた。学校は事態を重く受け止め、日本サッカー協会(JFA)などにも報告した。
2018年にも不適切行為で処分歴
問題の監督は2018年にも不適切な行為で処分を受けていた経緯があり、再発とみなされた今回の事態に対して、横尾康治校長も厳重注意処分となったようだ。今後は、職員を対象にしたハラスメント研修や定期的な面談の実施を通じて、再発防止に努めるとしている。
全国大会常連の名門・十文字高校女子サッカー部
十文字高校サッカー部は、全国的にも知られる女子サッカーの名門だ。2016年には「全日本高等学校女子サッカー選手権大会」で優勝を果たし、2022年と2023年には2年連続で準優勝という輝かしい成績を収めた。また、2019年の「全国高等学校総合体育大会(インターハイ)」でも全国制覇を達成しており、2022年には同大会でも準優勝に輝いている。さらに、2022年に開催された「JFA U-18女子サッカーファイナルズ」でも準優勝という実績を残すなど、高校女子サッカー界において常に上位争いを繰り広げてきた。
このように十文字高校は、女子サッカーの技術力の高さと育成力の両面で他校をリードしてきた存在であり、多くの有望な女子選手が集う強豪校としての地位を築いている。
信頼回復と健全な指導体制の確立が急務
今回の問題は、名門校の信頼を大きく損なう結果となった。指導者の発言が選手に与える影響は大きく、今後は健全な指導体制の再構築と、再発防止への具体的な取り組みが求められる。学校側は「選手たちが安心して競技に打ち込める環境づくりに努めていく」としている。