
老舗食品大手のマルハニチロは3月24日、2026年3月1日付で社名を「ウミオス(Umios)」に変更すると発表した。同社の歴史は古く、1880年創業のマルハと1907年創業の日魯漁業(ニチロ)が2007年に統合されて以来の大規模な変革となる。
新社名「Umios」の由来は、「海(Umi)」に、ステークホルダーや地球との一体感を示す「one」、そして食を通じて社会課題を解決する決意を示す「solutions」の頭文字を組み合わせた造語だ。会社はこの変更を「第三創業」と位置づけ、新たな企業ブランド構築とグローバル市場へのさらなる進出を目指す。
社名変更にSNSで賛否両論――消費者のリアルな声

この大胆な変更に対し、SNSでは多様な意見が交錯している。「長年親しまれた『マルハニチロ』という名前を捨てるのは理解できない」「社名変更にかかるコストを社員や株主に還元すべき」といった厳しい批判が目立つ一方、「若い世代には新しい名前の方が受け入れやすい」「ロシア由来の『ニチロ』という名前を変えたい気持ちも理解できる」という声も少なくない。
さらに、「『Umios』という名前を最初見た時はOSの新バージョンだと思った」「ITベンチャー企業っぽくて食品企業としては違和感が強い」「もっと魚や海を感じる名前の方が馴染みやすい」という意見も多数あり、消費者が感じる違和感や戸惑いが浮き彫りとなっている。
SNSでの声を詳報、でも納得のいく社名とは?
SNS上で多くのユーザーが提案する納得性の高い社名としては、「マルニチ」(マルハとニチロの融合)、「マルハフーズ」(食品企業らしいシンプルなネーミング、同社名で会社は存在しているが)、「オーシャンマルハ」(国際展開を意識しつつ海を前面に出した名前)、「マルニチフード」(歴史的継続性を重視した名称)、「マルハシーフーズ」(海産物の強みを直感的に伝える社名)などが挙げられている。
新長期ビジョンとマーケティング課題
マルハニチロは今回の発表に合わせて、10年後を見据えた長期ビジョンを策定。海外経常利益比率70%以上、投下資本利益率(ROIC)7%以上という高い目標を設定した。また2028年3月期までの中期経営計画では、営業利益400億円、ROIC5%、配当性向30%以上を掲げる。しかし、新たな社名の浸透には相当なマーケティング戦略と費用が必要であり、その効果が注目される。
老舗企業がブランドイメージの刷新を狙う「第三創業」が成功するか、今後の市場の反応を慎重に見守る必要がある。