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今年度採用の長崎市職員が77万円横領し懲戒免職 借金苦で着服

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長崎市の若手職員が、市民から支払われた体育館利用料など約77万円を横領し懲戒免職処分を受けた。職員は「借金返済に充てた」と話しており、すでに全額弁済したという。入庁わずか4カ月で不正行為に走った背景とは何だったのか。事件の詳細や市の再発防止策をまとめた。

 

新人職員が入庁4カ月で横領 77万円を着服し懲戒免職に

長崎市は19日、今年度採用された市民生活部スポーツ振興課の24歳の男性職員が、市民が支払った体育館利用料など約77万円を横領したとして、懲戒免職処分にしたと発表した。職員は「借金返済のために着服した」と供述しており、事件発覚後、警察に自ら出頭し、全額弁済したという。

市は管理体制の不備も認め、上司である課長と係長の2名を戒告処分とした。市は再発防止のため、決裁時に窓口での収納額を確認する新たな体制を導入する方針を示した。

横領の手口と発覚の経緯

長崎市によると、この男性職員は2023年4月に市民生活部スポーツ振興課に配属され、経理業務を担当していた。横領が始まったのはそのわずか4カ月後の2023年8月からで、2024年2月に発覚するまでの約半年間で34回にわたり、計77万円余りを横領した。

具体的な手口は以下の通りだ。
職員は、市民が窓口で支払った体育館利用料の「納入書」と、そこに記載された現金を同時に抜き取る方法で着服していた。通常、窓口での収納額は記録されるが、銀行への入金額と照合が行われていなかったため、職員の不正は見過ごされていた。

2月4日、別の職員が「前日に作成した納入書の枚数が足りない」と異変に気づき、上司に報告。その後の調査で、職員が入庁した4月から34日分の収納金が着服されていたことが判明したという。

「借金返済のために…」職員の供述と事件後の対応

職員は市の調査に対し、「借金返済のために横領した」と話しており、発覚3日後の2月7日に長崎警察署へ自ら出頭し、全額を弁済したという。現在、警察による捜査が進められている。

長崎市は、事件を受けて当該職員を懲戒免職としたほか、監督責任として所属の課長(55歳)と係長(52歳)を戒告処分とした。また、担当部長には文書訓告を行った。

市の管理体制の不備が招いた事態

今回の事件では、市の管理体制の不備が横領を見逃す要因となった。市はこれまで、窓口での収納額と銀行振込額の照合を行っておらず、「納入書」が提出されていれば問題ないと判断していた。

市の総務部長である水蘆崇(みずあし たかし)氏は、「組織として適正な管理・確認を行っていれば防ぐことができた事案だった。誠に申し訳ありません」と謝罪。今後は、決裁時に窓口での収納額を確認する体制を導入し、再発防止に努めるとした。

「人生をかけて償いたい」元職員の言葉

横領を行った元職員は、市の調査に対し「自分自身への信頼も失うことになってしまった。今後の人生をかけて償い、まっとうな人間になりたい」と話しているという。

市の信頼回復に向けた課題

今回の事件は、市民の信頼を損なう重大な問題となった。市が管理する体育館などの利用料は、市民が日常的に支払う身近な料金であり、行政への信頼を揺るがした点は重い。

長崎市は2024年度だけで10件の懲戒処分が発生しており、現金管理の不備が再び指摘される事態となった。今後、より厳格な管理体制の構築と、職員一人ひとりの意識改革が求められる。

市の担当者は「二度と同じような事態が発生しないよう、全職員に対する綱紀粛正の意識徹底を図る」と述べ、市民への信頼回復に向けた取り組みを強化する方針を示した。

まとめ

今回の事件は、入庁わずか4カ月の新人職員が、借金返済のために不正行為に手を染め、結果的に懲戒免職となるに至った。背景には、現金管理のずさんさがあり、市の管理体制の見直しは避けられない。市民の信頼回復のためには、再発防止策の確実な実行とともに、職員一人ひとりの意識改革が不可欠だ。

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ライター:

新聞社・雑誌の記者および編集者を経て現在は現在はフリーライターとして、多方面で活動を展開。 新聞社で培った経験をもとに、時事的な記事執筆を得意とし、多様なテーマを深く掘り下げることを得意とする。

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