
「検索するだけで支援に参加できる」そんな仕組みが多くの人々の共感を呼び、震災から14年が経ったいま、約1050万人が参加する大きな支援の輪が広がった。LINEヤフーが実施した「3.11検索は、チカラになる。」は、参加者の思いを被災地支援につなげ、寄付総額は約5837万円に達した。震災の風化が懸念されるなか、改めて注目を集めたこの取り組みの詳細に迫る。
約5837万円の寄付、約1050万人が参加
LINEヤフーは、2025年3月11日に実施した「3.11検索は、チカラになる。」の結果を3月14日に発表した。参加者は約1050万人にのぼり、LINEヤフーからの寄付総額は上限額の5000万円に達した。また、特設ページを通じた募金などの追加施策により、寄付総額は約5837万円に達した。
「3.11検索は、チカラになる。」は、東日本大震災の発生から14年が経ったいま、防災意識の風化を防ぐとともに、未来の防災行動を促す目的で実施された。2025年3月11日当日、Yahoo!検索やLINEのニュースタブ検索窓で「3.11」と検索するだけで、1人あたり10円がLINEヤフーから被災地支援団体へ寄付される仕組みだ。
参加者は前年の約964万人を上回る約1050万人に達し、多くの人々がこの取り組みに賛同し、被災地支援に貢献した。
「3.11検索は、チカラになる。」の仕組みと目的
「3.11検索は、チカラになる。」は、東日本大震災および能登半島地震・豪雨の被災地支援を目的とした企画。参加者がYahoo!検索やLINEの検索窓で「3.11」と検索すると、1回の検索につき10円が寄付される。参加者に費用の負担はなく、手軽に支援ができることが特徴だ。
この取り組みは2014年から毎年実施されており、年々参加者が増加。2024年には約964万人が参加し、寄付総額は約7917万円に達していた。2025年の取り組みでは、その記録をさらに上回る結果となった。
約5837万円の寄付先は?
LINEヤフーが寄付した約5837万円は、以下の団体に寄付された。これらの団体は、被災者の生活支援や地域復興に取り組んでおり、寄付金はその活動資金として活用される。
東日本大震災の支援団体
- 公益社団法人3.11メモリアルネットワーク
- NPO法人みやっこベース
能登半島地震・豪雨の支援団体
- 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
- 一般社団法人能登復興ネットワーク
- 公益財団法人ほくりくみらい基金
「3.11防災花火」で防災意識を啓発
LINEヤフーは、「3.11検索」以外にも震災の風化防止や防災意識の向上を目的とした活動を展開している。
2025年3月11日夜には、「3.11防災花火」を首都圏3カ所の避難場所で実施。約500発の花火が打ち上げられ、多くの人々が防災意識を高めるきっかけとなった。
「避難場所の設置距離」と「打ち上げ場所から花火が見える距離」は同じ2km以内とされており、自宅から花火が見えた人は、花火の打ち上げ場所が自宅の避難場所のひとつである可能性が高い。このユニークな仕組みは、避難場所の再確認を促すものとして注目された。
「スマホ避難シミュレーション」約97万人が体験
さらにLINEヤフーは、ユーザーが実際の災害時に適切な行動が取れるよう、「スマホ避難シミュレーション<地震編>」を提供。3月1日から3月12日までに約97万人がこのコンテンツを体験した。
本コンテンツは、夫婦が別の場所にいるときに巨大地震が発生するというシナリオのもと、夫と妻それぞれの視点から避難行動を学べる体験型防災コンテンツだ。スマートフォンを使ったシミュレーションは、幅広い世代に利用され、防災意識の向上に寄与した。
「3.11検索」はこれからも続く
「3.11検索は、チカラになる。」は、震災の記憶を風化させないための重要な取り組みだ。東日本大震災の発生から14年が経った今でも、毎年多くの人々が参加し、支援の輪が広がり続けている。
LINEヤフーは、「今後もサービスを通じて震災支援や防災・減災に取り組み、ひとりでも多くの命を守る未来を目指す」としている。
震災の記憶をつなぎ、未来の命を守るために、次回の「3.11検索」でも多くの人々が参加し、その意義がさらに広がることが期待される。
【参照】
・「3.11 これからも、できること。」特設サイト
・「3.11 検索は、チカラになる。」に合計約1050万人が参加 3.11企画を通じて総額約5837万円を東日本大震災および能登半島地震・豪雨の被災地支援に取り組む団体へ寄付(LINEヤフー)