
2025年1月、国内の有効求人倍率が4か月ぶりに上昇し1.26倍となりました。一方、完全失業率は2.5%で横ばいを維持しています。この数字の背後にある要因や、業種別の動向、そして今後の雇用市場の見通しについて詳しく解説します。
1月の雇用データの概要
2025年1月、総務省と厚生労働省が発表した最新の雇用関連指標によれば、完全失業率は季節調整値で2.5%と前月から変わらず、有効求人倍率は1.26倍で前月の1.25倍から0.01ポイント上昇した。この上昇は4か月ぶりのことである。
【2025年1月の主要雇用指標】
指標 | 数値 | 前月比 |
---|---|---|
完全失業率 | 2.5% | ±0.0pt |
有効求人倍率 | 1.26倍 | +0.01pt |
有効求人倍率の上昇要因
有効求人倍率の上昇は、求人数の増加と求職者数の減少が主な要因である。1月の有効求人数(季節調整値)は前月比0.2%増加し、一方、有効求職者数(同)は0.3%減少した。この背景には、賃上げや労働環境の改善により、転職を控える動きが続いていることが挙げられる。
業界ごとの動向
産業別に見ると、求人の増減に差が見られる。例えば、サービス業(特に警備業)や医療・福祉分野では求人が増加している。一方、教育・学習支援業では少子化の影響で求人が減少している。
【主要産業別の新規求人増減率(前年同月比)】
産業分類 | 増減率 |
---|---|
サービス業(他に分類されないもの) | +5.0% |
学術研究・専門・技術サービス業 | +3.2% |
情報通信業 | +1.6% |
教育・学習支援業 | -5.3% |
生活関連サービス業・娯楽業 | -5.0% |
雇用市場の今後の見通し
厚生労働省の担当者は、「少なくとも2月、3月で大きな上げ下げはないとみられる。雇用情勢は引き続き底堅い動きが続きそうだ」と述べている。しかし、物価高や人手不足の影響で、業種による二極化が進む可能性もある。企業の賃上げや労働環境の変化が、今後の雇用市場にどのような影響を与えるか注目される。
まとめ
1月の雇用市場は、求人数が微増し、求職者が減少したことで有効求人倍率が上昇した。転職控えの動きが続く中で、人手不足の業種とそうでない業種の差が広がる可能性がある。企業の賃上げや労働環境の変化が、今後の雇用市場にどう影響するか注目される。
【参考】一般職業紹介状況(令和7年1月分)について(構成労働省)