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日産社長交代へ 業績悪化とホンダ交渉失敗の影響

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日産社長交代へ 業績悪化とホンダ交渉失敗の影響
DALL-Eで作成

日産、経営刷新へ 内田社長交代を準備

日産自動車は、内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)の交代に向けた調整を開始した。業績悪化やホンダとの共同持ち株会社設立交渉の頓挫を受け、経営責任の明確化と組織再編を進める狙いがある。市場はこの動きを好感している。

 

経営交代の背景 業績低迷とパートナー戦略の迷走

日産自動車は、内田誠社長兼CEOを退任させる方向で調整を進めている。ブルームバーグやダイヤモンド・オンラインの報道によると、内田氏は就任から5年以上が経過しており、経営再建の進捗が不十分とされる中、後継候補の検討が進められている。

日産は4月に幹部人事の刷新を予定しており、3月中旬には再生計画の詳細を発表する見通しだ。ダイヤモンド・オンラインによると、3月6日の指名委員会で社長人事が議論され、後任にはジェレミー・パパン最高財務責任者(CFO)が暫定CEOとして選出される可能性が高いとされる。

業績悪化とホンダ交渉決裂が影響

内田社長の交代が検討される背景には、日産の業績悪化がある。同社の2025年3月期の純損益は800億円の赤字に転落する見通しで、タイを含む複数の工場閉鎖と9000人の人員削減が進められている。特に米国や中国市場での販売不振が響き、企業全体の成長戦略に深刻な影響を与えている。

加えて、ホンダとの共同持ち株会社設立交渉が2月に正式に決裂したことも、経営責任の明確化を求める圧力を強めた。関係者によれば、両社間での戦略の違いが交渉の障害となり、協力関係の構築が難航した結果とされる。

さらに、日産は新たなパートナー探しが急務となっている。市場では、台湾の鴻海精密工業や米投資ファンドのKKRが日産との提携に関心を示しており、特に電動車両(EV)技術の強化を視野に入れた協業が模索されている。一方で、仏ルノーとの関係も引き続き注視されており、株式持ち合いの再編が今後の経営に影響を与える可能性がある。

こうした状況の中で、内田社長の退任が決断されることで、日産の経営改革がどのような方向へ進むのかが今後の焦点となる。

株式市場は交代を歓迎 株価も上昇

 

市場はこの動きを好感している。日産の株価は27日の東京市場で一時5%上昇し、終値は445.8円となった。また、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが縮小し、市場における信用力の回復が示された。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、「日産が内田社長の退任を決断したことは、経営刷新と新たなパートナーシップ構築への意欲を示している」と評価。経営トップの交代が競争環境の厳しい自動車業界において、日産の再生に向けた一歩となる可能性を指摘している。

次期経営トップの課題と今後の展開

後任のパパンCFOは、北米日産の社長兼米国事業統括責任者として、アメリカズマネジメントコミッティ議長を務めた経歴を持つ。2024年12月には日産のCFOに就任し、財務、戦略、事業開発の分野で長年の経験を積んできた。自動車業界に特化した投資銀行で10年以上の経歴も有し、国際的な視点を持つリーダーとして期待されている。

しかし、パパン氏に対しては懐疑的な声もある。特に業績悪化の要因となった北米市場での課題に対して、どのような戦略を打ち出すかが注目される。経営の透明性や、新たな提携戦略をどのように進めるかが問われることになる。

また、ホンダとの統合交渉が再び浮上する可能性も指摘されている。パパン氏はホンダとの交渉を進めるべきだと主張しており、日産の指名委員会メンバーからも評価されている。しかし、ホンダ側が再交渉に応じるかは不透明であり、今後の展開が注視される。

今後、日産は新たな経営戦略の発表と、競争力強化のためのパートナーシップ戦略を明確にすることが求められる。市場の期待が高まる中、次期経営トップの手腕が試されることになる。

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サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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