「なぜ、FP資格はこんなにも多くの人に勧められているのか?」
その答えが、最新の調査で明らかになった。
株式会社学研ホールディングス傘下の株式会社ベンドが運営する「スキルアップ研究所」は、全国のFP(ファイナンシャル・プランナー)資格保持者286人を対象に調査を実施。その結果、実に9割近くの取得者が「他人にも資格取得を勧めたい」と考えていることがわかった。
背景にあるのは、単なる知識の習得を超えた、実生活やキャリアに直結するリアルなメリットだ。
資格取得の動機、その核心は「資産運用」と「キャリア形成」

「FP資格を取った理由は何ですか?」
この問いに対し、46.6%が「投資や資産管理について学びたかった」と答えた。将来に備えた資産形成への関心が、取得の大きな動機となっていることがうかがえる。
だが、意外な事実も浮かび上がった。転職や就職、現職でのスキル向上、副業など、仕事に関連する目的で取得した人の割合が53.4%に達したのだ。
つまり、FP資格はお金の知識を身につける手段であると同時に、キャリアを切り拓く武器でもある。
忙しい社会人でも「取得できる資格」である理由
資格取得における最大のハードルは、時間だ。しかし、この調査結果はそれを覆す。
実に74.2%がフルタイムで働きながら資格を取得していることが明らかとなった。さらに、パートタイム勤務者を含めると、85%以上が何らかの形で就業しながら学習に取り組んでいた。

これは、FP資格が多忙な日常の中でも挑戦できる資格であることを示している。仕事に追われる現代人にとって、これは大きな利点と言えるだろう。
学び方次第で達成度に差――通信・通学講座の優位性
「目的は達成できましたか?」
この質問に対して、通信講座利用者の83.0%、通学講座利用者の71.4%が「達成できた」と回答した。
一方、市販教材のみで学んだ人の達成度は70.5%にとどまった。ここから見えるのは、体系的に設計された学習プログラムの強さだ。
学びの質は、取得後の成果を大きく左右する――そんなメッセージが、この結果からは浮かび上がる。

「勧めたい」と答えた9割近くの理由
FP資格を取得した人たちは、その価値をどのように感じているのか。
調査によると、88.2%が「他者に勧めたい」と回答している。さらにそのうち、21.3%が「強く勧めたい」と答えた。
この数字の裏には、単なる知識習得にとどまらない、実生活や仕事での「成果」がある。取得者の多くが、家計管理の改善や資産運用の成功、あるいは職場での評価向上といった実感を得ているのだ。
資格取得をより身近にするために
FP資格は、自己資産形成やキャリアアップに対して明確な価値を提供している。しかし、その普及と実用性をさらに高めるためには、解決すべき課題もある。
特に、学習コストの削減や時間負担の軽減が求められる。加えて、実務経験を積める環境の整備や、金融・不動産・保険業界をはじめとする幅広い分野での活用機会の拡大も重要なテーマとなる。
将来、FP資格がより多くの人々にとって「当たり前のスキル」として根付く日が来るかもしれない。そのための第一歩として、この調査結果は貴重な指針を示している。