1月30日、東京・秋葉原の「パソコン工房 秋葉原パーツ館」で新発売された「NVIDIA GeForce RTX 5090」の抽選販売をめぐり、400人以上の客が殺到し、混乱が発生した。店側は対応に追われたが、外国人客が多く、意思疎通が難しい状況が続き、販売は中止された。
混乱の中、一部の客が近隣の幼稚園の敷地に侵入し、看板が破損する被害も出た。SNSでは「転売目的の中国人が集まったのではないか」との指摘が相次ぎ、批判が高まっている。
「NVIDIA GeForce RTX 5090」発売日に異常事態 秋葉原で400人超が殺到
30日午後、秋葉原の「パソコン工房 秋葉原パーツ館」で「NVIDIA GeForce RTX 5090」の数量限定抽選販売が予定されていた。しかし、販売開始前から長蛇の列ができ、最終的に400人以上が押し寄せたという。店側は通常よりスタッフを増員し、25人体制で対応したが、混乱は収まらず、急遽販売を中止する判断を下した。
パソコン工房秋葉原パーツ館の広報担当者は「外国人客が非常に多く、なかなか意思疎通ができなかった」と説明した。実際、現場には中国語を話す人々が目立ち、SNS上では「中国では販売されないため、日本で購入して転売する目的の客が集まったのではないか」との指摘が広がっている。
幼稚園の敷地に侵入、看板が破損 騒動の余波広がる
混雑による影響は店舗周辺にも及んだ。行列の圧力で、一部の客が隣接する幼稚園のフェンスを乗り越えて侵入。動画には、幼稚園の職員がさすまたを持って対応する様子が映し出されており、混乱の深刻さがうかがえた。
翌31日には幼稚園の看板が破損しているのが確認された。動画には、行列の流れに押された客が看板に手をかけた際、上部が割れ落ちる様子が映っていた。園児や職員にケガはなかったものの、園側は被害届の提出を検討しているという。
「パソコン工房 秋葉原パーツ館」はこの件について「お客様がフェンスを乗り越え、隣地の幼稚園に侵入するなど、大変にご迷惑をおかけしました」と謝罪し、看板の修理費を負担すると発表した。
「転売ヤー優遇」「日本のユーザーを軽視」 SNSで批判噴出
今回の混乱を受け、SNSでは批判の声が相次いでいる。特に、「中国で販売されない『NVIDIA GeForce RTX 5090』が日本で発売されることで、転売目的の外国人が殺到したのではないか」との指摘が多い。
あるユーザーは、「日本人が正規に購入しようとしても、中国人転売ヤーに押しのけられた。パソコン工房秋葉原パーツ館は誰に販売するのか、もっと慎重に考えるべきだ」と憤る。また、「1台売るだけで60万円以上の転売利益が出る状況では、今後も同じ問題が繰り返されるだろう」と懸念する声もある。
さらに、他の秋葉原の店舗と比較する声も出ている。「ヨドバシカメラやビックカメラは徹底したルール管理をしているため、ここまでの混乱は起きない。パソコン工房は運営体制を見直すべきだ」という意見も目立つ。
今後の販売方法に課題、パソコン工房は対応を検討
今回の騒動を受け、「パソコン工房 秋葉原パーツ館」は今後の販売方法を見直す方針だ。同店の関係者は「今回の事態を重く受け止め、より安全な販売方法を検討する」と述べている。
秋葉原では、過去にも人気商品の販売時に混乱が発生することがあったが、今回のように外国人転売目的と見られる人々が殺到し、販売が中止されるケースは異例だ。今後の販売方法次第では、日本国内のユーザーの不満がさらに高まる可能性もある。
「NVIDIA GeForce RTX 5090」の次回販売については、今後の発表を待つしかない状況だが、店舗側がどのような対策を講じるのか注目が集まっている。