TBS系朝の情報番組「THE TIME,」が30日の放送で、小中高生の自殺者数が2024年に暫定値で527人となり、統計が開始された1980年以降で最多となったことを報じた。これを受け、総合司会の安住紳一郎アナウンサーが、悩みを抱える若者たちに「とにかく状況から逃げてください」と呼びかけた。その言葉がSNS上で大きな反響を呼んでいる。
「恥ずかしいことではない」安住アナの訴え
安住アナは、「原因はやはり学校の問題が一番ということのようですけれども、なかなか悩んでいる10代の皆さんに大人からのメッセージは届きませんが」と前置きした上で、「あまり勝手なことは言えませんが、1人の大人として、やっぱり死にたくなったら逃げるしかないと思います。恥ずかしいことではないので、とにかく状況から逃げてください。それしか方法はないと思います。せっかくの命ですから、どうぞ自分の命は大事にしてください」と語った。
SNSで共感と議論の声が広がる
この発言はX(旧ツイッター)で大きな注目を集め、「本当にその通り」「めちゃめちゃ響いた」「子どもが大人をどう見ているかを理解した上で発言できるのがすごい」といった共感の声が相次いだ。
一方で、「逃げた後のことをちゃんと教えてあげないと怖くて逃げられない」「学校を辞めても大学に行けるし夢を諦める必要もないことを伝えてほしい」「逃げ場のない社会になっていることが問題」といった指摘も見られた。学校や職場での悩みを相談できる場が乏しいことが、自殺者の増加につながっているのではないかという意見もある。
逃げる先と支援の不足が課題に
若者の自殺増加は、社会全体の課題として長年指摘されてきた。学校環境や家庭の事情、SNSの影響など要因は多岐にわたるが、問題の本質は「逃げる」という選択肢が十分に認識されず、また逃げた先に適切な支援が用意されていないことにあるとする声も根強い。
社会が求められる「逃げても大丈夫」な環境づくり
安住アナの発言を機に、子どもたちが「逃げても大丈夫」と思える社会づくりの重要性が改めて浮き彫りとなった。今後、どのような対策が求められるのか、議論が深まることが期待される。