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日本酒「獺祭」の旭酒造、社名を変更へ なぜ「株式会社 獺祭」に?

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獺祭HP
獺祭のHPより

国内外で高い人気を誇る日本酒「獺祭」を製造する旭酒造(山口・岩国市)が、2024年6月1日付で社名を「株式会社 獺祭」に変更することが発表された。この変更は、「獺祭」というブランドをさらにグローバル展開し、国内外での認知度を一層高めるための戦略的な判断だ。英語表記は「DASSAI Inc.」となる。

いったいなぜなのか?

朝日酒造との混同を回避

今回の社名変更の背景には、国内外で同業他社である「久保田」を製造する朝日酒造(新潟・長岡市)との混同を避ける意図もあると考えられる。英語表記にすると、旭酒造も朝日酒造も「Asahi」となるため、特に海外市場を強化しようとしている両社が混同されるケースが散見されていた。

実際、「旭酒造」という社名よりも「獺祭」というブランド名のほうが国内外で圧倒的な知名度を誇ることから、この変更は自然な流れといえる。業界関係者からは「獺祭のブランド力を前面に押し出し、さらに認知度を高める戦略だろう」との声が上がっている。

海外市場への本格展開

旭酒造は2023年、アメリカ・ニューヨーク州に酒蔵を完成させ、現地生産体制を整えた。これにより、まずはアメリカ市場でのシェア拡大を目指す。また、国内でも2028年春に新しい酒蔵が完成予定で、生産能力のさらなる強化を図る方針だ。

同社の現時点での売上高は国内約100億円、海外約90億円だが、将来的には国内300億円、海外700億円の合計1000億円規模を目指している。社名変更を契機に、特に海外市場での「獺祭」ブランドの認知拡大を加速させる狙いがある。

挑戦を続ける「獺祭」

旭酒造は、創業以来チャレンジ精神を持ち続けており、2018年にはパリに「獺祭 ジョエル・ロブション」をオープン(2022年閉店)するなど、世界市場での地位を築いてきた。2022年には「アジアのベストレストラン50」に協賛し、MLBニューヨーク・ヤンキースとのスポンサー契約も締結。2023年にはニューヨーク州で「DASSAI BLUE」の販売を開始し、現地での存在感を高めた。

このように、ブランド力を強みにした戦略を次々と展開してきた旭酒造は、3代目の桜井博志会長、そして4代目蔵元である桜井一宏社長のもと、さらなる成長を見据えている。

消費者からの期待

今回の社名変更について、消費者からは「国内外で『獺祭』の名前が広まっているから、これを機に認知度を一気に高めるのは賢明な判断」といった肯定的な意見が多く聞かれる。一方で、「海外で朝日酒造と混同されることが多いのを解消する意味もあるのでは」という指摘もあった。

この変更をきっかけに、「獺祭」は国内外のさらなる市場拡大を図り、日本酒のグローバルブランドとしての地位を確立していく見通しだ。

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寒天 かんたろう

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ライター歴25年。月刊誌記者を経て独立。伝統的な日本型企業の経営や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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