ユーキャンが2024年12月27日に発表した「ユーキャンサイト人気講座年間ランキング」によると、実用ボールペン字講座が1位を獲得した。景気動向や雇用不安といった社会情勢の中、同ランキングはビジネスパーソンの学習トレンドを反映していると言える。
本稿では、ランキング上位の内容を分析し、その背景にある要因と今後のビジネスパーソンへの影響について考察する。
実用スキルと資格取得への関心の高まり
ランキングは以下の通り。
1.実用ボールペン字
2.医療事務
3.宅地建物取引士(宅建士)
4.ファイナンシャルプランナー(FP)
5.簿記3級
6.調剤薬局事務
7.登録販売者
8.行政書士
9.子ども発達障がい支援アドバイザー
10.マイクロソフト オフィス スペシャリスト (MOS)
1位の実用ボールペン字講座は、ユーキャンといえばというものでもあるし、美しい文字を書きたいというニーズはビジネスシーンだけでなく、老若男女年代を問わずニーズがあり、それを捉えているのだろう。
2位の医療事務講座、3位の宅地建物取引士(宅建士)講座は、安定した需要のある職業への転職やキャリアアップを目指す層の関心の高さを示唆している。
上位10位以内には、ファイナンシャルプランナー(FP)、簿記3級、登録販売者、行政書士など、専門知識を必要とする資格取得を目指す講座がランクインしている。その他、近年注目を集めている子ども発達障がい支援アドバイザーや、ビジネスパーソンにとって必須スキルになりつつあるMOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)も人気を集めている。
背景にある経済状況と自己啓発意識の向上
ランキング結果の背景には、昨今の経済状況や雇用不安が影響していると考えられる。先行きの見えない時代において、個人が自身のスキルアップや資格取得に積極的に投資することで、キャリアの安定性を確保しようとする意識の高まりが見て取れる。
また、コロナ禍を経てリモートワークが普及したことで、時間や場所に縛られない学習スタイルが浸透してきたことも、通信教育の人気上昇に拍車をかけていると言えるだろう。
今後のキャリア形成への示唆
今回のランキングは、ビジネスパーソンにとって、市場価値の高いスキルや資格の習得が重要性を増していることを示している。変化の激しい現代社会において、常に自身のスキルをアップデートし、市場のニーズに適応していく姿勢が求められる。
特に、専門知識を有する資格は、キャリアチェンジや独立開業を目指す上で強力な武器となる。また、実用的なスキルは、日々の業務効率向上に繋がり、ひいてはキャリアアップにも繋がるだろう。
個々のビジネスパーソンは、自身のキャリアプランを見据え、ランキング情報を参考にしながら、必要なスキルや資格を積極的に習得していくことが重要となるだろう。