政府主導のリスキリング支援事業が延長されることが明らかになった。この事業は、デジタル化や人材不足といった社会課題に対応するため、個人のスキルアップと転職を支援する取り組みだ。事業延長に伴い、教育事業大手のヒューマンアカデミーは、新たに4つの講座を追加し、より多様なキャリアニーズに対応する体制を整えた。
背景にある深刻な人材不足とリスキリングの必要性
少子高齢化による労働人口の減少は、日本経済にとって大きな課題となっている。同時に、AIやIoTといった技術革新は、企業に新たなスキルを持つ人材を求めている。こうした状況下、既存のスキルだけではキャリアアップが難しくなり、リスキリングの重要性がますます高まっている。
しかし、企業側のリスキリングへの取り組みは遅れている。帝国データバンクの調査によると、リスキリングに積極的に取り組んでいる企業は全体の26.1%にとどまっている。個人の側でも、リスキリングという言葉自体を知らない人が64.4%に上るという調査結果もある(株式会社kubell調べ)。
政府の支援事業とヒューマンアカデミーの取り組み
こうした状況を打破するため、政府は「リスキリングを通じたキャリア支援事業」を展開している。キャリア相談からリスキリング講座の提供、転職支援までを包括的にサポートする内容だ。今回、この事業の期間延長が決定し、ヒューマンアカデミーは事業参画を通して、より多くの個人のキャリアアップを支援していく。
ヒューマンアカデミーは、既に提供しているAI活用スペシャリストコース、Web動画クリエイター総合コース、建築CAD総合コースなどに加え、新たに4つの講座を追加した。国家資格化された「登録日本語教員」を目指す日本語教師養成コース、ネイルプロフェッショナルサロンコース、Webエンジニア総合コース、Python講座である。これらの講座は、成長産業で需要の高いスキルを習得できる内容となっている。
きめ細やかなサポート体制で学習効果を最大化
ヒューマンアカデミーは、39年にわたる教育事業で培ったノウハウを活かし、学習者一人ひとりの目標に合わせた学習支援(SELFing)を提供する。独自開発の学習マネジメントシステム「ヒューマンアカデミーassist」を活用し、キャリア相談から学習、転職支援までを一括サポート。校舎には、国家資格であるキャリアコンサルタントと独自のSELFingカウンセラー資格を有するスタッフを配置し、きめ細やかなサポートを提供する。
同社は、個人のキャリア形成を支援するだけでなく、リスキリングの必要性を社会に広く発信することで、より良い社会の実現を目指している。