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改正障害者差別解消法施行から半年、合理的配慮の認知度は依然低水準 ミライロ調査

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民間企業における障害者への合理的配慮提供を義務化した改正障害者差別解消法の施行から、2024年4月で半年が経過した。

しかし、障害者向けサービスを提供する株式会社ミライロ(大阪市)が実施した調査によると、障害者側の認知度は依然として低く、相談体制も整っていないことが明らかになった。

同社が運営する「ミライロ目安箱」には、企業側の対応の遅れを訴える声が1年間で1万7000件以上寄せられており、法施行から時間が経過してもなお、障害者と企業側の認識の乖離が浮き彫りとなっている。

合理的配慮の認知度、4割満たず

ミライロは2021年10月から「民間事業者による合理的配慮推進委員会」を発足させ、合理的配慮に関する実態調査を継続的に実施している。改正法施行後初となる今回は2024年9月に調査結果をまとめたレポートを公開した(設立当初の2021年12月に約1,000名の障害者と、300の事業者から回収したアンケート)。

法律の認知度
(提供:ミライロ)

調査では、障害のある当事者に対して、改正法の内容を認識しているか尋ねたところ、「知っている」と回答した人はわずか36%にとどまった。「すべての障害種別で『知っている』よりも『知らない』と回答した人が多く、合理的配慮の提供が義務化されたことの認知度は、改正法が施行された後も高まっていない」と分析している。

相談窓口の利用は低調

行政が設置している相談窓口の利用状況も低調だ。相談窓口の存在自体を「知らない」と回答した人が約8割に上り、「利用したことがある」と回答した人はわずか15%だった。改正法では、障害者差別解消法に関する相談を適切な相談窓口に繋ぐための「つなぐ窓口」を内閣府が中心となって明確化することが基本方針として掲げられている。

相談窓口の認知度と利用実態
相談窓口の認知度と利用実態(提供:ミライロ)

しかし、試行事業として2023年10月からスタートした「つなぐ窓口」の認知度も低く、利用経験がある人は約2%にとどまっている。

ミライロ目安箱に寄せられた声は1万7000件超

ミライロは、障害者から寄せられた相談に対応するため、デジタル障害者手帳アプリ「ミライロID」内に「ミライロ目安箱」を設置している。2023年7月の設置以降、1年間で寄せられた相談は約1万7000件を超え、企業側の合理的配慮に対する理解不足や対応の遅れを訴える声が目立った。

ミライロは、「障害者と事業者の建設的対話を促進する上では、障害のある人に対する改正法の認知度やリテラシーを高めることも重要」と指摘。その上で、「事業者が事前的改善措置(環境整備)や合理的配慮の提供を推進する参考資料を社会に提供していく」としている。

企業側のさらなる意識改革必要に

今回の調査結果から、改正障害者差別解消法の施行から半年が経過したものの、障害者の権利擁護や社会参加促進に向けた取り組みには、依然として課題が多いことが浮き彫りになった。企業側は、法の趣旨を理解し、障害者が働きやすい環境を整備していくことが求められる。

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ライター:

サステナブル情報を紹介するWEBメディアcokiの編集部です。主にニュースや解説記事などを担当するチームです。

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