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住吉会・幸平一家、警視庁の壊滅作戦はなぜ今か?住吉会トップ逮捕と歌舞伎町の行方

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住吉会・幸平一家

「関係部門があらゆる切り口から事件化を図り、壊滅に追い込んでいただきたい」

3月30日、警視庁の筒井洋樹警視総監は、およそ200人の幹部らを前に力強く訓示した。その標的は、指定暴力団・住吉会の傘下組織「幸平一家」である。警視庁は4月1日より、幸平一家の特別対策本部の指揮を、これまでの「刑事部長」から「副総監」へと異例の格上げを行い、全部門を挙げての壊滅作戦へと舵を切った。

 

実際に、警察のこの本気度を裏付けるように、翌31日には象徴的なニュースが飛び込んできた。

指定暴力団住吉会「幸平一家」傘下組織の組長・鈴木義明容疑者(54)ら6人が、強盗傷害などの疑いで警視庁に逮捕されたのだ。報道によれば、彼らは先月、組の幹部だった40代の男性を「他の暴力団に情報を漏らした」と因縁をつけて東京・豊島区のビルに監禁。約6時間半にわたって殴るなどの暴行を加えて重傷を負わせ、90万円相当のネックレスなどを奪ったという。

都内屈指の暴力団であり、特殊詐欺や麻薬の密売など「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」の犯罪にも強く関与しているとみられる幸平一家。なぜ数ある組織の中で、今、彼らがここまで集中的に狙い撃ちされているのか?

その背景には、裏社会の勢力図を大きく塗り替える“異常事態”があった。

 

東京アウトローを飲み込んだ歴史

2000年頃、新宿・歌舞伎町で幸平一家や、その傘下である「加藤連合(現・加藤連合会)」、「義勇会」の名を聞いて震え上がらない者はいなかった。彼らは、後に関東連合の中心メンバーを堺組に、怒羅権のメンバーを義勇会に組み込むなど、東京のアウトローのスターたちを次々と飲み込み、巨大な戦闘集団へと膨れ上がっていった。

世間を震撼させた事件も記憶に新しい。2020年6月、歌舞伎町で発生したスカウト狩りである。スカウトグループ『ナチュラル』を標的に、深夜の街に怒号が飛び交い、100人規模の組員たちがスカウトマンを追いかけ回して暴行を加える動画が拡散され、彼らの武闘派ぶりが改めて世に知れ渡ることとなった。

 

住吉会と一体となった幸平一家

従来、幸平一家は住吉会の傘下でありながら住吉一家には名を連ねない、独立峰のような存在だった。住吉会の執行部・要職に就くのも加藤英幸総長のみという時期が長かった。しかし、西口総裁時代から福田氏、関氏へとトップのバトンが渡され、現在の小川修司会長(共和一家出身)体制になる過程で、圧倒的な資金力と武力を持つ幸平一家の影響力は徐々に増大していった。

現在、住吉会のナンバー2である会長代行には小坂聡氏(十三代目幸平一家総長代行・加藤連合会会長)が就き、最高幹部や執行役員にも総務長に入里林一氏(同幹事長)、渉外委員長に金亨東氏(同理事長)など、幸平一家の重鎮が名を連ねている。

気づけば、住吉会という巨大組織は、幸平一家と溶けて混じり合い、その中枢で一体となる形となっていたのだ。

 

トップ逮捕の裏で進む権限向上と警察の危機感

そして、警察の危機感を決定的なものにしたのが、昨年(2025年)末に起きた前代未聞の事件である。

2025年12月、千葉県警は住吉会のトップである小川修司会長を逮捕・起訴した。容疑は、関功前会長が病死した直後の2022年5月、前会長宅に傘下組長らと侵入し、金庫から現金5000万円を盗み出したという窃盗と邸宅侵入の罪だ。さらに、被害届を取り下げさせようと管理人の女性を複数人で脅すなど、トップ自らが手を下した泥臭い事件の全容が世間に晒された。

このトップ逮捕により、現在の住吉会は、ナンバー2の小坂会長代行をはじめとする幸平一家出身の最高幹部たちの発言力が向上し、なお一層会の運営を左右できる状態にある。「要するに、幸平一家が住吉会の中枢に食い込み、その権限と威勢がこれ以上拡大していくことを、警察は最大の脅威と見なしたのです」(実話誌記者)

 

工藤会方式の壊滅作戦と、その先に待つカオス

副総監をトップに据え、全部門を動員する今回の体制強化。これは、かつて福岡県警が特定危険指定暴力団工藤会を壊滅状態に追い込んだ徹底的な締め付け作戦の東京版と言える。

今後、幸平一家に対してどのような捜査が行われるのか。工藤会への捜査がそうであったように、今後は別件逮捕や微罪での逮捕・勾留が執拗に繰り返されることになるだろう。資金源は断たれ、組員たちは次々と刑務所送りとなる赤落ちを余儀なくされる者が続出するはずだ。

組織として何らかの手を打たなければ、幸平一家の弱体化は免れないだろう。

 

しかし、手放しで喜べる未来が待っているわけではない。

最大勢力である幸平一家が弱体化することは、彼らが力で押さえつけていた東京の繁華街、特に歌舞伎町のタガが外れることを意味する。治安悪化というパンドラの箱が開き、力の空白地帯となった東京の繁華街には、凶悪な不良外国人グループや、関東圏以外のイケイケの他団体がハイエナのように群がってくるリスクが極めて高い。

さらに、警察の取り締まりが厳しくなればなるほど、ヤクザは看板を隠し、ますます地下へと潜っていく。誰がヤクザで、誰が半グレなのか、実体が全く見えなくなる暗黒時代がすぐそばまで来ているのだ。

それでも、これは時代の流れだ。表で堂々と威勢を張る巨大な暴力を、警察は見過ごすわけにはいかない。叩く以外の道はないだろう。

 

不良だけではなく、堅気衆からも絶大な人気とカリスマ性を誇る絶対的トップ、加藤英幸総長はこの窮地にどう出るのか。そして、幸平一家無きあとの東京の裏社会はどうなってしまうのか。

警察と裏社会の終わりのない死闘から、目が離せない。

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寒天 かんたろう

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ライター歴26年。月刊誌記者を経て独立。企業経営者取材や大学、高校、通信教育分野などの取材経験が豊富。

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