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【池袋ガールズバー事件】「店長が好きだった」田野和彩被告(21)公判 父は「二度と関わらせない」

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売春強要事件
DALLーEで作成

黒いスーツに、おかっぱの髪型。被告席に座る21歳の女性に、法廷の視線が集まっていた。

池袋のガールズバーをめぐる売春強要事件で起訴された 田野和彩被告(21) の公判が3月4日、東京地裁で開かれた。事件では、店長だった男とともに20代女性従業員に売春をさせた罪に問われている。

この日の法廷では、父親が証人として出廷し「娘の将来のために約260万円の借金を返済した」と証言。「共犯の店長とは二度と関わらせない」と語気を強める場面もあった。一方、被告自身は「店長が好きだった」と語り、当時は「感覚が麻痺していた」と説明した。

恋愛関係、暴力、そして夜の業界特有の環境。法廷では、事件の背景にあったいびつな関係が少しずつ明らかになっていった。

 

 

傍聴人が殺到した東京地裁 注目集める21歳被告の公判

東京地裁の法廷前には、開廷のかなり前から長い列ができていた。目当ては、池袋のガールズバーをめぐる売春強要事件で起訴された 田野和彩被告(21) の公判だ。

SNSなどで“美人ガルバ店員”として話題になったこともあり、この日は多くの傍聴希望者が集まった。開廷直前には列への割り込みをめぐり、男性と職員が口論になる場面もあり、廊下には一時、緊張した空気が漂った。

午後、法廷の扉が開く。黒いスーツ姿の田野被告が、弁護士と両親に付き添われて入廷した。髪型はおかっぱ。被告席に座ると背筋を伸ばし、前を見据えたまま静かに公判の開始を待った。

この日行われたのは証人尋問と被告人質問。そこで語られた証言から、事件の背景にあった人間関係や被告の生活の変化が浮かび上がった。

 

池袋ガールズバー売春強要事件の経緯

事件の舞台となったのは東京・池袋のガールズバーだった。

起訴状などによると、当時店長だった男と田野被告は共謀し、店で働いていた20代女性に売春をさせた罪に問われている。売春が行われていた場所は、新宿・大久保公園周辺。いわゆる「立ちんぼ」と呼ばれる路上売春のエリアとして知られている場所だ。

被害女性はカード型のGPSを持たされ、位置情報を管理されていたとされる。さらに売春で得た金は店長側に渡していたとみられている。

田野被告は当初、ガールズバーの従業員として働いていたが、その後店のマネージャーとなり、被害女性の行動確認などに関与していたとされる。

事件は警察の捜査によって発覚し、店長の男と田野被告が逮捕された。初公判では田野被告は起訴内容を認めている。

そして3月4日に開かれた今回の公判では、父親の証人尋問と被告人質問が行われ、事件の背景にあった人間関係が詳しく語られた。

 

「娘は善悪の判断ができていなかった」父親の証言

証人尋問で証言台に立ったのは、田野被告の父親だった。

着慣れた様子のスーツ姿で立つと、裁判長の前で宣誓した。

「良心に従って真実を述べ、何事も隠さず偽りを述べないことを誓います」

弁護人から事件を知ったときの状況を問われると、父親は落ち着いた口調でこう語った。

「弁護士の先生から連絡を受けて事件を知りました。正直、驚きました」

その翌日には東京へ向かったという。

「状況を知りたかったのと、娘が飼っていたペットを引き取る必要があったからです」

昨年12月、両親が保釈金を支払い、田野被告は釈放された。現在は地元の実家で生活しているという。

父親は帰宅後の娘の様子についてこう証言した。

「どうしてこんな罪を犯したのか話し合いました。本人は『被害者や周りの人に迷惑をかけて申し訳ない』と話していました」

娘が反省している様子を見て「少し安心した」とも語った。

現在は規則正しい生活を送っているという。

「朝早く起きて生活しています。私は日中仕事で家にいませんが、家内の家事を手伝ったり、ペットの世話をしたりしています」

そして父親は、事件の原因についてこう述べた。

「善悪の判断ができていなかったことがすべてだと思います」

 

父親が肩代わりした260万円の借金

証人尋問では、田野被告が抱えていた借金についても明らかになった。

父親は弁護人の質問に対し、

「娘の将来のために約260万円の借金を返済しました」

と証言した。

借金の用途は明らかになっていない。ただ、事件後、父親は保釈金とは別に多額の金銭を支払っていたことになる。

父親は今後についても語った。

「まずは昼間の仕事に就いてもらうことです。親の目が届く環境で生活させたい」

さらに

「こまめにコミュニケーションを取り、何かあれば相談できる関係を作りたい」

と述べた。

 

「二度と関わらせない」共犯店長との関係

公判では、共犯とされるガールズバーの元店長についても質問が及んだ。

この男は被害女性にGPSを持たせて行動を管理し、大久保公園周辺で売春をさせていたとされる人物で、事件の中心的存在とみられている。

父親は娘と男の関係について

「付き合っていたことも事件後に知りました」

と証言した。

さらに弁護人から

「今後、その男性と関わらせないようにするのか」

と問われると、父親は語気を強めてこう答えた。

「二度と関わらせません」

法廷には一瞬、張り詰めた空気が流れた。

 

「店長が好きだった」被告の証言

続いて行われた被告人質問では、田野被告自身が事件当時の状況を語った。

田野被告は愛媛県出身。大学進学を機に上京し、2023年ごろから池袋のガールズバーで働き始めた。その後店長だった男と交際関係になり、翌年には店のマネージャーに昇格したという。

被害女性については

「精神的にも肉体的にも辛い思いをさせてしまい申し訳ない」

と謝罪した。

一方で、田野被告自身も店長から暴力を受けていたと証言した。

「怒ると手がつけられない感じでした。蹴られたり、過呼吸になるくらいビンタをされたことがあります」

検察官から

「売春させるような男性と、なぜ別れなかったのですか」

と問われると、法廷は一瞬静まり返った。

しばらく沈黙した後、田野被告は震える声で答えた。

「好きだったからです」

そして続けた。

「今思うと普通じゃないと思います。感覚が麻痺していたのかなと思います」

さらに

「夜の世界ではあり得ることなのかなと思っていました」

と述べ、当時は正常な判断ができていなかったと説明した。

 

裁判の行方

今回の事件では、被害女性が

・GPSで位置を管理されていた
・大久保公園周辺で売春をさせられていた
・売上金を店長に渡していた

などの状況が明らかになっている。

今回の公判では、田野被告自身も店長から暴力を受けていた可能性が示され、恋愛関係と上下関係が入り混じる中でいびつな支配関係が生まれていたこともうかがえる。

ただし裁判では、田野被告が売春行為にどの程度関与していたのかが大きな争点となる。

公判はまだ結審しておらず、審理は今後も続く見通しだ。裁判所がどのような判断を下すのか注目されている。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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