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早稲田佐賀に志願者3800人で過去最多 福岡・首都圏から集中する理由とは

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早稲田佐賀中学校・高等学校
早稲田佐賀中学校・高等学校 公式インスタグラムより

佐賀県唐津市にある早稲田佐賀中学校・高等学校の志願者数が急増している。2025年度入試では中高合わせて定員240人に対し約3800人が応募。前年を約300人上回り、開校以来最多を更新した。福岡県内はもちろん、東京や大阪など首都圏・関西圏からの志願者も目立つという。

地方都市にありながら、なぜこれほどまでに受験生を引きつけるのか。その背景には、歴史的文脈と独自の教育方針、そして確かな進学実績がある。

 

 

「校長室にいない校長」──現場主義が生むスピード感

校舎は唐津城の二の丸跡地に立つ。門をくぐると、大隈重信の銅像が出迎える。迎佳和校長は校長室を使わず、職員室で教員と机を並べて日々を過ごす。

「教育現場に必要なのはスピード感」と語り、授業や部活動の指導も担う。トップが現場にいることで、教員との距離が縮まり、生徒の変化も迅速に共有される。この“フラットな校風”が、受験生や保護者の安心感につながっている。

 

なぜ唐津に早稲田か──歴史と土地の必然

早稲田大学の系属校が東京以外に設置されたのは同校が初めてだ。理由の一つは、大隈重信が佐賀出身であること。当初は佐賀市も候補に挙がったが、福岡市へのアクセスの良さなどから唐津市に決まった。

さらに、早大第2代学長・天野為之の生誕地が唐津である点も決め手となった。校地は旧唐津東高校跡地で、かつて洋学校「耐恒寮」が置かれた場所にあたる。そこでは後に内閣総理大臣となる高橋是清が若き日に英語を教えていた。

自由闊達な気風は当時から受け継がれ、卒業生には辰野金吾ら近代日本を築いた人材が名を連ねる。校門前に立つ「唐津近代教育揺籃の地」の碑は、この土地の教育史を物語る。

 

地域と結ぶ体験学習が「地方校」の強みに

志願者増の背景には、都市部にはない学びの設計もある。生徒は漁師や農家に宿泊し、地引き網や農業体験を行う。唐津焼の窯元を訪ねる陶芸体験も組み込まれている。

虹の松原での清掃活動や地域振興策の提案など、自主的な地域活動も活発だ。2025年夏の全国高校生プレゼン甲子園では、厳木地区の振興策を発表した女子生徒グループが最優秀賞を受賞。吹奏楽部は県大会で金賞、野球部は2017年に夏の甲子園初出場を果たした。創部間もないラグビー部も強化が進む。

「文武両道」と「地域共創」を両立させる姿勢が、学校ブランドを押し上げている。

 

早大推薦枠の拡大が後押し

もう一つの大きな要因は、早稲田大学への推薦枠の拡大だ。内部進学の道が年々広がり、安定した進路選択が可能となった。地方にいながら首都圏トップ私大への進学ルートが確保できる点は、保護者にとって大きな魅力である。

福岡都市圏からは通学圏内という利便性、首都圏からは「寮生活を通じた自立」を期待する声がある。地方校でありながら、全国区のブランドを持つことが、志願者増加の最大の理由といえる。

 

志願者増は一過性か、それとも定着か

開校から15年。地方創生が叫ばれる中、教育機関が地域の核となるモデルケースとして注目を集める。同校の人気は単なるブランド志向ではない。歴史的背景、現場主義の教育体制、体験重視のカリキュラム、そして進学実績という複数の要素が重なった結果だ。

地方にありながら全国から志願者を集める現象は、教育の新しい潮流を示している。

 

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ライター:

広告代理店在職中に、経営者や移住者など多様なバックグラウンドを持つ人々を取材。「人の魅力が地域の魅力につながる」ことを実感する。現在、人の“生き様“を言葉で綴るインタビューライターとして活動中。

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